「ゴンになってらっしゃい」と背中を押されゴンになった潘めぐみさんらが登場した「HUNTER×HUNTER」記者会見
10月2日から放送開始が発表された「HUNTER×HUNTER」の記者会見が都内スタジオにて行われました。登壇したのは主人公、ゴンを演じる潘めぐみさんのほか、キルア役の伊瀬茉莉也さん、レオリオ役の藤原啓治さん、クラピカ役の沢城みゆきさん、ヒソカ役の浪川大輔さん、そして監督を務める神志那弘志さん。
原作は週刊少年ジャンプ連載の冨樫義博さんのマンガで、近年は休載がちながらも非常に多くのファンを抱える作品で、休載開けに次の掲載告知があるとそれが話題になっているほどです。1999年に1度テレビアニメ化されているほか、その流れでOVAもリリースされていますが、今回はすべてを一新してのアニメ化となります。
記者会見では、作品にかける意気込みやそれぞれが原作で気に入っているシーンについての質疑応答が行われました。潘さんはゴンという大役のプレッシャーに緊張気味で、沢城さんから「息を吸ってね」と声をかけられる場面もありました。
司会(山下美穂子 日本テレビアナウンサー):
まずは監督とキャストのみなさんに自己紹介と、意気込みを語っていただこうと思います。まずは監督からお願いします。
神志那弘志監督(以下、監督):
監督を務めさせていただく神志那弘志です、よろしくお願いします。意気込みを簡単に言うと「日本テレビといえばHUNTER×HUNTER」と言われるぐらい有名なアニメーションにしていきたいなということです。決して1年や2年で終わらせることなく、長く続くアニメーションになっていけばいいなと、そういう気持ちでこれから作っていこうと思います。
司会:
続いて藤原さん、お願いします。
藤原啓治(以下、藤原):
レオリオ役をやらせていただく藤原です。意気込みですか?……意気込んでいます!
(一同笑い)
沢城みゆき(以下、沢城):
もうちょっと詳しく言って下さい(笑)
藤原:
これだけ取材の方がいらしているということはそれほどの注目作だということは間違いないので、それに恥じぬよう頑張りたいと思います。
司会:
では続いて、伊瀬さん。
伊瀬茉莉也(以下、伊瀬):
キルア役の伊瀬茉莉也です。私がこうして声優の仕事をさせていただくきっかけとなる作品が「HUNTER×HUNTER」だったので、まさか自分が原点である「HUNTER×HUNTER」に出演させていただくことになるとは夢にも思いませんでした。中でも、思い入れのあるキャラクターであるキルアを私が演じるということで、すごく嬉しく、同時に責任の重さとプレッシャーも感じていますが、私らしく生き生きとキルアを演じられればいいなと思います。
司会:
続いて潘さん、お願いします。
潘めぐみ(以下、潘):
ゴン=フリークス役の潘めぐみです。「HUNTER×HUNTER」という大作のゴン=フリークスという大役を演じるということで、はじめてのことだらけで緊張していますが、それ以上にワクワクしています。小学生のころ、自分のお小遣いではじめて買ったマンガが「HUNTER×HUNTER」だったので……いま……(涙ぐむ)涙が出ちゃってるんですけれど、今は流さないで溜めておきます……すごい光栄です。ゴン、頑張りますので、よろしくお願いします。
ここでは、感極まった潘さんにつられて伊瀬さんも涙ぐみ、浪川さんが思わず「終わりの会見みたいになってるよ!」とツッコむ様子が見られました。
沢城:
クラピカをやらせていただく沢城です。何と言ったらいいのか……
潘:
一緒に泣きましょう~
沢城:
(笑) ここ2人(潘さんと伊瀬さん)がこのようにハートフルでまっすぐな女の子2人で、私は2人より少しお姉さんになりますので、落ち着いて……クラピカ自体も闇が深いキャラなので、ゴンやキルアら子どもたちの賑々しいところにあまり飲まれないように、しっかり自分の使命を果たせたらいいかなと思っています。
司会:
では浪川さん、山場をお願いします。
浪川大輔(以下、浪川):
フリがおかしいですよ!?(笑) ヒソカ役の浪川大輔です。みなさんが感動するほどの作品である、この「HUNTER×HUNTER」……(沢城さんが潘さんにティッシュを渡しているのを見て)あの、聞いてもらってもいいかな?
