2013年09月16日 23時00分ネットサービス

元「Googleの顔」マリッサ・メイヤー率いるYahoo！がGoogleを追撃中

Googleのエンジニアとして活躍し、検索製品とユーザー・エクスペリエンス担当副社長にまで昇りつめ「Googleの顔」と言われた女性マリッサ・メイヤーがYahoo！の最高経営責任者の職を引き受けてから1年余りが経ちましたが、メイヤーCEO率いるYahoo！は着々とGoogle追撃の態勢を整えているようです。

Yahoo Traffic Grew 20 Percent Since She Joined, Says Marissa Mayer - Liz Gannes - News - AllThingsD
http://allthingsd.com/20130911/yahoo-traffic-has-grown-20-since-she-joined-says-marissa-mayer/

Yahoo Climbs Back Above Google in U.S. Web Traffic - Liz Gannes - News - AllThingsD
http://allthingsd.com/20130821/yahoo-climbs-back-above-google-in-u-s-web-traffic/

マリッサ・メイヤーYahoo！CEOは、1999年、創業まもないGoogleに入社したGoogle初の女性エンジニアで、入社番号は20(つまりGoogle20人目の社員)でした。彼女はGoogleの検索機能など革新的なサービスを管理し、Googleツールバー・iGoogle・グーグルニュース・Gmail・Googleマップ・Google Earthなど100以上の機能や製品の開発に携わり、Googleの大躍進を支えた中心人物として、シリコンバレーで最も有名なエンジニアの一人でした。

一時は「Googleの顔」と言われたメイヤーCEOは、2012年7月、経営再建中の米インターネットサービス会社Yahoo！のCEOに指名されこれを受諾、Googleと決別し世間をあっと言わせたのでした。

2008年、33歳の若さで「世界の最も影響力のある女性50人」に選ばれたメイヤー氏。

Yahoo！加入後、メイヤーCEOはさっそくGoogle流の組織改革に着手、Tumblrを筆頭にさまざま企業を次々に買収し経営手腕を発揮します。その結果、Yahoo！の株価はメイヤーCEOの在職した約1年間でなんと2倍に上昇することに。

そして、comScoreの調査によると、今年6月のユニークビジター数で、Googleの1億9230万人に対しYahoo！は1億9600万人と、古巣Googleを抜きついにインターネットサービスの老舗Yahoo！がアメリカ企業のトップに返り咲きます。なお、このYahoo！の数字には傘下のTumblr(第28位に位置)は含まれていません。メイヤーCEOによると、Yahoo！には月あたり8億人のアクティブユーザーがいて、この数字は彼女がYahoo！に加入して以来約20％も増加しているそうです。もっとも、comScoreによると、過去数ヶ月の間、Yahoo！とGoogleのアクセス数は接近しているものの、Androidを抱えるGoogleはモバイル市場に強いため、早晩Googleがトップを奪い返す見込みです。

ファッション雑誌「Vogue」でタブレット端末を片手にモデルをつとめるメイヤーCEO。

メイヤーCEOは「Yahoo！が目指す成長路線を本当の意味で実現するにはおそらく3年、あるいはもっと長い期間がかかるでしょう。しかしYahoo！は私たちが望む方向に成長しています」と語り、組織改革にあたっては、人・サービス・トラフィック・収入と優先順位を付けているとのこと。Yahoo！が望む方向に進んでいることを証明するものとして、メイヤーCEOは4つのデータを明らかにしました。それは、第一に、Yahoo！には週に1万2000人の就職希望者がいて、これはかつての5～6倍であること。第二に、Yahoo！を離職する人は3分の1～4分の1に減少したこと。第三に、Yahoo！が雇い入れる人のうち約10％が以前に同社で働いた経験がある"出戻り組"であること。第四に、モバイル端末市場を奪いに行くべく、開発チームの数を彼女がCEOになる以前に比べて10倍に増やしていること、です。

凄腕メイヤーCEOですが、先ほど発表したメイヤーCEO肝いりの新しいロゴデザインはさんざんな評価を受けています。しかし、彼女は「新しいロゴを気に入っていますし、社員の仕事にも満足しています。私たちは、Yahoo!に誇りを持っています」とまったく意に介していないようです。