ハードウェア

Meta Quest 3は「Quest 2よりはるかに薄くて軽いVRヘッドセット」として開発されている


Meta Quest 2(旧Oculus Quest 2)Meta Quest Proなどの単独動作可能なスタンドアローン型VRデバイスをリリースしているMetaが、Meta Quest 2の後継モデルとなるMeta Quest 3を開発しています。経済紙・Bloombergの記者であるマーク・ガーマン氏が、Meta Quest 3のプロトタイプ版を実際に使った感想を報告しています。

Meta Quest 3 Real Life Hands-On: How It Compares to Apple Mixed-Reality Headset - Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/newsletters/2023-05-28/meta-quest-3-real-life-hands-on-how-it-compares-to-apple-mixed-reality-headset-li7h3suy

The Meta Quest 3 refines the formula with power and comfort — and it might cost more - The Verge
https://www.theverge.com/2023/5/28/23740500/meta-quest-3-vr-ar-headset-preview-leak-hands-on-rumor

MetaがQuest 3を開発中であることは、2022年10月に行われた2022年第3四半期(7~9月)決算報告で明らかにされています。Metaは例年10月にVR関連のカンファレンスを開催しており、Quest 3はおそらく2023年10月に開催されるカンファンレンスで発表されるだろうと予想されます。

「Meta Quest 3」が2023年に登場へ、2022年第3四半期決算報告で判明 - GIGAZINE


Apple製品関連の情報に詳しいガーマン氏は、2023年6月に発表されるとウワサされているAppleのVR/ARヘッドセットと比較する目的で、Meta Quest 3のプロトタイプ版を実際に触る機会を得たとのこと。ガーマン氏は「コードネーム『Eureka』と呼ばれるQuest 3のプロトタイプ版は、2020年に発売されたQuest 2よりもはるかに軽くて薄く感じられます」と述べています。バイザー部分はプラスチック製で、ヘッドバンド部分は布製だったそうです。

Quest 3のプロトタイプ版のバイザー部分には、正面部分にセンサー領域が3つあるとのこと。このセンサー領域には標準カメラに加えてカラーのパススルーカメラが1台ずつ搭載されているそうです。これにより、Quest Proと同様にパススルー映像をカラーで見ることができ、ヘッドセットをつけたままでスマートフォンを操作することも可能だったとのこと。Quest Proのフルカラーパススルー映像は「モノクロのパススルーにフルカラーのレイヤーが重なって見える」という感じでしたが、ガーマン氏の評価によると改善されている模様。


Quest Proのフルカラーパススルーがどんな感じで見えるのかは以下のYouTubeショートを見るとよくわかります。

Meta Quest Proのプレイエリアをフルカラーパススルーで設定するところ - YouTube


さらに3つのうち中央のセンサーには、Questシリーズとしては初となる深度センサーが搭載されているとのこと。深度センサーがあることによって、「環境メッシュ」と呼ばれる機能が強化され、部屋にある壁の位置を手動で設定する必要がなくなるそうです。深度センサーについては、Metaのマーク・ザッカーバーグCEOが2022年5月に行われたインタビューで「Quest Proに深度センサーが搭載されるかもしれない」と発言していましたが、最終的に搭載されなかったという経緯があります。

さらにヘッドセットの前面下部にもカメラが付いており、底部にはヘッドセットの瞳孔間距離を調整するダイヤルがあったとのこと。Quest 2ではレンズの瞳孔間距離を調整するにはレンズを直接指で動かす必要がありましたが、Quest 3ではヘッドセットをつけながら調整できるようになっている模様で、「これは大きな改善です」とガーマン氏。


Quest 3の解像度はQuest 2よりも少し高くなると予想されていますが、ガーマン氏は「Quest 3のディスプレイはQuest 2と同様に感じられる」と述べており、はっきりとした向上は感じられなかった模様。ただし、Quest 2搭載SoDの次世代モデルとなる「Qualcomm Snapdragon XR2 Gen 2」を搭載したQuest 3自体のパフォーマンスには大きな改善が見られたとガーマン氏は述べています。

操作システムは左右に握るコントローラー、あるいはカメラセンサーを使ったハンドトラッキングによって制御する方式になります。ハンドコントローラーは、Quest 2で特徴的だった大きなリングがなくなったという点でQuest Proと同じようですが、Quest Proのコントローラーには搭載されていたトラッキング用カメラは搭載されていないそうです。また、Quest Proに搭載された顔の表情や視線のトラッキング機能は、Quest 3には搭載されていないとのこと。


Quest 3の価格はQuest 2よりも高くなる可能性があるとガーマン氏はみています。仮に500ドル(約6万5000円)と仮定した場合、AppleのVR/ARヘッドセットの約5分の1程度の価格となりますが、ガーマン氏は「Quest 3の複合現実(XR)感、大幅に改善されたパススルー機能、より高速なパフォーマンス、大規模なコンテンツライブラリに感銘を受けました。価格はAppleのVR/ARヘッドセットの5分の1程度でも、その価値は5分の1以上はあります」と述べています。

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in ハードウェア, Posted by log1i_yk

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