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映画「The Interview」の公開中止をソニー・ピクチャーズが決定、映画館へのテロ行為示唆が原因か


ソニー・ピクチャーズは、12月25日から予定されていた北朝鮮を題材にした風刺コメディ映画「The Interview」の公開を中止することを決定しました。同映画を巡っては、アメリカ国内で数々のハッキングや脅迫行為が行われるなどの被害が続出していました。

BBC News - Sony cancels The Interview release amid threats
http://www.bbc.com/news/world-us-canada-30526406

Sony Pictures Cancels Holiday Release of ‘The Interview’ After Threats - NYTimes.com
http://www.nytimes.com/2014/12/18/business/sony-the-interview-threats.html

Sony Cancels Theatrical Release for ‘The Interview’ on Christmas | Variety
http://variety.com/2014/film/news/sony-cancels-theatrical-release-for-the-interview-on-christmas-1201382032/

アメリカで作成された「The Interview」は、北朝鮮の最高指導者である金正恩第1書記を暗殺するという極めてスレスレなコメディ映画でしたが、作品の公開が発表された直後から北朝鮮は極めて強い反発を表明。またその過激なテーマにはアメリカ国内でも政府関係者から批判的見解が寄せられるなど物議を醸していました。

さらに、アメリカ国内では数々のハッキング事件や脅迫行為などの被害が発生。作品を公開する映画館に対するテロ行為を示唆するような脅迫が行われるなどの被害も続出しており、ソニー・ピクチャーズでは各映画館チェーンに対して公開を取りやめる選択肢を提示していました。これを受けて北米大手のリーガル・エンターテインメント・グループAMCシアターズシネマーク・シアターズが公開を中止する意向を見せたことから、今回の映画館での公開が見送られることになったと報じられています。


幻と消え去ろうとしている作品「The Interview」の予告ムービーがこちら。今後、予告編がYouTubeから消されることもあり得るのでしょうか。

The Interview - Official Teaser Trailer - In Theaters This Christmas - YouTube


同作品の発表以降、ソニー・ピクチャーズにまつわる数々の騒動が巻き起こったことは記憶に新しいところ。11月24日には「Guardians of Peace」を名乗るハッカーによる攻撃を受けて全システムがダウンするという事態が発生し、未公開作品を含む映画数本が流出するという事態が起こっていました。

未公開作品を含む映画数本がソニー・ピクチャーズから流出する緊急事態 - GIGAZINE


その後、ソニー・ピクチャーズへのハッキングが北朝鮮によるものだったことを示す痕跡が見つかったことが判明しています。

北朝鮮がソニー・ピクチャーズをハッキングしたのではないかと報じられる - GIGAZINE


ハッキングによるデータ流出被害は非常に大きく、ソニー・ピクチャーズの従業員やその家族が脅迫を受ける事態に発展したり……

ずさんなパスワード管理体制だったソニー・ピクチャーズへのサイバー攻撃は従業員の家族が脅迫を受ける事態にまで発展 - GIGAZINE


同社の共同会長をつとめるエイミー・パスカル氏のメールデータが流出し、本来は公開されるべきでなかった映画制作の裏側や、映画スターがプライバシー保護のために使っていた偽名の一覧リストが流出するという事態などが起こっていました。

「ジョブズ役にトム・クルーズ」やセレブの偽名などソニー・ピクチャーズからの情報流出続く - GIGAZINE


なお、この作品には製作費用として4200万ドル(約50億円)の予算が投じられていたとのことです。ちなみに、CNNのパメラ・ブラウンさんによる公開中止決定のツイートには、「テロリストの勝利か」「腰抜けの国になったのか?」など、テロリストの要求を飲んだ形のソニー・ピクチャーズの対応を批判する返信が多数集まっています。

◆2014年12月18日 15時46分追記
ハッカーグループがPastebinをはじめとするサイトに書き込んだとされる警告文は以下の通り。この書き込みが各映画館チェーンの上映見送り判断につながったものと考えられています。

We will clearly show it to you at the very time and places “The Interview” be shown, including the premiere, how bitter fate those who seek fun in terror should be doomed to. Soon all the world will see what an awful movie Sony Pictures Entertainment has made.


The world will be full of fear.

Remember the 11th of September 2001.

We recommend you to keep yourself distant from the places at that time.

(If your house is nearby, you’d better leave.)

Whatever comes in the coming days is called by the greed of Sony Pictures Entertainment.

All the world will denounce the SONY.

(訳)
映画「The Interview」が先行上映を含めて公開された時、我々は面白がっていた者たちに対して悲惨な運命を思い知らせることになるだろう。そして世界はソニー・ピクチャーズ・エンターテインメントが作成した映画がいかに不愉快なものであったかを知ることになるだろう。

世界は恐怖によって包まれることになる。

2001年9月11日のことを思い出すがよい。

我々はお前たちに、その日・その場所には近づかないことを助言する。

(もし自宅がその近くにあるならば、その日は外出しておいたほうがよいだろう)

その日に起こるであろう出来事は、ソニー・ピクチャーズ・エンターテインメントの汚い欲が招いたものである。

世界がソニーを非難することになるだろう。

Sony Pictures hackers make terrorist threat against opening of “The Interview” | Ars Technica
http://arstechnica.com/security/2014/12/sony-pictures-hackers-make-terrorist-threat-against-opening-of-the-interview/

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in メモ,   映画, Posted by darkhorse_log

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