メモ

アメリカ最大の新聞社GannettがGoogleを訴える、「Googleが広告費を搾り取っている」との見解


2023年6月20日、USAトゥデイなど100紙以上を傘下に置くアメリカの新聞社Gannettが、広告技術市場の独占などを理由にGoogleを相手取って連邦裁判所に訴訟を起こしました。

Gannett CEO: Why we are suing Google for its business practices
https://www.usatoday.com/story/opinion/2023/06/20/gannett-ceo-why-we-are-suing-google-for-its-business-practices/70336910007/

USA Today publisher Gannett sues Google over advertising • The Register
https://www.theregister.com/2023/06/20/usa_today_google_lawsuit_gannett/

Gannettは「デジタル広告は今や2000億ドル(約28兆3000億円)規模のビジネスとなっており、市場が2009年と比べて約8倍に拡大しているにもかかわらず、ニュースパブリッシャーの広告収入は大幅に減少している」と指摘。この理由は、パブリッシャーや広告主が広告スペースの売買に使用する重要なソフトウェアやテクノロジー製品の市場を、中間業者であるGoogleが独占しているためだとGannettは主張しました。

一例として、Googleはパブリッシャーが広告スペースを販売するために使用する「パブリッシャーアドサーバー」の市場の90%を支配しているほか、パブリッシャーのウェブサイト上の広告スペースのオークションを運営する「アドエクスチェンジ」の市場の60%以上を支配しています。さらにGannettの場合は全広告バイヤーの60%がGoogle経由で参入していることもあり、Gannettは「広告ビジネスのほとんどをGoogleが独占している」と指摘しています。


加えて、Googleは広告サーバーの独占状態を乱用し、ライバルの取引所が競争力のあるオークションを行うことをますます困難にしているともGannettは主張。Gannettは「Googleの取引所はGoogleの広告主が割安で広告枠を購入できるようにオークションを不正に操作していて、業界全体でオンラインコンテンツへの投資が減り、パブリッシャーが販売する広告枠と、広告主が購入する広告枠が減りつつある」と述べました

Gannettによると、2022年だけでも、Googleはパブリッシャーのウェブサイト上の広告スペースの販売で300億ドル(約4兆2000億円)以上の収入を得たことが分かっているそうです。この額はアメリカのすべてのニュースパブリッシャーが得たデジタル広告収入の6倍に相当することもあり、Gannettは「市場が機能していれば、コンテンツ制作者よりも中間業者の方が稼げるとは誰も思わないだろう」と主張。Googleがアメリカの反トラスト法および消費者保護法に継続的に違反しているとの考えから、今回の訴訟に打って出たと話しました。


Gannettのマイク・リードCEOは「私たちの訴訟は、Googleが破壊したデジタル広告市場に公正な競争を取り戻すことを目的としています。当社の最古の出版物であるポキプシー・ジャーナルが1785年に発行されて以来、ニュース報道は広告に依存してきました。今日、アメリカ人の86%がオンラインでニュースを読んでいます。その結果、ニュースパブリッシャーはデジタル広告収入に依存するようになり、全米のコミュニティがそれを頼りにしています。しかし、ニュースパブリッシャーの広告収入は大幅に減少しています」と指摘。

続けて「2008年以降、報道業界では雇用が半分以上減少し、全新聞社の20%が閉鎖に追い込まれています。特に影響を受けているのは規模の小さいローカルニュース局で、Googleのやり方は収益だけでなく、ローカルニュースが最も必要とされるこの時代にローカルニュースの規模縮小を引き起こすという現実的な影響を及ぼしています。最も必要とされる場所でニュースが少なくなる一方で、Googleが成功を収めているのです。損しているのはアメリカの報道機関とその読者です」と述べました。


Googleと広告市場の関係についてはアメリカの司法省も問題視し、2020年10月と2023年1月の二度にわたりGoogleを提訴しています。

Googleが広告市場での反トラスト法違反で提訴される、Googleは「巨大な競争市場が無視されている」と反論 - GIGAZINE


さらにEUもGoogleがオンライン広告の販売側と購入側の両方でサービスを展開することで優位性を維持することを問題視していることから、Gannettは「全米、全世界の政府執行機関も同意見です」と主張。リードCEOは「デジタル広告はオンライン経済の生命線です。デジタル広告枠の自由で公正な競争がなければ、パブリッシャーはニュースルームやコンテンツに投資できず、読者は信頼できるニュースを安価に、あるいは無料で手に入れることはできません。市民が情報を得られず、権力者の責任を追及するための質の高いジャーナリズムが利用できない場合、私たちの民主主義と地域社会は崩落します」と述べました。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
Googleに対し「独占禁止法違反に関わるデータ」を提出するようにアメリカ政府が請求 - GIGAZINE

Googleが検索市場に関する独禁法違反で提訴される、わずか2カ月で3回目の提訴 - GIGAZINE

Googleが「独占禁止法違反」で司法省から提訴される - GIGAZINE

Googleの広告テクノロジー事業は独占禁止法違反だとしてビジネスの一部売却をEUの規制当局が命じる可能性 - GIGAZINE

Googleが独占禁止法違反訴訟関連の証拠を隠滅したと司法省が発表 - GIGAZINE

Googleが広告市場での反トラスト法違反で提訴される、Googleは「巨大な競争市場が無視されている」と反論 - GIGAZINE

in Posted by log1p_kr

You can read the machine translated English article here.