クリエイティブ・コモンズがAI対応の「CC Signals」発表、AIトレーニングへどう再利用可能か・不可かをコンテンツ所有者が詳細に指定できるフレームワーク

著作者が「この条件を守れば私の作品を自由に使って構いません」と意思表示できるクリエイティブ・コモンズ・ライセンス(CCライセンス)を提供する国際的非営利組織のクリエイティブ・コモンズが、AI時代に対応した新しいフレームワークの「CC Signals」を発表しました。クリエイティブ・コモンズはCC Signalsについて、「共有利益を基盤としたより公平で持続可能なAIエコシステムの構築に向けた大きな一歩」と説明しています。
Introducing CC Signals: A New Social Contract for the Age of AI - Creative Commons
https://creativecommons.org/2025/06/25/introducing-cc-signals-a-new-social-contract-for-the-age-of-ai/

CC Signalsは、大量のコンテンツを管理する管理者が、AI開発者に対して「満たすべき一連の基準」を提示することが可能になるものです。これらの基準は、相互関係のさまざまな側面に基づいて構成されており、有意義で実用的な行動を促すことが可能になる予定で、コンテンツ管理者が「コンテンツの再利用方法に関する希望」を表明することができるようになります。
CC Signalsは技術的かつ法的ツールであると同時に、社会的な提案でもあるため、「データを共有する者と、データを使用してAIモデルをトレーニングする者との間の新たな協定になる」とクリエイティブ・コモンズは説明しています。
また、CC Signalsは機械と人間が容易に理解できるように構築される予定です。しかし、CC Signalsの本質は集団の力を結集することに根ざしており、CC Signalsの執行力は法的拘束力を持つ場合もあれば規範的である場合もあるとして、その適用範囲はさまざまであるとクリエイティブ・コモンズは説明しています。しかし、その適用には常に「私たちは与え、受け取り、そして再び与え、そして私たちは皆、共にいる」という倫理的な重みが伴うとのことです。

クリエイティブ・コモンズのアンナ・トゥマドッティルCEOは、「CC SignalsはAI時代におけるクリエイティブ・コモンズを維持するために設計されたものです。CCライセンスがオープンウェブの構築に貢献したように、CC Signalsは相互関係に基づいたオープンなAIエコシステムの形成に貢献すると信じています」と語りました。
クリエイティブ・コモンズのゼネラルカウンセルであるサラ・ヒンチリフ・ピアソン氏は、「知識がオープンであり続ける未来を目指すなら、私たちは共に新たな形のギブアンドテイクを主張する必要があります。この時代において、単一の好み、独自に表現されたものは無意味です。しかし、力を合わせれば、私たちは異なる方法を要求することができます」と語りました。
なお、CC Signalsの草案はGitHub上で公開されています。クリエイティブ・コモンズはパートナーやコミュニティと共にCC Signalsの開発に尽力しており、2025年11月のアルファ版リリースに向け、一般ユーザーからのフィードバックや意見も積極的に募集していく予定と説明しています。
GitHub - creativecommons/cc-signals: CC signals is a framework for a simple pact between those stewarding data, and those reusing it for AI development. CC signals provide a set of shared ground rules for an AI ecosystem that is mutually beneficial.
https://github.com/creativecommons/cc-signals

CC Signalsの法的影響についてより詳細な部分を知りたい場合は、以下のレポートを参照してください。
From Human Content to Machine Data - Introducing CC Signals
(PDFファイル)https://creativecommons.org/wp-content/uploads/2025/06/Human-Content-to-Machine-Data_Final.pdf

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