「HUNTER×HUNTER」の名前の通り、見てくれる人の気持ちをハントできれば、なーんて思っておりますけれども。
沢城:
終わりでいいですか?
浪川:
まだ喋ってる途中だから(笑) 「HUNTER×HUNTER」に僕もなりたいですっ、と。よし、最初から滑り散らかしたからもう恐いものはないぞ!
いいですね、始まりの涙。僕は汗がどんどん出てきますよ。
司会:
まずは私から代表質問を2問させていただきます。まずは監督への質問です。
今回、放送が日曜日の午前10時55分からと決まりましたが、作品作りでこだわられている点はありますか?
監督:
これだけ誰もが知っている人気作品ですが、連載開始からは10年以上経っていて、以前のアニメが終わってからも数年経っていて、いま小学生あたりという人はひょっとしたらHUNTER×HUNTERを最初から読んでいないのではないかと。そこがターゲットですね。非常にファンが多い作品なので、それを裏切らないというのは第一ですが、裾野を広げるということで新しいファンを獲得するという意味を持った時間枠かなと。親子で一緒になって見ていただければいいなと思っています。
司会:
続いて、キャストの皆さんへ質問させていただきます。作品に対するイメージと、ご自身が演じられるキャラクターへのイメージをお伺いしたいと思います。
藤原:
もちろんタイトルは知っている作品でしたが、現在、役作りで読んでいるところです。自分の役であるレオリオは、見かけはあのような感じなので、自分がキャスティングされたことに納得ですが、実は年齢は10代だそうで……なんでスーツなんだろうとか、自分で大丈夫だろうか?と思ったりもしましたが、このキャラクターたちの中ではにぎやかし的なポジションでもあったりするので、盛り立てていければと思っています。
伊瀬:
第1話から今までずっと読み続けている作品なので、キャラクターの印象は……どんどん成長しているんです。キルアはゴンと出会って一緒に成長し、世界が広がっているんですよね。ちょっと特殊な環境下で生まれ育った彼にも、純粋に友達が欲しいと思う年相応の少年らしさの部分があって、そういうギャップをいとおしく思います。
潘:
作品自体が家族、仲間、そして敵同士の中にも絆が描かれていて、「繋がり」が大事な作品だと一ファンとして思っています。ゴンは正義感が強く、まっすぐで、感情がすぐに出てしまう子ども代表。無邪気さを持った純粋な子どもだなと思っています。成長がすごく急激で早い子なので、それに負けないように私も成長していこうと思います。
沢城:
作品は連載当初から拝見していましたが、アニメが始まるにあたって単行本で改めて一から読んでみました。ものすごくセリフ量が多い理詰めの作品なんですが、話が動くここぞというところでは感情論で突破していて、そのレンジの広さが印象として残りました。キャラクターとしては、クラピカは子どもと大人の間にいるというか、一番不安定な年代という印象があって、自ら選んだこととはいえすごく大変な人生を送ることになって、アニメでは一番そばで彼の思いが果たせるように演じていけたらいいなと思っています。
浪川:
作品に対するイメージは……
沢城:
読みました?
浪川:
読みました。
沢城:
どこまで読みました?
浪川:
どこまで?鋭い質問をしますね。今はヒソカの出てくる7巻あたりまでいっているんですけれども。作品のイメージは夢とか希望とかまっすぐさ。ゴンの天真爛漫な、突き進むようなテイストはすごく大切にしたい部分だと思いましたし、読んでいてそこが最初にすっと入ってきました。周りのキャラクターとの絆や協力も巧みに描かれていて、読んでいて面白いと思いました。ヒソカという役に関しては、まっすぐな作品に対して、いい味付けになればと思いますし、ポイントポイントで目標になればいいなと思いました。
原作を知っている方を含め、ヒソカ像はそれぞれにお持ちだと思いますので、それに応えられるように努力をし、さらに新しいヒソカ像を出せればいいなと思います。自分の中ではヒソカを演じるときには雰囲気を大事にしたいということと、メリハリですね、ヒソカの持っている人に与える恐怖心やゾクゾクさせるようなところを出せたらいいなと意気込んでいるところです。どうぞみなさん、生ぬるい目で……いや、あたたかい目で見てもらえればと思います。
司会:
ありがとうございました。最後に、主役のゴンを演じる潘さんへ質問です。100人を超えるオーディションから抜擢された潘さん、女優でありお母様でもある潘恵子さんからは何かアドバイスはありましたか?
