3Dプリンターで制作された組み立て・分解が可能な立体タンパク質分子モデル
タンパク質の内部と表面構造を見たり触ったりできるようにした立体モデルを3Dプリンターで制作することに北陸先端科学技術大学院大学・マテリアルサイエンス研究科の川上勝准教授が成功。今までは簡素な球棒モデルやクリスタルレーザー彫刻、CGなどで見ていたタンパク質を、実際に手にとって表面の特徴を感じながら理解することが可能になりました。
北陸先端科学技術大学院大学|ニュース|[プレスリリース]3D印刷技術を応用した新たな分子模型の製造方法を開発-複雑なタンパク質の構造、機能の直観的な理解が可能な教材、研究用ツールに応用-
また、この模型を作る技術は特許申請済みで、3D印刷に加えて「消失型鋳型」という技術を使用し表面をお菓子のグミのような透明で弾力のある素材で覆うことで強度を高めつつ、表面構造を再現することができるようになっています。今回は実物を借りることができたので、ペタペタと触りながらその姿を撮影してみることにしました。
ダンボールに入って模型一式が到着。
「DNA結合タンパク質(TATAbinding protein)と、それに結合する活性化因子」という模型は以下の通り。
シリコンで作られた表面の凹凸は実際にタンパク質と同様になっており、手で触りながら特徴を理解できるようになっています。
成人男性の手の上に載せるとこんな感じ。
模型は磁石で結合されているのでポロリと取ることが可能。
実際に外してみるとこんな感じ。
さらに細かく分解可能。
透明なパーツは以下の通り。
実際に分解している様子は以下のムービーで見られます。
3Dプリンター制作されたシリコン製タンパク質分子模型を触ってみた - YouTube
なおこのモデルは防水なので水につけてもOK。
通常は中身が少し見えづらいですが……。
水に入れると表面がキレイな透明になり中身がクッキリと見られます。
「ヘモグロビン4量体」のモデルは以下の通り。
アップで見るとこんな感じ。
このモデルも分解可能。
4つに分けられます。
パーキンソン病の薬剤標的である「アデノシン受容体(GPCR)」の模型はこんな感じ。
こんな感じの部品が入っています。
分解後は以下の通り。
現在は分子量5万程度までのタンパク質立体模型の製作が可能とのことで、大学や製薬企業での利用が想定されているそうです。
・関連記事
うつ病が血液検査で診断可能に、血中タンパク質の構造パターンがカギ - GIGAZINE
日本人で初めて実名で個人全ゲノム配列を公開、ネットからダウンロード可能に - GIGAZINE
3Dプリンターで自作できる立体物データいろいろまとめ - GIGAZINE
立体物を自動作成できるオープンソースの3Dプリンタ「Fab@Home」 - GIGAZINE
・関連コンテンツ