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約6500万円ものお金を集めることに成功したゲームプロジェクトの秘密とは?


元Google ComparisonのCEOだったダン・シャピロ氏は、3歳~8歳児を対象にした遊ぶだけでプログラミングを学べるボードゲーム「Robot Turtles」のKickstarterキャンペーンを行い、目標出資額の2万5000ドル(約260万円)をはるかに上回る、63万1230ドル(約6600万円)の出資を集めて製品化しました。そんなRobot Turtlesのプロジェクトの成功をもとにシャピロ氏がまとめた「63万1230ドルのKickstarterムービーの分析」というタイトルのブログが公開されています。

Dan Shapiro » Anatomy of a $631,230 Kickstarter Video
http://www.danshapiro.com/blog/2013/12/anatomy-of-a-631230-kickstarter-video/

約63万ドルを集めた「Robot Turtles」のKickstarterムービーは以下から確認できます。

Robot Turtles on Kickstarter: the board game that teaches programming to preschoolers - YouTube


Robot Turtlesのパッケージはこんな感じ。


中にはカードがたくさん入っています。


カードを広げるのは8×8マスのボードの上。


最大で5名までがプレイ可能で、子どもが出した動作カードに従って親がロボットタートルを動かして「ロボットジュエル」を獲得するというゲーム。


動作カードには、紫で縁取られた亀が右を向いている右方向カードや……


左方向カード


前進カードなど、子どもが直感的に理解できるデザインになっています。


他にも、ビームカードや、ロープカードなど、障害物を回避するための動作カードをうまく使ってゴールを目指します。


動作カードの使い方を考えることで、子どもたちはプログラミングの基礎をコンピュータなしに学ぶことができるようになっています。


もともと、シャピロ氏は2人の子どものためにRobot Turtlesを考案しました。試作品が完成してからKickstarterでキャンペーンを始めたところ、Kickstarter史上に残るベストセラーになったとのこと。この大成功に関して、シャピロ氏は作成したムービーが大きな要因を占めている、と話しています。

Kickstarterが提供しているアクセス分析ツールは機能が限定されていたためにシャピロ氏が独自に分析したところ、7万2181人がこのムービーを再生し、1万3765人が出資を行っていました。この場合、出資した人全てがムービーを再生したと考えても、20%という非常に高い「顧客転換率」を持っており、「視覚と聴覚の両方に訴えかけるプレゼンムービーには、プロにお金を払って作ってもらう価値がある」と話しています。


ムービーを作成するには、まず製品のコンセプトがしっかりしている必要があります。シャピロ氏は「Candyland」のような教育的価値の低い子ども用ゲームを嫌っており、「単純に楽しいゲーム」と「家族みんなで幸せな瞬間」の2つを「ボードゲームでプログラミング教育」というコンセプトのもとに1つにまとめたいと考えていたとのこと。しかし、複雑なコンセプトはマーケティングには受け入れられにくいことから、ムービーでこれらのコンセプトを説明することに決定。


シャピロ氏は、ムービーの作成にあたって、GeekWireのネットワーキングのイベントを駆け回り、複数の起業家たちに子どもと一緒にムービーに参加してもらえるように呼びかけ、翌日からいくつものKickstarterムービーを作成しているBootstrapper Studiosで撮影を開始しました。


当日は撮影およびRobot Turtlesのプレイテストを兼ねて行い、「子どもたちにルールを説明する」、「家族で笑いながらゲームをプレイする」といったシーンを撮影。「本当に幸せな瞬間」を演出するためにAudiosocket.comからBGMを使用したとのこと。シャピロ氏は、「元気な男の子と手を振る女の子」「ぼやけた映像と騒がしい音楽」「大きすぎる鼻の修正」といった無駄な演出は不要で、単純に理解しやすい内容にまとめることが不可欠である、と話しています。撮影を経てわかりにくいルールはどんどん書き直し、ムービーは完成して製品も改善、Robot Turtlesは大ヒットを収めました。

なお、Robot Turtlesは現在、アメリカのAmazonで1つ34ドル95セント(約3600円)で販売中で、送料は別途9ドル95セント(約1000円)が必要。説明書は日本語を含む、47か国の言語に翻訳されているとのことです。

Amazon.com : Robot Turtles : Toys & Games

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in 動画,   ゲーム, Posted by darkhorse_log

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