特定の組織に属することを示す入れ墨が手がかりに、過去の殺人罪を暴かれた男が逮捕される
by U.S. Coast Guard
数年にわたって未解決となっていた殺人事件の犯人を捜査していた保安官が、組織への所属などを示す入れ墨を施した殺人犯を見事逮捕するという、まるでフィクションのような本当の話です。
殺された男と事件前にある約束を交わしていた保安官は、事件の解決のめどが立たないことにいら立ちを覚えたのか独自捜査を開始。それが功を奏して逮捕に至ったということのようです。
まるでドラマのような犯人の逮捕劇については以下から。Anthony Garcia, Gang Member With Tattoo of Crime Scene, Convicted of Murder
ロサンゼルス州の保安官事務所で殺人事件を担当するKevin Lloydさんは、自らが事件前に偶然被害者と接触した殺人事件が、目撃者不在のために何年も未解決となっている状況を受けて、本格的に捜査に乗り出すことに。殺人に関わった組織の犯人を逮捕するために、Lloyd保安官は組織に属することを示すと思われる入れ墨の写真をアルバムにまとめて整理していました。
その後、黒髪の男が胸部の広範囲に入れていた入れ墨を目に留めたLloyd保安官は、その入れ墨が彼が収集した組織の入れ墨の資料とやや似通っていることに気づき、詳しくその男の入れ墨について調べ始めました。
入れ墨の特徴は、鎖骨のあたりに大きく書かれた「Rivera Kills.」という文字と、胸のあたりにあるプランターズ社のお菓子のマスコットキャラクター「ミスターピーナッツ」が、ヘリコプターから銃撃を受けているという奇妙な絵柄。Lloydさんは「ピーナッツ」という単語がこの組織の敵対組織のギャングを示す隠語だと突き止めていたため、確信はいっそう深くなりました。
保安官長のMike Parkerさんは、「Lloydは入れ墨の示す意味を突き止め、ショックを受けていました。殺人が起こった現場の様子をその入れ墨が忠実に表していたため、事件当時のことを思い出したとも言っていました」と語ります。
地方検事代理のBrock Lunsfordさんによると、殺人事件の状況が入れ墨には完全に反映されており、武装していなかった敵対組織のメンバー・John Juarezさんが待ち伏せを受け、酒屋の前で銃撃されたところを再現していたそうです。Lloyd保安官が捜査に立ち上がったことを受けて、保安官事務所では秘密裏にGarcia容疑者と接触。容疑者の自白を得たことで逮捕に至りました。
同事件の裁判を担当したLunsford検事代理は、殺人事件を起こした後、別の事件で逮捕された際に撮影された容疑者の一連の写真を証拠として陪審員に提示。殺人事件の前はまったく入れ墨の入っていない容疑者の胸が写った写真も併せて提出し、何らかの事件を起こすごとに、入れ墨が増えていくことを示しました。
胸の入れ墨によって過去の殺人を暴かれたAnthony Garcia容疑者(25)は、この殺人事件について有罪判決を受けました。カリフォルニアのノーウォークで詳細な判決が言い渡される予定で、最低でも65年の懲役を言い渡されることが予想されています。共犯のドライバーについての情報を自白したため、極刑は免れそうだということです。
Garcia容疑者と被害者のJuarezさんには特に面識はなく、容疑者が所属していた組織が縄張りだと主張していたエリアに被害者が突然現れたために被害者を殺害。検事によると、容疑者は殺人事件について後悔していないどころか、相手を殺害したことを手柄として自慢していたようです。
殺されたJuarezさんとLloyd保安官は事件の1週間前に接触しており、Lloyd保安官からギャングを脱会するように諭されたJuarezさんは、「ああ、そうするよ」と答えていました。説得した相手が更正する前に殺されてしまったという結果に無念を感じた保安官の信念が、この事件解決を導いたと言えそうです。
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