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小惑星「カリクロー」は環(リング)を持つ珍しい小惑星だったことが判明


宇宙に浮かぶ天体の中には土星のように環(リング)を持つ惑星がありますが、土星と天王星の間に浮かぶ小惑星の中にも環を持つものがあることが発見されました。これまで環を持つ天体はサイズの大きいものだけと考えられていたため、非常に珍しい発見といえます。

Astronomers Surprised to Find Asteroid With Rings | Science | WIRED
http://www.wired.com/2014/03/asteroid-ring-system

1997年に発見された土星と天王星の間に浮かぶ小惑星カリクローは、木星と海王星の間の軌道を公転するケンタウルス族の中でも最大級となる大きさの小惑星であることが知られており、その直径は約250kmほどという巨大なもの。その姿をさらに詳しく調査するために観測を行っていたところ、遠く離れた恒星と地球の間をカリクローが横切る時に、恒星の光の強さが不自然に変化することが観測されました。

さらに調査を行ったところ、カリクローには大小2本の環が存在しており、その環が恒星の前を横切る際にわずかに明るさが変化していたということが突き止められました。そのうち内側のリングが分厚く半径391kmで幅が4マイル(約6.5km)、外側のリングは半径405kmで幅2マイル(約3.2km)未満であることが確認されています。

Asteroid has surprising set of shiny rings - YouTube


さらに、カリクロー本体の明るさが変化していることも観測されています。表面が氷で覆われる小惑星と考えられているカリクローですが、発見された1997年から数年にわたってその明るさは弱く変化して行きました。その後2008年までの間に光の強さは元に戻ったのですが、これはカリクローに存在する環が自転軸や公転軸の関係で見え方が変化するためということが判明しました。太陽系では土星に環が存在することが古くから知られているほか、木星や天王星、海王星にも小さいながらも環が存在することが発見されていますが、カリクローのような小惑星に環が存在することは非常に珍しいケースです。同じ宇宙のエリアに属する小惑星を調査してみても、カリクローと同じような光の変化を示すものは発見されていません。

通常、天体の環は徐々に拡散して消えていくと考えられていますが、カリクローの環はその形状を保ったままとなっています。これはカリクローには羊飼い衛星と呼ばれ、その重力で環をくっきりと保つ働きをしている衛星が存在していることも示しています。

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in メモ, Posted by darkhorse_log

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