高さ制限オーバーのトラックに対して水のカーテンに投影した標識で警告
オーストラリア・シドニーの道路ではトンネルの高さ制限の警告を受けたトラックが警告を無視して直進、トンネルを破壊したり人身事故を起こしたりということが多発していたため、その解決手段としてシャワーのように降ってくる水に標識を投射するシステムが導入されました。映像が浮かび上がることによって運転手の目にはまるでトンネルの入口が急に遮断されたかのように見えるという、かなり奇抜な標識となっています。
A tight fit - YouTube
シドニーの道路を走る一台のトラック。
この先にはトンネルがあり、トラックの高さは制限を超えているために進行方向に「STOP」という警告表示が出ていますが、ドライバーは無視してそのまま進行。
警告表示はこんな感じでかなり目立っていますが、それでも止まりません。
トンネルに近づくと、もう一度トラックの高さをセンサーが感知しました。
トンネルの入口に「STOP」というライトが点滅しましたが、トラックのドライバーは意に介しません。
すると、目の前に大きな「STOP」という標識が現れ、驚いたドライバーは急ブレーキをかけました。
実際に一人称視点でどうなっているかを見てみます。トンネルの入口上部には「STOP」というライトが点滅しているものの、トンネル自体には何の変化もありません。
しかし、車がトンネルに近づくと、まるで入口が遮断されたかのような標識が出現。
これは、トンネルの上からシャワーのように水を降らせてそこに標識の映像を投影する、という仕掛け。
あくまで水がカーテン状になっているだけなので、トンネルの入口が封鎖されているわけではなく、通り抜けることも可能。
トンネルの上限より高い寸法のトラックは、トンネルで事故を起こし、渋滞を引き起こすだけでなく、死者が出ることもあります。
以下は実際に高さ制限に引っかかったトラックが警告を無視してトンネルに入ろうとした瞬間の映像。
トンネルと衝突したコンテナはぐしゃっと破壊され、傾いてしまいました。
トンネルの内部で大惨事になることもあります。
トンネルの奥を一台のトラックが走っていますが……
コンテナがトラックから落下。
さらに天井が壊れて落ちてきました。トラックの後方を走っていた車が被害にあうこともあり、非常に危険です。
専門家は「このシステムは交通に対する大きな投資となりますが、実際に壊れたトンネルを修理する費用を考えれば何てことはありません」と語っています。
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