ソフトウェア

ウイルスバスターが「いじくるつくーる」のダウンロードを誤検知してブロック、挙げ句の果てに「オンライン詐欺に関係していることが確認」と表示して作者が抗議

By lenz art

トレンドマイクロのセキュリティソフト「ウイルスバスター」が、PC環境カスタマイズソフトの「いじくるつくーる」をウイルス・マルウェアとして検知し、ダウンロードしようとするとブロックするという事象が発生していたそうです。すでにブロック自体は6月1日には解除されたものの、制作者であるINASOFTの矢吹拓也さんがトレンドマイクロに問い合わせてもブロックされた原因は未だ不明だとのことです。

いじくるつくーるがウイルスバスターによりダウンロードブロックされる件 - INASOFT 管理人のふたこと



「いじくるつくーる」はPCの環境をカスタマイズするソフトで、2000年以前から更新されている老舗ソフトとして「窓の手」などと並ぶポピュラーなソフトです。


制作者の矢吹さんによると、5月28日に最新版である「いじくるつくーる ver.7.73.09」を公開したところ、ユーザーから「ウイルスバスターがダウンロードをブロックする」という報告が届いたそうです。これはソフトがウイルス、あるいはマルウェアとして検知されていたためで、キングソフトでも同様に検知されたそうですが、こちらは誤検知としてすぐにパターンファイルが修正され、ブロックされなくなりました。

しかし、ウイルスバスターでのブロックは続いたことから、5月29日に矢吹さんはダウンロードURLをトレンドマイクロに伝えて調査を依頼しました。ところが、回答は、このダウンロードがブロックされるという件について「把握できかねる」というものでした。


翌日、矢吹さんは改めてダウンロードブロックの画面写真を添付して調査を依頼。ここで、トレンドマイクロから調査が始まった旨の回答が届きました。この段階で、いくつかのURLはブロックされなくなっていたそうです。そして6月1日、別の担当者から、全URLがブロック解除されたという報告が到着しました。

矢吹さんがサイトで公開している、ダウンロードブロック時の画面写真。


ブロックの件はこれで一件落着したものの、ウイルスバスターは5月上旬にINASOFTの「すっきり!!デフラグ」をウイルス・マルウェアとして誤検知していたころから、矢吹さんは再発防止策、包括的な問題解決策についてトレンドマイクロに問い合わせを行い、6月9日に回答が届いたものの、誤検知の原因はいまだ調査中、再発の防止については社内でのモニタリングを継続しているが、具体的な方策は検討中だとのこと。

ダウンロードがブロックされた時、ウイルスバスターは「このWebサイトは、有害なプログラムを転送するか、オンライン詐欺に関係していることが確認されています」というメッセージを表示していますが、実際にはそのような事実はないのになぜこのような表示が行われるのかがわからない、と矢吹さん。既存ユーザーであれば「きっと誤検知だろう」とわかっても、初めてダウンロードするユーザーがこのようなメッセージを目にすれば、危険なサイトだと判断して近寄ってこなくなるのは明らかです。

今回は「いじくるつくーる」が対象だったものの、いつ自分のサイトが誤検知されるかと思うと、他人事ではありませんね……。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
2011年10月時点で最強のアンチウイルスソフトが決定 - GIGAZINE

複数のアンチウイルスエンジンでファイルを検査できる無料サービス「VirusTotal」を使ってみた - GIGAZINE

ついに「窓の手 2010 Beta1 for Windows 7」公開開始、Windows7の各種カスタマイズが可能に - GIGAZINE

in メモ,   ソフトウェア, Posted by logc_nt

You can read the machine translated English article here.