スマホでファイナルファンタジーVIをプレイしてみたら想像以上の冒険になった
近年、iOSやAndroidアプリからはたくさんのゲームがリリースされており、往年の名作ゲームがアプリ化されているのも珍しくはありません。そんな中でも特に気になっていたのがファイナルファンタジー(FF)シリーズで、初代からシリーズ6作目のVIまでが軒並みアプリ化されており、一部の作品ではスマートフォン向けにグラフィックを新たに描き直している、とのことだったので実際にグラフィックやシステムに改良が施されたというiOSアプリ版の「ファイナルファンタジーVI(FFVI)」をプレイしてみました。
FINAL FANTASY VI | SQUARE ENIX
http://dlgames.square-enix.com/ff/ff6/jp/
これまでもスマートフォンでゲームをプレイしたことはあったのですが、通常のRPGのように何時間もかけてじっくりプレイするようなゲームはあまりプレイせず、ちょっとした空き時間に数分間プレイできるようなものを楽しんでいました。その理由は、使用していたスマートフォンがiPhone 5で、ディスプレイサイズが4インチとあまり大きくないので、ストーリーを楽しむために文字をしっかり読んだり、敵モンスターの特性を見極めて戦いごとにコマンドを変更させたりする必要のあるRPGをプレイするには、圧倒的にサイズが小さ過ぎると感じていたからです。
そんな中、iPhone 6が登場したので機種変更してこれを使ってみると、ディスプレイが大きくなった影響からか、それまではあまり使わなかったムービー再生や電子書籍といった目で見て楽しむコンテンツがかなり楽しめるようになっていることに気づき、「これならガッツリゲームをプレイしても楽しめるのでは?」と思い、実際にFFVIを購入してプレイしてみることにしたというわけ。
iPhone 6とiPhone 5でFFVIの画面を見比べてみるとこんな感じ。写真で見比べると「こんなものか」と思うかもしれませんが、実際に使ってみると「ディスプレイが大きいことは正義だな」というくらいに大画面化は素晴らしいと感じます。
というわけで早速プレイしてみることに。FFVIはiPhone・iPod touch・iPad・Android向けにアプリがリリースされており、実際に以下のリンクからインストール可能です。
iTunes の App Store で配信中の iPhone、iPod touch、iPad 用 FINAL FANTASY VI
https://itunes.apple.com/jp/app/id719401542
FINAL FANTASY VI - Google Play の Android アプリ
◆基本操作はこんな感じ
スタート画面ではFFシリーズではおなじみのプレリュードがピロピロ流れてくるので、FFシリーズをひとつでもプレイしたことがあれば「この曲聴いたことがある!」となるはず。
FFVIは「魔法」が消え去った世界が舞台。
そんな世界でなぜかひとりだけ魔導の力を持つという、緑髪の少女を中心にストーリーは展開していきます。しかし、FFVIは特定の主人公がおらずメインキャラクター12人が主人公とされています。とにかく登場キャラクターが多く、全てのキャラクターを平等に成長させていくのはほぼ不可能なのも特徴といえば特徴。
FFVIのタイトル画面のシルエットは、この緑髪の少女が「魔導アーマー」と呼ばれる兵器に乗っている様子を描いたもの。ゲームがスタートした直後はこの緑髪の少女が魔導アーマーに乗っており、これを駆使して戦えるのですが、作品全体を通すとプレイヤー側が魔導アーマーを使えるのはほんの数回で、「アレ?タイトルでは魔導アーマーに乗ってるんだけどな……」となります。
最初に仲間にいるメンツは以下の通り。「ていこくへい」のウェッジとビックスは、FFVIで初登場して以来、FFVIIやFFVIII、クロノ・トリガーにキングダムハーツIIなどさまざまな作品に登場する名脇役的存在になっています。
戦闘画面はこんな感じ。
画面下部からコマンドをタップし、複数の技が使用できる場合はその中から使用するものを選択。
最後にどの敵に攻撃するかを、画面下部の敵の名前から選択するか、敵キャラクターをそのままタップして選択すればOK。画面下部のコマンドはかなり小さいので、指でタップしようとして思っていたものと違うコマンドをタップしてしまう、ということもままあるので、画面上の敵キャラクターをそのままタップしてターゲット選択するのが良さげです。
