WiMAX搭載「GALAXY SII」はどれだけ速くインターネットにつながるか調べてみた
理論値では下り最大40Mbpsでインターネット接続が可能なWiMAXを搭載した「GALAXY SII WiMAX」。デジカメで撮影した4MBの写真なら1秒間に5枚を受信できるという高速通信ですが、40Mbpsはあくまで「すべてが完璧な状態で出せる最速の値」であり、実際は基地局からの距離や回線の混み具合い、電波の遮蔽などによってスピードが落ちてしまいます。
という訳で、本当のところはどれくらいの速度で通信ができるのか実際に大阪市内へ出かけて速度を計測してきました。なお、今回の数字はすべて実測に基づくものですが、時間帯や周囲の利用者数によっては速度がかなり変動する可能性がありますので注意して下さい。
なお、「細かい手順や個別の数値は興味ない」という方はページの最後に結論だけをまとめた部分があるので、一気にスクロールしてそちらを確認して下さい。
◆WiMAXへの接続の仕方
ホーム画面の上部に表示されているメニューバー付近から下に向かって指を滑らせます。
上からシャッターのように設定や通知用のメニューが降りてくるので……
WiMAXとテザリングをタップしてオンにすれば準備は完了。この時点でPCやゲーム機の無線LAN接続をオンにすればアクセスポイントとして接続可能になります。
パスワードなどの確認は設定から行います。
無線とネットワークをタップ。
さらにテザリングの項目を開きます。
PCと無線で接続したい場合はWiFiテザリングを選択。なお、USBテザリングはPCとケーブルで直接つないでインターネット通信を行なう場合に使います。
あとはここに表示されたSSIDを見て、PCから該当するものを選びパスワードを入力すればオーケー。なお、パスワードが見られない場合は「パスワードを表示」にチェックを入れれば確認できるようになります。
という感じで、設定がわかったところで実際に大阪市内で速度を計測してみます。
◆難波 えびす橋付近(日曜日の夕方)
グリコの看板でおなじみの関西屈指の繁華街です。待ち合わせ途中なのか、スマホをいじりながら立ち止まったりベンチに腰掛けている人がたくさんいるので、回線が混み合っているかもしれません。
まずはAndroidスマホの通信速度チェックの定番アプリ「Speedtest.net」で、3G回線の通信速度を3回づつ計測してみました。
最高速度を3回計測して、平均した値は以下の通りです。
【3G下り】最高速度の平均:0.86Mbps
【3G上り】最高速度の平均:0.38Mbps
となっており、ウェブサイトの閲覧などは問題なく行なえるレベルですが、YouTubeなどの動画の視聴にはややストレスと感じる速度。
次にWiMAXに回線を切り替えて計測してみました。
同じく、最高速度を3回計測して平均した値は以下の通りです。
【WiMAX下り】最高速度の平均:4.82Mbps
【WiMAX上り】最高速度の平均:4.32Mbps
3Gとはまさに桁違いの速度。これなら、YouTubeの再生も難なく行なえます。
念のためブラウザー経由でウェブサイトにアクセスして通信速度を調べる「Broad Networking Report」でも速度を測ってみました。
まずは3G回線の下り。
次は3Gの上り。
平均速度を3回計測して、さらに平均した値が以下のものです。
【3G下り】平均:0.64Mbps
【3G上り】平均:0.59Mbps
上の値は「平均データ転送速度」なので、一瞬だけ出たトップスピードではないため「Speedtest.net」の下りの値より遅くなっています。また、計測を行なったのが日曜の夕方ということもあり繁華街の難波では人が多く、回線が混み合たっため速度が落ちているのではないかと推測されます。
次は、WiMAXの下りの速度です。
WiMAXの上りはこんな感じ。
平均速度を3回計測して、さらに平均した値は
【WiMAX下り】平均:2.05Mbps
【WiMAX上り】平均:2.53Mbps
平均値で見ると少し速度が落ちていますが、それでも2Mbpsを超えています。
