ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が「ソンブレロ銀河」のかつてないほど明瞭な姿を捕捉
by NASA, ESA, CSA, STScI, Hubble Heritage Project (STScI, AURA)
ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡に搭載された中赤外線観測装置を用いて、おとめ座にある「ソンブレロ銀河」の鮮明な姿が捉えられました。
Hats Off to NASA's Webb: Sombrero Galaxy Dazzles in New Image | Webb
https://webbtelescope.org/contents/news-releases/2024/news-2024-137
Hats Off to NASA’s Webb: Sombrero Galaxy Dazzles in New Image - NASA Science
https://science.nasa.gov/missions/webb/hats-off-to-nasas-webb-sombrero-galaxy-dazzles-in-new-image/
今回、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が捉えたソンブレロ銀河の姿はコレ。
by NASA, ESA, CSA, STScI
「メシエ104」とも呼ばれるソンブレロ銀河は1781年、天文学者で彗星ハンターのピエール・メシャンによって発見されました。地球からは約2800万光年離れていて、2005年にスピッツァー宇宙望遠鏡が作成した赤外線画像では、明るくリング状に浮かび上がるチリが見つかっています。
Spitzer Spies Spectacular Sombrero
https://www.spitzer.caltech.edu/image/ssc2005-11a3-spitzer-spies-spectacular-sombrero
by NASA/JPL-Caltech/R. Kennicutt (University of Arizona) and the SINGS Team
その後、ハッブル宇宙望遠鏡による観測も行われており、今回、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が作成した赤外線画像との比較映像も公開されています。
Sombrero Galaxy Fade (Spitzer, Webb, Hubble) - YouTube
なお、以下に示したハッブル宇宙望遠鏡による観測画像は他2つとは見た目がかなり異なりますが、これは望遠鏡の性能の違いではなく、スピッツァー宇宙望遠鏡は赤外線観測画像、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡は中赤外線観測画像、ハッブル宇宙望遠鏡は可視光観測画像という違いがあるためです。
by NASA and The Hubble Heritage Team (STScI/AURA)
ソンブレロ銀河の内側にはおよそ2000の星があると考えられていて、今回の観測画像で色とりどりに表現されている星々はそれぞれがどれぐらい離れているか、どんな特性の星なのかという情報を天文学者に伝えるものとなっています。
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