アート

美術館のスタッフがこっそり自分の絵を展示する「逆絵画泥棒」が発生、職員はクビになり最長2年の懲役刑に直面


アーティストの多くは、自分の作品が脚光を浴びることを夢に見ますが、描いた絵が有名美術館のギャラリーに飾られる画家は一握りです。ドイツにある美術館のピナコテーク・デア・モデルネで、芸術家志望の職員が勝手に自分の絵を展示して解雇される事件が発生しました。

Mitarbeiter der Pinakothek der Moderne hängt selbstgemaltes Bild auf - München - SZ.de
https://www.sueddeutsche.de/muenchen/muenchen-pinakothek-der-moderne-mitarbeiter-eigenes-bild-1.6532007

German art museum fires worker for hanging his own painting in gallery | Germany | The Guardian
https://www.theguardian.com/world/2024/apr/09/german-art-museum-fires-worker-for-hanging-his-own-painting-in-gallery

German museum worker fired after hanging his own art in gallery | CNN
https://edition.cnn.com/2024/04/10/style/museum-worker-fired-hanging-own-art-scli-intl/index.html

A Reverse Art Heist? Museum Finds Employee’s Painting on Its Wall - The New York Times
https://www.nytimes.com/2024/04/10/world/europe/germany-painting-museum.html

ドイツのミュンヘンにあるピナコテーク・デア・モデルネは、パブロ・ピカソやパウル・クレー、アンディ・ウォーホルなどの巨匠の作品2万点以上をコレクションに収めるドイツ最大級の美術館です。

ピナコテーク・デア・モデルネは2024年4月15日に、この美術館に技術スタッフとして勤務していた51歳の男性職員が、自分の絵画を持ち込んで展示していたことを公表しました。この問題が発生したのは2月26日のことで、当該作品はギャラリーの壁に丸1日展示され、閉館後に撤去されたとのこと。

by digital cat

職員は、当時準備が進められていた展示会の設営に従事しており、誰にも見とがめられることなく閉館後の美術館に立ち入り、絵と道具一式を持ち込むことが可能でした。

美術館の報道担当者はメディアに対し、「ピナコテーク・デア・モデルネを代表する4つの美術館のうちの1つの美術館の技術スタッフが、開館時間外に近代美術館の展示室に展示物を設置しました。事件の結果、職員は追って通知があるまで博物館への出入りを禁止され、雇用が打ち切られることになりました」と話しました。


絵は60×120cmの大きさで、壁にドリルで穴を開けて2本のネジで固定されたため、ミュンヘン刑事捜査局は器物破損として捜査を進めています。被害総額は約100ユーロ(約1万6000円)程度と見積もられていますが、刑事訴追されて有罪判決を受けた場合は罰金または最長2年の懲役刑が科せられる可能性があるとのことです。

問題の絵が別の職員によって発見された後、元職員が美術館にメールで「フリーのアーティストとして自分の絵を壁にかけた」と名乗り出たため、美術館は警察に通報しました。


地元紙・南ドイツ新聞(Süddeutsche Zeitung)の報道によると、この元職員は絵の展示が自分の「芸術的躍進」につながると期待して絵を持ち込んだと警察に供述しているとのことで、作品が多くの人の目に触れることで一躍有名になろうとしたのが動機とされています。

模倣犯やいたずらを防ぐ必要性から、絵の主題や作風といった詳細は伏せられていますが、美術館の広報担当者は「私に言えるのは、問題の絵がギャラリーの訪問者から肯定的な評価を得ることはなかったということだけです」と話しました。

ドイツでは、2023年10月にも何者かがドイツ国立美術館に忍び込み、自分の絵を両面テープで壁に貼り付ける事件が発生したことがあります。今回の事件とは異なり、絵が増えたことは誰にも気づかれず、展示会が撤去されて初めて余計な絵が1点多いことが発覚しました。

ドイツ国立美術館はSNSで、「私たちは面白いと感じ、この絵を描いたアーティストを知りたいと思っています。トラブルになることはないとお約束しますので、ご連絡ください」と呼びかけました。これにより、絵を描いたのはダナイ・エマヌイリディスさんという学生だということが判明しました。


その後、「Georgia」と名付けられた絵はオークションにかけられて3696ユーロ(約60万円)で落札され、全額がケルンの芸術団体・ArtAsylに寄付されました

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in アート, Posted by log1l_ks

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