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古代の人々が作った驚異的な建造物「古代世界の七不思議」とは?


古代世界の七不思議」とは、古代の人々が北アフリカや中東、南ヨーロッパに建造した驚異的な7つの建造物のことです。そんな世界の七不思議「ギザの大ピラミッド」「バビロンの空中庭園」「オリンピアのゼウス像」「エフェソスのアルテミス神殿」「ハリカルナッソスのマウソロス霊廟(れいびょう)」「ロドス島の巨像」「アレクサンドリアの大灯台」について、科学系メディアのLive Scienceがまとめています。

7 wonders of the ancient world | Live Science
https://www.livescience.com/seven-wonders-of-the-ancient-world


世界の七不思議について最初に論じたのは古代ギリシアの歴史家・ヘロドトスであり、紀元前225年には旅行家であったビザンチウムのフィロンが「バビロンの城壁」などを含む7つの候補を選出しました。現代に伝わっている世界七不思議ではバビロンの城壁が除かれ、代わりに「アレクサンドリアの大灯台」が入っているとのことです。

◆1:ギザの大ピラミッド


エジプトにあるギザの大ピラミッドは、世界の七不思議の中で最も古い建造物でありながら、今日まで残っている唯一の建造物でもあり、古代エジプト第4王朝のクフ王の墓であるといわれています。完成時の高さは約147m、いくつかの石が失われた今日でも139mの高さを誇っており、1311年にリンカン大聖堂の中央塔が完成するまで数千年にわたり世界で最も高い建造物でした。

記事作成時点でも考古学者らによってピラミッド内部の調査が進められており、2023年には名古屋大学などの研究チームが宇宙線を使用して「ピラミッド内部の隠された空間」を発見するなど、新事実が次々と明らかにされています。以下の記事を読むと、ギザの大ピラミッド内をブラウザ上で歩き回る3Dバーチャルツアーを体験できます。

ギザの大ピラミッドの中を自由に見て回れる3Dバーチャルツアー「Inside the Great Pyramid」 - GIGAZINE


◆2:バビロンの空中庭園

by wikimedia commons

言い伝えによると、紀元前6世紀に新バビロニア帝国の王であったネブカドネザル2世が緑豊かなメディア王国出身の王妃のために、滝や密集した植生を持つ巨大な迷路を宮殿に作ったといわれています。王妃が山岳地域の緑を懐かしく思っていたことから、この庭園は丘の中腹のように傾斜しており、劇場のように層状になっていたとも伝えられています。

しかし、バビロンの空中庭園は現代に至るまで位置が確定しておらず、古代都市・バビロンでの考古学的調査でも明確に空中庭園だと識別できる遺構は見つかりませんでした。一説によると、古代の著述家たちはバビロンの空中庭園の場所を間違えて記しており、実際はバビロンではなくメソポタミアのニネヴェに作られたともいわれています。

◆3:オリンピアのゼウス像

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紀元前435年、古代ギリシアの都市であるオリンピアにギリシア神話の主神・ゼウスをまつったゼウス神殿が建造され、その奥に彫刻家のペイディアスが建造した全長12mもの巨像が配置されました。

表面は象牙で覆われており、座っている状態でありながら屋根に頭が触れそうだったことから、古代ギリシアの作家・ストラボンは「ゼウスが立ち上がれば神殿の屋根が外れそうだと思わせる」と書いています。また、ローマ皇帝のカリグラは西暦40年頃にゼウス像を盗むことを計画しましたが、カリグラは命令が実行される前に暗殺されたとのこと。いつゼウス像が破壊されたのかはわかっていませんが、4世紀末にはローマ帝国の国教がキリスト教になって古代ギリシアの宗教が迫害されていたことから、5世紀頃に破壊されたのではないかとみられています。

◆4:エフェソスのアルテミス神殿

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アルテミス神殿はギリシア神話に登場する狩猟・貞潔の神であるアルテミスをまつった総大理石の神殿であり、紀元前7世紀から紀元3世紀にかけてエフェソス(現在のトルコ西部)に存在していました。古代の作家らはその美しさを称賛する文章を残しており、当時は非常に壮麗な建造物だったことがうかがえます。

紀元前356年にアルテミス神殿は炎上しており、その犯人は名声を求めたヘロストラトスという男だといわれています。しかし、歴史家のマイケル・イメンドルファー氏はこの説に疑問を呈しており、実際には落雷で焼けたものの男がスケープゴートにされたのではないかという説を提唱しています。その後アルテミス神殿は再建されましたが、西暦262年にゴート人の襲撃の中で略奪・破壊されたとのことです。

◆5:ハリカルナッソスのマウソロス霊廟

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紀元前4世紀頃にアナトリア半島南西部のカリアを支配したヘカトムノス朝の王・マウソロスとその妻をまつるため、首都のハリカルナッソスに建てられた霊廟がマウソロス霊廟です。

霊廟建設はマウソロスの生存中に開始され、高名な彫刻家であるスコパスやブリュアクシス、レオカレス、ティモテオスが参加したといわれており、残された妻のアルテミシアが亡くなった後も建設は続けられました。ローマの文人であるプリニウスは、霊廟の高さは43mほどで、上部に63本の柱で支えられたピラミッド型のドームがあったと記しています。

◆6:ロドス島の巨像

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紀元前305年~304年、エーゲ海南東部のロドス島ディアドコイ戦争におけるロドス包囲戦で勝利しました。このことを祝福して紀元前3世紀に建設されたのが、ギリシア神話の太陽神・へーリオスをかたどった巨像です。

まずは高さ15mほどの大理石製の台座が設置され、その上に高さ34mの巨像が作られたとのことで、全高は50m近かったといわれています。紀元前226年の地震で崩壊した後も残骸が残されており、プリニウスによれば巨像の親指に腕を回せる人物はわずかしかいなかったとのことです。

◆7:アレクサンドリアの大灯台

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紀元前3世紀頃、ナイル川の河口にあるアレクサンドリアの港の入り口にあるファロス島に、アレクサンドリアの大灯台と呼ばれる巨大な灯台が建設されました。アレクサンドリアの大灯台は高さ122~134mに達したともいわれており、ファロス島と本土は人口の通路で結ばれ、内部の通路はロバなどが上ることができるほど広かったと伝えられています。

日中は鏡を使って太陽光を反射し、夜になると薪を燃やしてその炎を鏡で反射させていたといわれています。アレクサンドリアの大灯台は796年の地震で半壊した後も残り続けましたが、14世紀の地震で完全に崩壊してしまいました。しかし、1994年にはフランスの調査チームが遺跡と断定できる柱や彫像などを海底で発見しており、いまだに研究が進行中だとのことです。

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in メモ, Posted by log1h_ik

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