2013年04月19日 23時00分メモ

「セクスティング」でティーンエイジャー3人が起訴、懲役20年＆「性犯罪者」リスト入りか？

By philcampbell

性的なテキストメッセージまたは写真を携帯電話間で送るセクスティングという行為がアメリカのティーンエイジャーの間で広まっており、児童ポルノの温床となっているとして問題視されています。各州ごとにセクスティングを取り締まる法律が制定されており、多くの法が児童ポルノの所持・流通と同様の重罪となっているのですが、バージニア州に住む3人の少年がこの法律によって起訴され、今週木曜日から裁判が始まりました。裁判の結果次第では最高20年の懲役と「性犯罪者」のリストに記載される可能性があります。

Teen ‘sexting’ case goes to trial in Fairfax County - The Washington Post
http://www.washingtonpost.com/local/teen-sexting-case-goes-to-trial-in-fairfax-county/2013/04/17/4936b768-a6b7-11e2-b029-8fb7e977ef71_story.html

今回のケースはバージニア州に住む15歳と16歳の少年3人が少女たちを招いてパーティーを企画、合意の上で飲酒を行い、性的な行いをさせた様子をこっそり記録したというもの。撮影された映像がメール等によって拡散した結果、、バージニア警察がパーティーに参加していた少女たちを特定して、2013年1月に3人の少年たちの逮捕へ至りました。バージニア州でティーンエイジャーがセクスティングの罪で捕まったのはこれが初めてであり、18日に始まった裁判の行方が注目されています。

ユタ大学の調査によると、ティーンエイジャーのうち20％が性的なメールを送信した経験があり、受信した経験のある人となるとその数値は50％にまで跳ね上がります。しかし、実際にセクスティングが法律に反するということを知っているティンエイジャーは非常に少なく、「セクスティングで捕まったらどうなると思うか？」という質問に「刑務所行き」と答えた学生はわずか2％でした。この現状を鑑み、フロリダ州ではヌード写真・映像の送受信は重罪にあたり、性犯罪者リストに登録されることになっていましたが、これでは数多くのティーンエイジャーがリストに登録されてしまうということから、刑罰を緩和するという処置が取られました。

By Rob Beyer

バージニア州でもセクスティングは「児童ポルノ所持・流通」の罪で20年の懲役と性犯罪者リストへの登録が課されることになっているのですが、いくつかの権利グループや青少年の保護者は児童ポルノに関する法律とセクスティングを区別した新しい法律を制定すべきだと主張しています。写真や映像をばらまかれた被害者が傷を負ってしまうのは確かに許されざる事態ですが、ティーンエイジャーの場合、罰するのではなく、更正に重きを置いた処置が取られるべきだとの考えです。

弁護士のRay Morroghさんによれば、セクスティングに関する法律が配慮すべき点はまさにここで、性犯罪を犯した青少年に対して重罪を課すべきでないということと、被害者の受けた衝撃を比較検討する必要があるとのこと。クラスメイトのトップレス写真をメールで送信したためセクスティングの罪に問われ、強い鬱状態に陥ってしまった少年がいるのも事実ですが、一方でフロリダとオハイオに暮らす2人の少女は、性的な写真がばらまかれ、自殺に追い込まれました。

By shanon wise

フロリダ州の例をはじめとして、当初、児童ポルノ法で裁かれていたセクスティングの多くは法廷の外で解決されるようになり、重い罰金は保護観察や社会奉仕活動に変化してきています。「私たちは裁判以外の方法でこれらの事件を解決しようと試みています。青少年の場合、ゴールは彼らを社会復帰させるところにあるのだから」とMorroghさんは語りました。また、メリーランド州のJohn McCarthy弁護士も現行法を「セクスティングに取り組むためには不適当」と考えており、一度も起訴を行っていないそうです。

バージニア州の犯罪委員会では2009年に法律改正の動きがありましたが、結局制定までは至りませんでした。このような法律を制定することで小児性愛者たちの抜け穴を作ってしまう恐れがあることが大きな障害となっているためです。また、個別の法律を制定するにあたって、セクスティングは、ガールフレンドが写真をばらまく気など持ち合わせていないボーイフレンドに対して合意の上で渡すという形から、こっそりと撮影した写真を悪意をもってばらまくものまで多岐に渡るため、定義付けが困難であることも障害となっています。