潘:
そうですね、家から送り出してもらうときに「ゴンになってらっしゃい」と言われて。「HUNTER×HUNTER」は思い入れのある作品なので、自分の中でもイメージは作っていたのですが、お母さんの一押しは大きかったです。単純な言葉の中に色々なことが詰まっていたのかなと、子どもなりに解釈しています。
司会:
ありがとうございます。それでは代表質問は終了です。引き続き、みなさんから質問を受け付けますので、挙手をお願いします。
Q:
監督のお話で、長くなりそうなシリーズという事で期待が持てるのですが、潘さん自身が楽しみにしていること、自分がどういう風になっていきたいという思いはありますか?
潘:
ちょうどいま連載している部分で、ゴンは「ゴンさん」と呼ばれるような成長を見せているのですが、長くアニメをやっていく中でそこまで来たときにも、潘めぐみがゴンをやっていきたいと思います。長い作品の中では役者さんやキャラクターとたくさんの出会いがあるはずなので、一人一人に出会うのが楽しみです。
Q:
監督に質問です。こちらに揃ったキャストの方々に期待していることはなんですか?
監督:
この作品が新しい枠ということ、長くやっていこうということで、新しく一緒に成長していく方を選ぼうというのがあって、ゴン役の潘さんはスタッフ一同が満場一致で決まりました。ゴンと一緒に、そして作品と一緒に成長していけると期待を込めていますし、周りは藤原さんや伊瀬さん、沢城さん、浪川さんとかためていますので、キャストにおいて心配していることは何も無いですね。
Q:
原作の中で好きなシーン、印象的なシーンはありましたか?
藤原:
まだ読んでいる最中で、役作りも継続している中で「このシーン」と切り取るのは難しいですけれど、キャラクターを掴む上ではレオリオの登場シーンは、キャラクターを印象づけるところでもあるので、役作りの中でも一番参考になりましたね。
伊瀬:
キルアはハンター試験の中でゴンと出会って、同い年の友達が始めてできて一緒に時間を過ごしてきたのに、突然ギタラクルというキャラクターに実家に帰るように言われて、そこで初めて他人に対して心の内の願望を吐露するシーンがあり、そこが印象強いです。アニメ化ということで1巻から読み返しているんですが、感情がうわーってやってくる、大好きなシーンです。
潘:
好きなシーンというと……作品全部が好きで選びきれないです。はじめに出会う船長、そしてキルア、レオリオ、クラピカ、ヒソカとそれぞれに出会っていくところが大きく印象に残っていて。いま連載中のところでは、一番の友達だと言えるキルアとの間で揺れ動いている心理描写だとか、どこだとはいえないけれどこのシーンがあるからココがあるということで、すべて印象が強いです。
沢城:
ちょうど蜘蛛編(幻影旅団編)のあたりで、クラピカはゴンとキルアを取るか、それとも自分を取るかという二択に迫られて、コマでいうと3コマぐらいで「やだ、失いたくない」って自分の復讐を投げ出してしまうシーンがあるんです。連載の間ずっと積み上げてきて、しかも連載されている話よりも前にもずっと自分で仕込んでいた時期があるはずで、それほど長い時間をかけてきた復讐を流してしまう、その瞬間がとても印象的です。でも、そんなにも大事な人と出会えて良かったねと、個人的には思いましたね。
浪川:
みんなが船でハンター試験を受けに行くとき、波にのまれて船から落ちそうになった人をゴンが飛び出してきて、その足をレオリオらが掴んで助けてくれたというシーンは、キャラクターを一発で掴める印象深いシーンだなと思います。ヒソカは謎めいている部分もありますけれど、印象としては「敵無し」みたいなところがあって、努力しているシーンってあんまり見られないんですよ。ゴンがヒソカのナンバープレートをねらうところでは、ヒソカは最終的には取られてしまうんですが、はじめてヒソカがなんかやられてしまったシーンだと思うんですよ。そういう時の顔であったりとか、ゴンがずっと努力している姿とか……。
これから長い戦いに挑むキャスト&監督。左から浪川さん、沢城さん、潘さん、伊瀬さん、藤原さん、神志那監督です。
アニメ「HUNTER×HUNTER」は10月2日(日) 10時55分から放送開始です。
©冨樫義博/集英社・「HUNTER×HUNTER」製作委員会
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