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小中学生のインターネット活用力を試す全国テスト、2013年から実施予定

by marjanhols

文部科学省が小中学生を対象に、パソコンなどの情報通信機器を使いこなす力を測定するテストを実施する準備が進められています。文科省では来年度の予算概要請求に費用を計上しており、実施年度は2013年度を予定しているとのこと。

小中学生にネット活用力テスト…13年度から : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)



読売新聞の記事によると、文部科学省が、小中学生がパソコンなどの情報通信機器(ICT)を使いこなす力を測る「デジタル学力テスト」を2013年度から実施することを決めたとのこと。来年度予算概算要求に問題作成や予備調査の費用1億3700万円を計上しています。

テストは全国の小中学生から、最低6000人を抽出して実施されます。出題形式は「架空のウェブサイト」から解答に必要な情報を選び出し、グラフを作成して自分の考えを示すといったものとなり、テスト時のパソコンの操作履歴も分析してつまずきの原因を探るということです。また、ネット上でのいじめや犯罪が問題となっていることから、ICTを適切に使うための態度や知識も問うとしています。


この「デジタル学力テスト」のことは、文部科学省の平成24年度文部科学省 概算要求等の発表資料一覧に掲載されているPDFファイル「平成24年度概算要求主要事項」の中に書かれています。今回の学力テストの内容は「情報活用能力向上プロジェクト」という名称で明記されています。

「小中学校段階における児童生徒の情報活用能力の育成方針の検討を行い、学習指導の改善を図るとともに、今後必要となる教育課程の検討に資するため、児童生徒の情報活用能力の習熟状況やICTを活用した学習状況について、情報通信機器等を利用した実態調査を実施するとともに操作履歴等を活用した多角的な分析手法を確立する」とのこと。つまり、情報教育の授業の改善のためにデータを収集するのが主な目的のようです。


この「デジタル学力テスト」のことについて、文部科学省に電話で問い合わせてみました。

GIGAZINE(以下、G)
報道されている「デジタル学力テスト」の内容について、公式の発表は近々されるのでしょうか?

文部科学省(以下、文):
報道内容にもございますが、この施策については予算の概算要求の段階でして、詳細はこれから決定いたします。

G:
ICTの利用などについての授業は現在どの程度進んでいるのか、現状をお教えください。

文:
すべての小中学校にインターネット環境はございまして、情報活用の授業は行っています。ただ、やはり学校によって授業内容は異なるようです。

G:
全国の小中学生から少なくとも6000人を選んで解答させるとありますが、今後日本の小中学生全員を対象にする予定はあるのでしょうか?

文:
学校によって指導内容が異なっているという現状を踏まえて、小学校から3000人、中学校から3000人というように抽出し、特定の学年を集めて実施する予定です。

G:
実施対象は「小中学生」とのことですが、選ぶ学年によって年齢に幅が出ると考えられます。出題される問題の内容は一律なのでしょうか?

文:
学習内容に応じたものとなる予定です。

G:
実際のインターネット環境ではなく「架空のウェブサイト」から解答を導くと報じられていますが?

文:
テストの内容についてはまだ検討段階で、何も決まっていない状態です。おそらく、2009年に経済協力開発機構(OECD)が行った「デジタル読解力」調査において「架空のウェブサイト」を使用していたため、それに準ずるであろうという推測から、記事中に書かれたものと考えられます。今後、大学教授の方々のご協力を得ながら内容を定めていく段階ですので、記事に書かれているような出題形式になるかどうかも未定です。

G:
なるほど。ご回答ありがとうございました。

インターネットの利用に関して教育が進められるのは非常に大きな一歩。しかし、それが単にいじめの温床とみられている向きのある学校裏サイトの撲滅などに終わらず、学生1人1人の自主的な利用を促進する内容であることがのぞまれます。

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in メモ, Posted by darkhorse_log

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