中国に続いてインドも海外メーカーに「ソースコード」の開示を義務付け、ブラジルも検討中
デジタル家電やIT製品の根幹となるソフトウェアの設計図「ソースコード」を中国政府が各メーカーに強制開示させる方針であることを2009年に打ち出した際、「国家機密の漏洩につながりかねない」という懸念が巻き起こり、ついには当時の麻生首相が直談判する意向を示すなどしていましたが、中国に続いてインドも海外メーカーにソースコードの開示を義務付けたことが明らかになりました。
さらにブラジルも検討中であるとされています。
詳細は以下から。
インド、IT機密開示要求…メーカーに義務化 : 経済ニュース : マネー・経済 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
読売新聞社の報道によると、インド政府が携帯電話向け通信設備を政府に納入している日本やアメリカ、ヨーロッパなどのメーカーに対して、機器のソフトウェアの設計図で、各社にとって機密情報にあたる「ソースコード」の提出を義務づけたそうです。
今回の件についてはインド政府は「安全保障が目的」としていますが、国内企業への技術移転を求める趣旨の通達も出しているとのこと。すでに日本やアメリカ、ヨーロッパの電気通信業界が反発しており、通商問題に発展する可能性もあるとしていますが、経済産業省などはブラジルも現在、同様の規制を導入する方針であることを明かしています。
なお、2010年に中国が先駆けて導入したソースコードの開示は、当初「自国内で生産・販売される外国製のIT製品」とされていたものが、「政府が調達するIT製品」へと変更されていますが、技術の移管を望む中国政府が、開示されたIT製品のソースコードを自国の企業へ供与しないという保証はどこにもありません。
そしてドイツのシーメンスやJR東日本、川崎重工業から技術供与を受けて製造した高速鉄道や、その高速鉄道をベースに開発した新型車両について「中国が独自に開発したもの」として、海外への輸出に乗り出すなど、国によっては知的財産権政策自体に問題点があると思われる場合もあります。
インドやブラジルがソースコードの開示を要求する背景には、中国同様、海外企業にとって安価な製造拠点であることや、多くの人口を抱えた巨大な市場であることを盾にしている側面があると考えられますが、どの国にとっても技術は生命線であるだけに、今後の動向に注目が集まりそうです。
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