さらに、画面左上のアイコンをタップすればバトルをオートで進めることも可能。オート時はひとつ前の戦闘で使用されたコマンドが繰り返し使用されることになるので、ボス戦で強力な魔法を連発したり、味方キャラクターにアイテムを使いまくったりしていると、ボス戦後の通常戦闘でオートボタンを押してしまい魔法やアイテムを無駄遣いしてしまう、ということにもなるので注意が必要です。
FFVIの戦闘シーンでは、「この敵にこんな行動をとると大ダメージを食らうので注意」といった場面によく出くわします。なので、オートボタンを押したままにしておけば全ての戦闘を自動で済ませられる、ということにはならないので、敵キャラクターごとの弱点や特性をしっかり把握して戦闘に挑みましょう。
ワールドマップ内ならばどこでもセーブ可能ですが、ダンジョン内ではこんな風にキラキラ光っている場所がセーブポイントになります。
FFVIはスーパーファミコン時代のゲームなので、プレイしていると「アレ?次どこに行くんだ?」と言うことがあります。そんな場合は画面左上に表示されるヒントを見れば次の目的がなんなのかすぐに分かるので安心です。
ゲーム中にキャラクターを操作する際は画面をタップすると移動パッドが表示されるので、これを使います。
画面内ならばどこにでもゲームパッドが表示されるので、両手でスマートフォンをがっちり握らなくても、指一本でゲームはプレイ可能。
なお、メニュー画面の「コンフィグ」からバトルモードやバトルスピードの変更が可能で、好みの設定にしておくとよりスムーズにゲームが進められます。
さらに、ウィンドウサイズを変更すると画面端に時計やバッテリーを表示させることができます。初期設定のままだとパッと時間を確認したい時に、わざわざホームボタンを押して一度ホーム画面に戻る必要があり、これが意外と手間に感じます。なので、普段時間の確認はスマートフォンで行っている、という場合はウィンドウサイズを「ワイド」に変更しておくと良さそうです。
◆シリアスな展開が続くストーリーとキュートなキャラクター
FFVIは12人のキャラクターが主人公、というだけあってさまざまなキャラクターのストーリーが楽しめるようなゲームになっています。ストーリーは全体的にシリアスな話が続くのですが、グラフィックが新しく描き直されたことで画面上のキャラクターたちは非常に明るくおちゃめに感じられます。シリアスなストーリーを楽しみながら、ふとした瞬間にキュートなキャラクターたちが癒しを提供してくれる、という2つのギャップがFFVIの親しまれる理由なのかもしれません。
「ど・ろ・ぼ・う?俺を呼ぶならトレジャーハンターと言ってくれ!」
画面上のキャラクターは表情豊かでさまざまなアクションで感情表現します。
時にはモーグリがプレイヤーを助けてくれたり……
「記憶が……安心しろ。俺が必ず守ってやる。必ずだ!!」というカッコイイ台詞が飛び出したりします。
また、戦闘シーンだろうとなんだろうと関係なく急に寸劇が始まったりすることもアリ。
戦闘中にひそひそしなくても……とも思いますが、そんな自由さが全体的に暗くなりがちな世界観を明るくしてくれるのです。
そしてFFVIを語る上で外せないのが、敵キャラクターのケフカ。とにかくちゃらんぽらんで残虐非道なのですが、なぜか嫌いになれない不思議なキャラクターです。
本当にヒドイ人ですね。
取り巻きもヒドイ。
敗北した敵キャラクターが必ず言いそうなテンプレ台詞も飛び出します。
◆セーブしなくてもOK
スマートフォン版のFFVIの特に良いところは、いつでもどこでもセーブできるところ。細かく言えばいつでもどこでもセーブできるわけではないのですが、セーブポイント以外でゲームをやめると自動で「中断データ」が作成され、いつでも中断した時点からゲームを再開できるようになっています。中断データの作成はいつでも自動でアプリが行ってくれるので、ついついセーブすることを忘れてゲームを進めてしまい、敵キャラクターが強すぎてゲームオーバーになり、かなり昔のセーブデータからやり直す羽目になる、ということもままあります。なので、中断データを作成してもらえるといってもこまめにセーブしておくべき、というゲームの大原則は変わりません。
また、iOS版のFFVIはセーブデータをiCloudに保存することができます。この機能を使えば複数台のiOSデバイスでセーブデータを即共有することができるので、外では普段持ち歩いているiPhoneを使い、家では画面の大きいiPadでゲームをプレイ、というようなプレイの仕方も可能になります。
スーパーファミコン時代の「ちょっとした衝撃で全てのゲームデータが飛んでしまう」というような理不尽な出来事はまず起きず、常に持ち歩いているスマートフォンひとつで簡単にゲームがプレイできるので、いつでもどこでも、ほんのちょっとの時間でもすぐにFFVIの世界に飛び込める、というのがスマートフォン版FFVIの特にグッドなポイントというわけ。
