USBポートを封印して情報漏洩やパスワードクラックのリスクを下げるカバー
USBポートは危ない、と言われてもよく意味がわからないかもしません。しかし、USBメモリに仕込んだソフトウェアを使えばWindowsのパスワード解析やPCのリモート監視が簡単にできますし、PCを起動したまま離席してしまった際に悪意のある人間がUSBメモリにデータをコピーして持ち去る危険性もあります。このようにUSB端子はあらゆる機器を簡単に接続できる反面、セキュリティ上のリスクでもあるのです。
そこで、そもそもUSB端子を物理的に使えなくしてしまえば安心、という発想でつくられたのがAinex社が販売している「封印コネクタカバー USB Aメス用(税込み450円)」です。
◆フォトレビュー
パッケージには「封印」の文字が赤字で書かれています。
1パック10個入りなので、ノートPCなら3、4台分のUSBポートをまとめてふさぐことができます。
こんな感じのパーツが入っています。
指の爪くらいの小ささ。
近くでみるとこんな感じ。
この部分がUSBポート内の凹凸に食い込んで引き抜けなくなるそうです。
サイドにも引っかかりがあります。
◆強度をテスト
以下が今回の実験に使用したデスクトップPCのUSBポートです。
何も対策をしていない状態ではこのようにUSBメモリを挿すことができ、悪意のある相手にソフトウェアを実行されたりデータを抜き取られる可能性があります。
「封印コネクタカバー」をかぶせてみます。
少し力を入れて押し込むと「カチッ」とはまります。
USBポートが完全にふさがれているので、もう端子を挿せません。
爪をひっかけてはずそうとしても指の力ではとうてい引き抜けないくらいしっかりとはまっています。
ペンチの先も入りません。
マイナスドライバーの先端はねじ込めます。
すき間を作ったあとはペンチであっさり引き抜けてしまいました。
実際にUSBポートをふさいでからカバーをはずすまでの様子は以下のムービーで見られます。
USBポート経由のクラック対策「封印コネクタカバー」の強度テスト-1 - YouTube
ノートPCでも試してみましょう。
USBポートを簡単にふさげました。
こちらも指の力では取れませんが……。
マイナスドライバーさえあれば簡単にはずせます。なお、封印をはずした後のポートは通常通り接続可能でした。
ノートPCのUSBポートをふさいでも、ドライバーを使えばカバーがあっという間にはずれてしまう様子は以下のムービーで確認できます。
USBポート経由のクラック対策「封印コネクタカバー」の強度テスト-2 - YouTube
実際に試してみた結果としては「封印コネクタカバー」を使えば工具無しではほぼはずすことが不可能なレベルでUSBポートを封印できることがわかりました。しかし、工具があればスグにはずせてしまうので、USBポートを経由する攻撃に対しては全くの対策をしていないよりはマシですが、万全の守りにはなり得ないというのが結論です。
・関連記事
Windowsのパスワードをわずか数分で解析する「Ophcrack」の使い方 - GIGAZINE
無料でWindowsのパスワードをリセットするUSBメモリを作る方法 - GIGAZINE
USBメモリを挿すだけで相手の情報を誰でも簡単に全部コピーできる「FINUSB」 - GIGAZINE
無線LANのWEP/WPAキーを表示するフリーソフト「WirelessKeyView」 - GIGAZINE
スマートフォン・Gmail・Skypeなどの盗聴・監視システム販売企業を検索可能なサイト「The Spy files」 - GIGAZINE
・関連コンテンツ