イーロン・マスクがDOGEから身を引くとテスラの株主に説明、不買やボイコットでテスラの純利益は71％減少

by Gage Skidmore

政府効率化省(DOGE)を率いるイーロン・マスク氏が、2025年4月22日に開かれたテスラの決算説明会で、2025年5月からDOGEを通じた政府業務への関与を大幅に縮小させ、週に1～2日勤務するスケジュールに移行する考えを示しました。

Tesla's Elon Musk says he'll take step back from DOGE
https://www.axios.com/2025/04/22/elon-musk-doge-tesla-earnings-call

Tesla CEO Musk says time he spends on DOGE will drop in May
https://www.cnbc.com/2025/04/22/tesla-ceo-elon-musk-says-time-he-spends-on-doge-will-drop-significantly-next-month.html

テスラのCEOであるイーロン・マスク氏は、第2次トランプ政権の大統領上級政治顧問になることで政界に進出しましたが、DOGEを通じた社会福祉費や科学政策予算などの政府支出の強硬な削減はテスラに対する反発や不買運動につながり、その影響で同社の業績は大きく落ち込んでいます。

テスラが2025年4月22日に発表した(PDFファイル)2025年第1四半期決算によると、テスラの総売上高は前年同期から9％減少、自動車部門の売上高も前年同期比で20％減少し、純利益は71％の減少を記録したとのこと。これにより、テスラの株価は年初来40％の下落を記録しています。

決算説明会に出席したマスク氏は株主に対し、トランプ大統領の任期中はDOGEでの職務を続けるものの、今後は大幅に活動を縮小すると説明。「取り組みがほぼ完了したので、5月からDOGEへの時間配分は大幅に減るでしょう。私たちが阻止した無駄使いと不正行為が再び発生しないように、大統領の任期の残り期間中はこれを続ける必要があると思われるので、大統領が望む限り、そしてそれが有益である限り、私は今後も週1日か2日は政府関係の業務に携わるつもりです」と述べました。

マスク氏はまた、トランプ政権への関与が業績に響いていることも認め、「ある程度の反発」や「いくつかの困難」があったと発言しました。この点は、テスラの決算資料に記載された「急速に変化する貿易政策がテスラや同業他社の世界的なサプライチェーンとコスト構造に悪影響を及ぼしており(中略)、こうした動向は、変化する政治的感情と相まって、短期的には当社製品の需要に大きな影響を与える可能性があります」との記述にも表れています。

by Ian M.

ドナルド・トランプ大統領が打ち出した関税政策は、諸外国の報復関税やサプライチェーンの混乱を通じてテスラの自動車の売り上げにも大きく影響するため、大統領上級顧問であると同時にテスラのCEOでもあるマスク氏は難しい立場に立たされています。

マスク氏は、「私は予測可能な関税構造を支持しており、基本的には自由貿易と低関税を支持しています。将来的には、トランプ大統領が私の助言を違う角度から評価してくれることを期待しています」と述べて、大統領を支持する姿勢を維持しつつも関税政策には苦言を呈したことを明かしました。