青色光を当てるとハエ・蚊などの昆虫が死ぬことを発見、ブルーライトで人間の目が傷つくのと似た仕組み

by Mark Walker

なんと青色光を当てると昆虫が死ぬことが発見され、12月9日に英国Nature Publishing Groupのオンライン科学雑誌「Scientific Reports」に掲載されたと発表されました。種によって吸収しやすい光の波長が違っていることも確認されており、人間の目に対して青色の光が害を与えるのと同じような仕組みで細胞や組織が傷害を受け死亡するのではないか、とされています。

青色光を当てると昆虫が死ぬことを発見~新たな害虫防除技術の開発に期待~ | プレスリリース | 東北大学 -TOHOKU UNIVERSITY-
http://www.tohoku.ac.jp/japanese/2014/12/press20141209-02.html

東北大学大学院農学研究科の堀雅敏准教授の研究グループのプレスリリースによると、最近の研究により波長が短い可視光(400~500nmの光、いわゆる青色光)がヒトの目に傷害を与えることが明らかになってきていましたが、昆虫を含め比較的複雑な動物に対する可視光の致死効果はこれまでに報告されていませんでした。一方で、UVC(100~280nm)や UVB(280~315nm)といった波長の短い紫外線は生物に対して強い毒性があることが知られており、昆虫や微生物もこれらを当てると死亡します。が、これより長い波長の紫外線(UVA:315~400nm)に関して、昆虫に対する明らかな致死効果は報告されておらず、また、光は波長が短いほど生物に対する毒性が大きいことから、可視光を当てるだけで昆虫のような比較的高等な動物が死ぬとは全く考えられていなかった、という背景があります。

今回の研究では様々な波長のLED光を昆虫に当てて殺虫効果を調べており、まず最初にLEDの光の強さを直射日光に含まれる青色光の3分の1程度にして、ショウジョウバエの蛹に青色光を当てたところ、蛹は羽化できずに死亡しました。


同じ青色光の中でも効果の高い波長と効果の低い波長があり、440nmと467nmの2つの波長が高い効果を示したことがここで確認されたため、さらに卵、幼虫、成虫に対しても467nmの光の殺虫効果を調べたところ、いずれも照射により死亡することが判明。次に蚊(チカイエカ)の蛹に青色光を当てたところ、これも死亡。しかし、特に効果の高い波長は417nmだけでした。


また、蚊はショウジョウバエよりも青色光に強く、全ての蚊を殺すには、直射日光に含まれる青色光の実に1.5倍程度の光の強さが必要であったとのこと。さらに417nmの殺虫効果は卵でも認められるという結果に。しかもハエや蚊だけでなく、小麦粉などの大害虫であるヒラタコクヌストモドキの蛹でも非常に高い殺虫効果が認められ、直射日光の5分の1~4分の1程度の光の強さで、全ての蛹が死亡することが確認されました。

推測される青色光の殺虫メカニズムとしては、昆虫の種により有効波長が異なることから、その殺虫効果はヒトの目に対する傷害メカニズムに似ていると推測されており、種によって吸収しやすい光の波長が違っており、種により異なる波長の光が昆虫の内部組織に吸収され、活性酸素が生じ、細胞や組織が傷害を受け死亡すると推測されています。


なお、この研究結果により、将来的には青色のLED光などを害虫の発生している場所に当てることで、簡単に殺虫できる害虫防除装置の開発が期待できる、としていおり、波長を工夫することで、衛生害虫・農業害虫・貯穀害虫・畜産害虫など様々な害虫に適用できるクリーンな殺虫技術になる可能性があるとしています。

by MaX .

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in サイエンス, Posted by darkhorse