北朝鮮がソニー・ピクチャーズをハッキングしたのではないかと報じられる
ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメントがハッキング被害に遭い、映画出演女優のパスポートの写しが流出したり、未公開映画がファイル共有ソフトで出回ったりと被害は一向に収まる気配がない中で、これらのハッキングが北朝鮮による犯行と疑われる証拠が見つかったとウォールストリートジャーナルが報じています。
More Signs North Korea May Be Behind Hacking of Sony Pictures - WSJ
http://online.wsj.com/articles/more-signs-north-korea-may-be-behind-hacking-of-sony-pictures-1417467267
New evidence points to North Korean involvement in Sony Pictures hack | The Verge
http://www.theverge.com/2014/12/1/7316401/new-evidence-points-to-north-korean-involvement-in-sony-pictures-hack
ウォールストリートジャーナルによると、ソニー・ピクチャーズが一連のハッキングについて調査してる中で、以前、韓国の銀行と放送局が北朝鮮によるものと見られるサイバー攻撃で使用された悪質なコードと同じコードを発見したとのこと。これによって、今回のソニー・ピクチャーズへのサイバー攻撃の背後に北朝鮮がいることが強く推察されています。
「なぜ北朝鮮がソニー・ピクチャーズを攻撃したのか?」という理由については、ソニー・ピクチャーズが配給する映画「The Interview」にあると考えられています。The Interviewは北朝鮮の金正恩第1書記を暗殺するというきわどいというか、かなりアウトな風刺コメディ映画で、映画の公開が予告されるやいなや北朝鮮は猛烈に反発し、その過激なテーマには一部のアメリカ政府関係者からも批判的見解が寄せられるなど物議を醸していました。
The Interviewがどんな映画なのかはこのトレーラームービーを見ればなんとなく分かります。
The Interview - Official Teaser Trailer - In Theaters This Christmas - YouTube
北朝鮮はThe Interviewの上映を戦争行為であるとみなしており、「アメリカ政府が上映を黙認するならば断固かつ無慈悲な対抗措置がとられることだろう」というお決まりのセリフで警告していましたが、警告の矛先はソニー・ピクチャーズに向けられたというわけです。
The Interviewは、2014年12月25日のアメリカ・イラク・レバノン公開を皮切りに、世界中で公開されますが、現在の所、日本・韓国・中国での公開は予定されていません。
ハッカー集団は犯行声明で、「狙いはThe Interviewではない」としつつも「しかし、我々の行動がThe Interviewに関連づけられて報じられていることはThe Interviewの危険性を表している」「(The Interviewを配給する)ソニー・ピクチャーズの貪欲な姿勢は我々の理念に反している」と、The Interviewへの批判的姿勢を明らかにしています。
「ソニー・ピクチャーズの崩壊まで我々は攻撃の手を緩めない」とするハッカー集団の背後に北朝鮮がいるならば、The Interviewの公開に向けてさらなる攻撃がありそうですが、一連の大規模なサイバー攻撃がThe Interviewの格好のPRになってしまっているのは何とも皮肉な話です。
・つづき
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