◆キャラクターごとに異なるオリジナルコマンド
FFVIでは各キャラクターにオリジナルコマンドが用意されており、これが敵とのバトルを楽に進めるには欠かせない要素です。
例えばエドガーの場合、「きかい」コマンドでさまざまな攻撃をしかけることが可能で、「きかい」コマンドは使用回数やMP消費もなく使えるので、常にこれを使って戦った方が有利に戦闘を進められます。
最初から使用可能な「オートボーガン」は敵全体にダメージを与えられ、ダメージ量も最初の頃は他キャラクターの通常攻撃よりも強いので、かなりお役立ち。
マッシュの場合はコマンドを入力すると発動する「ひっさつわざ」が使用できます。コマンドはメニュー画面から確認できるので、一度これをチェックしてその時その時に使用できる最も強い必殺技のコマンドを入力し、あとはオートで「ひっさつわざ」を発動させておくと非常に楽ちん。
オリジナルコマンドはキャラクターによって異なり、通常の「たたかう」コマンドをまったく利用しなくなるキャラクターもいれば、オリジナルコマンドが「ぬすむ」なので常に「たたかう」コマンドを使用しなければいけなくなるキャラクターもおりさまざま。キャラクターへの愛着度でパーティーを決めるのか、便利なオリジナルコマンドが使えるキャラクターでパーティーを埋めるのか、常に頭を悩ませられることとなります。
◆とにかく移動が思うようにいかない
ひとつだけ改善して欲しいポイントを挙げるとすれば、それは「キャラクターの移動が思うようにできない」という点。
街やダンジョンの中を移動する際、通常時のままだと移動スピードが極端に遅いのですが、その移動スピードを2倍にしてくれる「ダッシューズ」なるアイテムが存在します。
ダッシューズは普通に「アクセサリーや」で1500ギルで購入可能。
こんな感じで「ダッシューズ」はアクセサリとしてキャラクターに装備させればOKです。
実際にダッシューズを装備して移動するとどれくらい移動速度が速くなるのかは以下のムービーを見れば分かります。
FFVIでダッシューズを装備するとこんな感じ - YouTube
◆まとめ
実際にプレイしてみた感想としては、最新ゲームのような美麗なグラフィックなどは楽しめませんが、昔ながらのRPGらしい戦闘システムとストーリーを気軽にスマートフォンで楽しめる、というのはかなり魅力的でした。据え置き型のゲーム機だとプレイするまでの心理的な障害はなかなか大きなものですが、アプリならばいつでもパッとポケットからスマートフォンを取り出してプレイでき、セーブせずにプレイをやめてしまっても中断データがしっかり保存されているのでいつでも途中からプレイ可能です。スマートフォンでのゲーム操作に慣れていないからか、移動パッドにだけは常々イライラさせられましたが、ある程度慣れてくれば操作が上手くなり、なおかつ「この移動パッドだとしかたないよな……」という一種の諦めが出てくるので、移動時の不満もそれほど気にならなくなる……はず。
なお、スクウェア・エニックスは2014年の12月19日から翌年の1月5日まで年末年始限定でアプリを半額で提供中で、FFVIアプリもApp StoreとGoogle Playの両方で通常価格の半額となる900円で購入できるようになっています。
iTunes の App Store で配信中の iPhone、iPod touch、iPad 用 FINAL FANTASY VI
https://itunes.apple.com/jp/app/id719401542
FINAL FANTASY VI - Google Play の Android アプリ
・関連記事
「ファイファン」か「エフエフ」か、ついに「ファイナルファンタジー」の正式な略称が判明 - GIGAZINE
ファイナルファンタジーをリアルタイムの超高画質で動かすとこうなるというデモムービー「FINAL FANTASY REALTIME TECH DEMO」 - GIGAZINE
ファイナルファンタジーを超高画質なリアルタイムCGとして動かしたあのデモはどのようにして作ったのか? - GIGAZINE
PS4向けに開発中のファイナルファンタジー15「FINAL FANTASY XV」予告編ムービー、「FINAL FANTASY Versus XIII」からタイトル変更 - GIGAZINE
2009年冬発売予定FF13の体験版「FINAL FANTASY XIII Trial Version」プレイレビュー、そして率直な感想 - GIGAZINE
・関連コンテンツ