サイエンス

空から飛んできて民家を破壊した謎の物体が「国際宇宙ステーションが捨てたゴミだった」とNASAが公式に認める


2024年3月、アメリカのフロリダ州に円筒形の謎の物体が飛来し、民家の屋根を突き破るという事故が発生しました。この物体を回収して調査したアメリカ航空宇宙局(NASA)が4月15日の声明で、「民家を破壊した物体は国際宇宙ステーション(ISS)が廃棄した宇宙ゴミだった」と公式に認めました。

NASA Completes Analysis of Recovered Space Object – Space Station
https://blogs.nasa.gov/spacestation/2024/04/15/nasa-completes-analysis-of-recovered-space-object/


Object that slammed into Florida home was indeed space junk from ISS, NASA confirms | Space
https://www.space.com/object-crash-florida-home-iss-space-junk-nasa-confirms

現地時間の2024年3月8日、フロリダ州に住むアレハンドロ・オテロ氏の自宅に謎の物体が墜落しました。物体は長さ十数cmの円筒形で、重さは約900g。かなりの勢いで落ちてきたようで、物体は屋根と天井を貫通し、床に突き刺さりました。


オテロ氏の自宅に墜落した物体については、以下の記事を読むとよくわかります。

突如飛来して民家の屋根を突き破った謎の物体が「国際宇宙ステーションが捨てたゴミ」だった可能性 - GIGAZINE


オテロ氏の自宅を破壊した謎の物体の正体については、「ISSが2021年に廃棄したバッテリーパレットの一部ではないか」という説が提唱されていました。ISSは2020年に、日本の宇宙航空研究開発機構(JAXA)が輸送した新しいバッテリーを受け取りましたが、輸送作業の遅延によって最後の貨物パレットがISSに取り残されてしまったため、2021年3月にロボットアームを使用して残ったバッテリーと貨物パレットを船外廃棄しました。

この時に廃棄されたバッテリーパレットの写真が以下。総重量は約2.6トンで、大きさは一般的な冷蔵庫ほどだったと報告されています。


バッテリーパレットはしばらく宇宙空間を漂っていましたが、2024年3月8日に大気圏へ再突入しました。この再突入時に燃え尽きなかった一部が、オテロ氏の自宅に墜落した可能性があるというわけです。オテロ氏の家族はこの物体を取り出して保管していたため、NASAは物体を回収してケネディ宇宙センターで分析を行っていました。

そしてNASAは4月15日に声明を発表し、オテロ氏の自宅に墜落した物体がISSによって廃棄された宇宙ゴミだったことを認めました。NASAは声明の中で、「調査の結果、この残骸が貨物パレットにバッテリーを乗せるために使われたNASAの飛行支援装置の支柱であると断定しました」と述べています。

以下の写真は、左がバッテリーを貨物パレットに乗せるために使われる飛行支援装置の支柱で、右がオテロ氏の自宅に墜落した物体です。宇宙ゴミはニッケルをベースとした超合金のインコネル製で、重さは1.6ポンド(約0.7kg)、高さは4インチ(約10cm)、幅は1.6インチ(約4cm)だそうです。


NASAは、この宇宙ゴミは3月8日の大気圏再突入時に完全に燃え尽きると予想されていたと述べ、宇宙ゴミが燃え尽きなかった原因を究明するための調査を進めるとしています。「私たちは地球低軌道で責任を持って活動し、宇宙ゴミを放出しなければならない場合に地球上の人々を保護するため、可能な限り多くのリスクを軽減することに引き続き取り組んでいきます」とNASAは述べました。

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in サイエンス, Posted by log1h_ik

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