今度は「GALAXY SII WiMAX」でテザリングを行ないPCで速度を計測してみます。ここで使用したのは価格.comが提供する「ブロードバンドスピードテスト」です。
まずは、3G回線でのテザリング結果。
最高速度を3回計測して平均した結果は
【3Gテザリング下り】平均:0.90Mbps
【3Gテザリング上り】:0.40Mbps
となっており、誤差の範囲かもしれませんが、スマホ本体で通信を行なうより少しだけ良い結果になっています。
次はWiMAXでテザリングを行なってみます。
最高速度を3回計測して平均した結果は
WiMAXテザリング下り平均:7.60Mbps
WiMAXテザリング上り平均:1.23Mbps
となっており、こちらもスマホ本体で通信を行なった場合と遜色のないスピードです。
さらに、場所を変えて計測を続けます。
◆梅田 ヨドバシカメラ前(日曜日の夜)
ビジネス街のイメージがある梅田ですが、駅前にはデパートも沢山あるので休日でもかなりの人がいます。
さっそく、「Speedtest.net」で計測開始。
3G回線の最高速度は以下の通りです。
【3G下り】最高速度の平均:1.21Mbps
【3G上り】最高速度の平均:0.31Mbps
WiMAXの最高速度はこんな感じ。
【WiMAX下り】最高速度の平均:5.2Mbps
【WiMAX上り】最高速度の平均:3.95Mbps
次に、「Broad Networking Report」で計測した、平均速度は以下の通りです。
まずは3G回線の下り。
上りはこんな感じ。
平均速度を3回計測して、さらに平均した値は以下の通りです。
【3G下り】最高速度の平均:0.71Mbps
【3G上り】最高速度の平均:0.56Mbps
以下はWiMAXの値です。
まずは、下りの速度。
上りはこんな感じ。
平均速度を3回計測して、さらに平均した値は
【WiMAX下り】平均:1.57Mbps
【WiMAX上り】平均:1.98Mbps
PCとテザリングした状態でも計測。
3G回線の結果です。
最高速度を3回の計測を平均した結果は
3Gテザリング下り平均:1.06Mbps
3Gテザリング上り平均:0.46Mbps
以下はWiMAXの結果です。
最高速度3回計測して、さらに平均した結果は
WiMAXテザリング下り平均:5.53Mbps
WiMAXテザリング上り平均:1.06Mbps
以上の結果をすべてまとめると下のようになります。
あくまでも、限られた場所、時間におけるテストの結果ではありますが、今回速度を計測してみてわかったことは以下の通りです。
・3G通信は平均すると下りは1Mbps未満、上り0.5Mbps前後の速度
・WiMAXは速度に波があるが、下りの平均は概ね1Mbps半ばの速度
・WiMAXは上りの通信速度が速いので、写真や動画をツイッターなどにアップする場合に便利
・スマホ本体で通信するより、テザリング時の方が速い場合がある
また、ここからは推測になりますが、テザリング時に通信速度が上がっている事が多いためスマートフォン自体のハードウェア性能が通信スピードのボトルネックになっているのではないかという事がうかがえます。つまり、電波の届き具合や混み具合だけでなくスマホそのものの性能が不足しているため回線速度をフルに使い切れていないかもしれない、という事です。
ほぼ同じ時間、全く場所とは言え周囲の利用状況までは正確に把握できないので別の要因が無かった断言はできませんが、PCとスマホのマシンスペックの差が結果に反映されていると仮定するならば、今後スマホのスペックアップによって、より効率的に通信回線を使用できる日が来るかもしれません。
いずれにせよ、現状であってもWiMAXが3Gに比べて速いことは間違いなく、今回のテストでも最大8倍以上の差がつきました。という訳で、WiMAX搭載端末は移動中や出先でも動画などを高画質で見たい人にはもちろん、特に容量が大きめなデータを送信する必要がある人にはおすすめです。
なお、今回は3G対WiMAXの比較でしたが、Xiなどを含めたWiMAX以外の高速通信はどうなっているのか? という疑問に関してはいずれ改めて検証をする予定です。
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