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iPhone 15シリーズでLightningからUSB-Cに切り替わるうえで知っておくべきこと


Appleが発表したiPhone 15シリーズでは、長きにわたり採用され続けてきたApple独自規格のLightningが廃止され、USB-Cが採用されました。iPhoneでもUSB-Cが採用されたことで、ついにLightningケーブルから解放されると喜ぶ人も多くいますが、USB-Cケーブルを利用するうえで理解しておくべきポイントを海外メディアのThe Vergeがまとめています。

There’s no Lightning on iPhone 15, get ready for USB-C - The Verge
https://www.theverge.com/2023/9/16/23872237/apple-iphone-15-usb-c-switch-guide

iPhone 15シリーズの登場で、AppleのあらゆるデバイスがUSB-Cに対応することになりました。Appleは2020年に発売したiPhone 12シリーズから、iPhone本体に充電用の電源アダプタを同梱していません。


今回のiPhone 15シリーズでもUSB-C対応の電源アダプタは付属していません。ただし、長さ1メートルのUSB-C充電ケーブルは付属しています。


iPhone 15を最速で充電したい場合は、少なくとも出力が20WのUSB-C電源アダプタが必要となります。2015年以降にMacBookを購入したユーザーや、2018年以降にiPad Proを購入したユーザーは、付属のUSB-C電源アダプタがこれに相当します。

なお、Apple公式の20W対応のUSB-C電源アダプタもありますが、海外メディアのThe Vergeは「The VergeのスタッフはAnkerの20W電源アダプタが好きです」と記しています。


USB-Aポートを搭載している電源アダプタを利用して充電する場合は、新しくUSB-A-to-Cケーブルを購入する必要があります。USB-A対応の電源アダプタの場合、最高出力は約18Wですが、上限ギリギリの出力に対応している電源アダプタは非常に少ないそうです。

iPhone 11以前のモデルに付属していたUSB-A対応の電源アダプタの場合、出力はせいぜい5Wか10W程度であるため、充電速度を重視したい場合は新しく20W出力に対応したUSB-C対応電源アダプタを購入することをThe Vergeは推奨しているわけです。


既存のiPhoneユーザーの場合、部屋のコンセントに挿してある電源アダプタにUSB-Cケーブルを挿すだけでUSB-Cへの移行は完了するかもしれません。しかし、電源アダプタの対応ポートに応じたケーブルを購入する必要があります。

ただし、The Vergeは「Amazonを開いて検索して最初に出てきた安価なUSB-Cケーブルを購入しようと考えている人もいるかもしれませんが、USB-Cケーブルは必ずしも安価で購入するべきものではないと理解しておくべきです」と記し、購入すべきでないUSB-Cケーブルが存在すると指摘しています。


USB-Cケーブルには「MacBook Proの急速充電に対応しているものの、データ転送速度は遅い」というものや、「高速データ転送には対応しているものの、日々の端末充電には向いていない」といったものが存在します。USB-Cケーブルにはラベルでどういったものに対応しているのかが示されているケースもありますが、これを一目で判断することはほぼ不可能です。

不正な商品を避けるにはUSB Implementers Forum(USB-IF)準拠のケーブルを購入するのが一番手っ取り早いとThe Vergeは指摘。これはUSB-IFがケーブルメーカーに対して、コンプライアンステストをクリアするよう求めているためです。USB-IFのテストをクリアしたケーブルメーカーは、パッケージにロゴをつけることができ、ここから顧客側はUSB-Cケーブルがどのようなデータ転送速度や充電速度に対応しているのかをチェックすることが可能です。そのため、The Vergeは「USB-Cケーブルを購入する場合は、メーカーがUSB-IFのロゴを使用しているかどうか、少なくともUSB-IFに認証されていると記しているかをチェックしてみてください。そして認証製品であれば、USB-IFの製品検索ページで見つけることができるはずです」と記しています。

Product Search | USB-IF


充電速度を重視する場合、長さ6フィート(約1.8メートル)あるいは10フィート(約3メートル)のUSB-CtoCケーブルで、 USB-IF認証を受けたものが理想だそうです。60Wを超える出力に対応したケーブルは、出力が100Wだろうと240Wだろうと価格にほとんど差はなく、高い出力に対応していようがいなかろうが問題なく機能するとのこと。iPhone 15シリーズに付属しているUSB-Cケーブルは充電速度に問題はありませんが、ケーブルの長さが1メートルと短いため、ユーザーによっては使いづらく感じるケースがあるため新しいものの購入検討を推奨しています。

iPhone 15 ProやiPhone 15 Pro Maxで撮影した大容量の画像・動画をPCなどに転送することを想定している場合は、データ転送速度が高速なUSB-Cケーブルを用意したいところ。無線でデータを転送することができるAirDropよりも速くデータ転送するには、それに応じたUSB-Cケーブルが必要となります。iPhone 15 Proの場合、最大10GbpsのUSB 3をサポートしているため、これに応じたケーブルを用意する必要があります。

USB-IF認証ケーブルの場合、「USB 10Gbps」というロゴが入っているものが10Gbpsのデータ転送に対応したものとなります。ただし、製品によっては「USB 3.1 Gen 2」「USB 3.2 Gen 1x2」「USB 3.2 Gen 2」などと記載されているケースもある模様。


このため、The Vergeは「よほどのミニマリストでない限りは、充電用とデータ転送用に別のUSB-Cケーブルを用意しておき、それぞれのケーブルは異なる色のものを用意しておくのが無難です」とアドバイスしています。

MagSafe対応のワイヤレス充電器を使えばUSB-Cケーブルを気にすることなくiPhone 15シリーズをワイヤレス充電することが可能です。ただし、これらのMagSafe対応充電器も、20Wの出力が可能なUSB-C対応の電源アダプタを必要としています。なお、既存のMagSafe対応充電器はiPhoneを15Wほどで充電するため、有線の方がわずかに高速に端末の充電が可能です。


なお、iPhone 15シリーズはワイヤレス充電規格のQi2をサポートする最初のスマートフォンになることが明らかになっていますが、記事作成時点では詳細は明らかになっていません。

さらに、The Vergeは「LightningプラグをUSB-Cプラグに変換する変換器が市場に大量に出回るかと思いますが、これらは購入しないでください。これらの変換器は挿し込むのが不便で、MFi認証を受けていないものの場合はiPhone 15やLightningケーブルの損傷の原因となる可能性があります」と述べ、LightningプラグをUSB-Cプラグに変換する変換器の利用を推奨していません。マイクやアダプターなど特別なLightning対応アクセサリを持っている場合は、Apple純正の変換器の利用を推奨しています。


また、CarPlayがiPhoneのワイヤレス接続に対応していない場合は、新しくUSB-CtoCあるいはUSB-AtoC対応のケーブルが必要になります。

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in モバイル,   ハードウェア, Posted by logu_ii

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