リアル書籍完成の最終段階、大日本印刷の製本所で「未来への暴言」が次々と完成する最終段階を激写してきました
第1弾として表紙カバーや帯がバシバシ印刷されるところ、第2弾としてどのようにデザインなどが行われていったのかという部分、そしてこの記事が第3弾、「製本」の部分です。今回は特別に大日本印刷の製本所にて「未来への暴言」が実際に仕上がっていくところを取材させてもらいました。出版社や書籍編集部の関係者でも、色校や表紙の関係でカバーの印刷所までは行ったことがあっても、最終段階の製本所まで見たことがあるという人はかなり少ないはず。
というわけで、一体どのようにして製本の最終段階が行われているのかというムービーなどは以下から。
今回取材させてもらったのはここ、DNP書籍ファクトリー。
この山ほど積まれているのが今回の書籍。
すごい量
表紙カバーと帯(=化粧扉)もドッサリ。
これらを全自動でこれからつけていくわけです。
全体の流れはこんな感じ。
YouTube - 「未来への暴言」DNP製本所編その1~全体~
まずは表紙カバーを付けるために本の表紙と裏表紙部分を開きます……って、高速すぎて何が起きているのかわかりません。
ムービーで見るとこうなります。
YouTube - 「未来への暴言」DNP製本所編その2~高速~
このラインのキモとも言うべき部分をスローモーションで。キレイに表紙の部分だけをめくっているのがわかります。
仕組みとしては単純で、この吸盤のように空気を吸い出すようにして吸着してめくっている、というわけ。
さらに本を開いていくわけですが、何をしているのか早すぎてさっぱりわからない……。
これも高速すぎて何が何だか……。
スローモーションで見るとこうなっています。
こうして本を高速で開いて表紙カバーを付けるだけでなく、しおりや販売票なども自動的に挿入していくわけです。
YouTube - 「未来への暴言」DNP製本所編その3~いろいろ挿入~
しおりなどは手動で入れているのではなく、こうやって自動で高速挿入
開いたページに上から自動挿入されているところ。
この流れで1時間に4800冊を処理可能。ちなみに手動で同じ事を処理すると、一人の人間の場合は1時間に80冊程度が限界なので、機械化によってかなり高速化されているというのがわかります。人力で同じ速度を出そうとすると60人ぐらい必要です。
YouTube - 「未来への暴言」DNP製本所編その4~5冊ずつ~
こうやって表紙カバーと帯(=化粧扉)をかけられ、販売票やしおりなどを挟み込み、5冊ずつ互い違いに積まれて10冊ずつワンセットで流れていきます。
左にあるラインが表紙カバーなどを付けるライン、これが右に渡されて包装されるわけです。
次は取次に持っていくために包装する部分。このロールされた紙を真ん中で切ってくるくると10冊の束に巻き付けて固定していきます。
20冊ずつ出てきます。
包装紙の上にペタポンと中身を示すハンコみたいなもの(プリントゴッコとかガリ版印刷みたいな要領で手作り)が押されます。
こんな感じ
このラインの流れはこうなります。
YouTube - 「未来への暴言」DNP製本所編その5~10冊ずつ×2~
これを80冊ずつで1ブロック単位にして積み上げていきます。
どんどん積んでいきます
大きなカタマリが完成
でかい、重そう。
これをフォークリフトで運んでいきます
よいしょよいしょ。
このカタマリ1つで1600冊。こういうのをドンドン作っていくわけです。
このライン自体はもうかれこれ25年か26年ほど前から使っており、基本的にはパソコンのプリンターと同じようなもので、あまりにも小さすぎる本や大きすぎる本はこの自動で処理するラインを使うことができず、今でも人力でカバーをかけたりしているとのこと。また、表紙カバーの素材がちょっと変わっているであるとか、本自体のサイズは問題ないがぶ厚すぎるであるとかいう場合もアウト。そうなると人力でちまちまと処理していくほか無くなるそうです。大きなサイズの画集や特殊判型の書籍になると価格がどかんと跳ね上がったり、締切日が大幅に前倒しされる理由がこれで何となく理解できました。
こうやってできあがった本はトラックに順次積み込まれ、取次のところに運ばれた後、各書店やAmazonなどへ配送され、読者の皆様の手元に届く……というわけです。
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