スマートホーム規格「Matter」の策定団体CSAによる認定テスト結果をApple・Google・Samsungのエコシステムが受け入れると発表
記事作成時点ではスマートホーム製品を購入する際、「Works with Apple Home」「Works with Google」といった認定バッジを確認し、どのエコシステムと連携しているのかを確認する必要があります。新たにスマートホーム規格「Matter」の策定団体であるConnectivity Standards Alliance(CSA)が、Matter対応デバイスのテストを代理で行い、その結果をメーカーに送ってエコシステムの認定を得られるプログラムを開始すると発表しました。
Driving Innovation with the Alliance Interop Lab and Two New Certification Programs - CSA-IOT
https://csa-iot.org/newsroom/driving-innovation-with-the-alliance-interop-lab-and-two-new-certification-programs/
Apple, Google, and Samsung will accept Matter certification of smart home products - The Verge
https://www.theverge.com/2025/1/6/24336570/apple-google-samsung-accept-matter-certification
MatterはさまざまなデバイスメーカーとIoTプラットフォーム間の相互運用を可能にするための規格です。従来のユーザーは、導入済みのエコシステムに対応したスマートホーム製品を選択しなければならず、エコシステムの異なるメーカーの製品を組み合わせて使うことができませんでした。しかしMatterの登場により、Matterに対応しているスマートホーム製品であれば、メーカーにかかわらず同じスマートホームシステムとして運用できるようになりました。
しかし、依然として多くのMatter対応デバイスメーカーはCSAの認定プロセスを完了した後、AppleやGoogleなどの主要なスマートホームエコシステム独自のテストにも参加し、「Works With ○○」の認定バッジを取得する必要があります。これは、メーカーにとって大きな負担となっています。
そこでCSAは2025年1月6日、Matter対応デバイスの「エンドツーエンドの認定とテスト」を開始することを発表しました。このプログラムでは、必要なテストをCSAが設立したアメリカ・オレゴン州ポートランドにある相互運用性テスト施設(Interop Lab)で行い、その結果をエコシステムを運用するメーカーに送ることで、デバイスに各エコシステムの認定バッジが与えられる仕組みとなっています。
すでにAppleはCSAを通じた「Works With Apple Home」の認定プログラムを受け入れているほか、GoogleとSamsungも2025年後半に、それぞれCSAを通じた「Works With Google Home」と「Works With SmartThings」の認定プログラムを開始するとのことです。なお、同じくMatterに参加しているAmazonは、記事作成時点ではCSAを通じた「Works With Alexa」認定プログラムに参加するかどうかを明らかにしていません。
さらにCSAは、スマートホーム製品のMatter認定プロセスを加速するため、「FastTrack再認定プログラム」と「ポートフォリオ認定プログラム」という2つのプログラムも発表しました。
FastTrack再認定プログラムは、ソフトウェアアップデートが行われた際のスマートホーム製品のチェックをInterop Labで行うことで、バグやセキュリティ上の問題を迅速に特定できるというもの。また、ポートフォリオ認定プログラムはメーカーの親製品のテスト結果をベースとして、同じアプリケーションのポートフォリオに含まれる複数のメンバー製品に認定を与えるというものです。いずれも、スマートホーム製品のMatter認定プロセスを簡素化し、コストと時間を節約する上で役に立ちます。
CSAは、「私たちはInterop Labが持つ膨大な機能と、FastTrack再認定プログラムおよびポートフォリオ認定プログラムの開始により、イノベーションと効率化を推進し続けています。これらのサービスは認定プロセスを簡素化し、コストを削減すると同時に、性能や品質を損なうことなく製品の迅速なアップデートを可能にすることで、メーカーにとって重要な課題に対処するものです」と述べました。
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