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Googleより先に検索エンジンを発明した億万長者になり得た男

By Louish Pixel

Googleの検索エンジンは、独創的な検索技術や、特許技術のアルゴリズム「ページランク」などによって、その他検索エンジンに差をつけ、いまや世界中で使われています。そんな検索エンジンをGoogleよりも先に開発したという男性が、アイデアを無料でGoogleに譲り渡していたことが明らかになりました。

Meet the Italian Who Beat Google to Web Search -- and Gave It Away  - Bloomberg
http://www.bloomberg.com/news/2014-05-15/meet-the-italian-man-who-beat-google-to-web-search-and-gave-it-away-for-free-.html

マッシオモ・マルチオリ氏は、パドヴァ大学で数学教授を務めて月に3000ドル(約30万円)を稼いでいますが、シリコンバレーのビリオネアの中で最も裕福な1人になり得た男性です。


1997年に彼はカリフォルニア州サンタクララで行われたインターネットカンファレンスで、世界で初めて「インターネット検索エンジン」を発表しました。マルチオリ氏の検索エンジンプロジェクトは「ハイパー・サーチ」と呼ばれていて、当時、他の誰にも実現することができないほどの精度でウェブをスキャンすることができました。

マルチオリ氏によると、プレゼンを終えると温和な青年が彼のもとにやってきて「とても興味深いものを見つけたよ」と話しかけてきたのだそうです。マルチオリ氏より4歳若い学生で、プレゼンを熱心に聞き込んでいたこの青年こそ、現在GoogleでCEOを務めているラリー・ペイジ氏でした。2人はインターネットの将来について議論を交わし、ペイジ氏は別れ際に「あなたのアイデアをさらに発展させたいのです」とマルチオリ氏に告げました。

イタリアに帰国したマルチオリ氏は自らのアイデアを実現するべく、大学に2万ユーロ(約278万円)の融資を求めます。しかし大学から融資は下りず、代わりに「イタリアの銅冶金学の歴史」について融資が行われました。その間にペイジ氏は、サン・マイクロシステムズ氏の共同創始者アンディ・ベクトルシャイム氏から10万ドル(約1000万円)の現金を入手し、マルチオリ氏のアイデアを実現した、というわけです。

By Duncan Hull

ミラノにあるGoogleイタリアオフィスの広報担当者は、この件についてのコメントを断りました。

WWW(ワールドワイドウェブ)の発明者であるティム・バーナーズ=リー氏とマサチューセッツ工科大学で7年間仕事をした経験を持つマルチオリ氏は、2012年に最新の検索エンジンとして「ボルニア(Volunia)」を発表しました。VoluniaはSNSと検索エンジンを融合した仕組みで、同じページを閲覧しているユーザーとバーチャルストリート上で交流できるなどの特徴を持ち、ベータ版がリリースされていました。しかし、正式版のリリース直前に、出資者がCTOの地位を求めてマルチオリ氏を追放するなどの内紛劇が発生し、プロジェクトは失敗に終わります。

Volunia, A Social Search Engine, Invites Public To Kick The Tires
http://searchengineland.com/volunia-a-social-search-engine-says-the-web-has-come-alive-110462


紆余曲折を経てVoluniaプロジェクトに戻ってきたマルチオリ氏は、Voluniaをオープンソースとして公開することでプロジェクトが発展することを期待しており、「新しいアルゴリズムや、大規模な通信ネットワークの誕生に役立つかもしれない」と話しています。

44歳になったマルチオリ氏はブルームバーグの取材に対して、「私はペイジの成功をねたんでいません。Googleの誕生に寄与できて幸せです」と伝えており、「ラリーとセルゲイは、アイデアによって人々の生活を変える、計り知れない熱意を持っている」と2人のことを認めているとのこと。資金が調達できていれば世界でも有数の億万長者になっていたかもしれないマルチオリ氏ですが、現在はヴェニスの小さなアパートに住んで、11年物の自動車に乗っています。そんな彼は「ただインターネット接続と少しの考える時間があれば、私はどこに住むかなんて気にしていないよ」と話しています。

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in メモ,   ネットサービス, Posted by darkhorse_log

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