ネットサービス

Googleが無料で高クオリティかつカスタマイズされた商品画像を生成できるAIツール「Product Studio」を発表、オンライン店舗の売上アップに期待


Googleが現地時間の2023年5月23日に開催した広告主向けイベント「Google Marketing Live」で、中小企業を含むあらゆる企業が生成AIを利用して簡単にクリエイティブな商品画像を作成できるツール「Product Studio」をリリースすると発表しました。Googleショッピングにおいて複数枚の画像がある商品はインプレッション率が高まるとのことで、無料で簡単に高クオリティの画像が生成できるProduct Studioはオンライン店舗にとって大きな恩恵をもたらす可能性があります。

How to use generative AI to create product images in Merchant Center Next
https://blog.google/products/shopping/google-product-studio-generative-ai-product-photos/


Google introduces Product Studio, a tool that lets merchants create product imagery using generative AI | TechCrunch
https://techcrunch.com/2023/05/23/google-product-studio-tool-lets-merchants-create-product-imagery-using-generative-ai/

Google’s new generative AI tool can jazz up product images - The Verge
https://www.theverge.com/2023/5/23/23734129/google-product-studio-generative-ai-ads-merchant-center

オンラインショッピングにおいて商品画像は顧客にアピールする重要な手段であり、さまざまなシチュエーションで撮影した商品画像を用意しておくことで、より多くの売上を達成することができます。Googleのデータによると、複数の画像がある商品は1枚の画像しかない商品と比較してインプレッションが76%増加し、クリック数も32%増加するとのこと。


しかし、高品質の画像を複数用意することは必ずしも容易ではなく、実際に商品を使っている様子の写真などを撮影するにはコストもかかります。そこでGoogleは、販売者がGoogleのエコシステム全体に商品を掲載するためのプラットフォーム・Merchant Centerで、生成AIを使用して新しい商品画像を作成することができるツール「Product Studio」を展開すると発表しました。

Product Studioは元となる製品画像を使用して、テキストプロンプトに基づいて新しい画像を生成できるツールです。そのため、ユーザーは季節やキャンペーンに応じて、適切な商品画像を新たに生成できるというわけ。たとえば以下のスクリーンショットを見ると、化粧品の画像に「surrounded by peaches, with tropical plants in the background(桃に囲まれていて、熱帯植物が背景にある)」というプロンプトを入力し、新たに画像を生成しているのがわかります。


また、製品画像の背景に写り込んだものを削除して、白い背景の写真を作ることも可能です。「Remove background(背景を除去)」をクリック。


すると、無地の背景の写真が生成されました。


AIを使うことで、再撮影せずに低解像度の画像の解像度を高めることもできます。


テクノロジー系メディアのThe Vergeは、Product Studioがマーケティング予算が豊富でない個人事業主や中小企業にとって有用であるのは間違いないものの、大企業もその恩恵にあずかることができ、「生成AIがクリエイティブな専門家に取って代わるのでは」という懸念に火を付ける可能性があると指摘しています。

Googleは今後数カ月以内にProduct Studioをアメリカで展開し、2024年中にグローバル展開を完了する予定だと述べています。また、ShopifyのGoogle&YouTube販売チャネルを使用しているユーザーも、Product Studioの機能にアクセスできるとのこと。

また、GoogleはAIを利用して検索広告とショッピング広告の精度を高める方法や、チャットAIのエクスペリエンスに広告を統合する方法についても発表しました。

Google Japan Blog: AI による新たな時代の Google 広告
https://japan.googleblog.com/2023/05/ai-powered-ads-GML.html


Google to experiment with ads that appear in its AI chatbot in Search | TechCrunch
https://techcrunch.com/2023/05/23/google-to-experiment-with-ads-that-appear-in-its-ai-chatbot-in-search/

AIによる広告アセットの自動生成機能を利用すると、以下のように「skin care for dry sensitive skin(乾燥した敏感肌用のスキンケア)」というワードで入力したユーザーに対し、「Sooth Your Dry, Sensitive Skin(乾燥肌、敏感肌を癒やす)」といった適切な広告タイトルを自動生成してくれるとのこと。検索ワードにより合致した広告タイトルを表示することで、クリック率の向上が見込めます。


また、Google検索に導入されるチャットAIに広告表示を統合し、会話の中で広告を表示するシステムもスタートするとのことです。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
画像生成AIやChatGPTなどのジェネレーティブAIはゲーム開発のあり方を大きく変えつつある - GIGAZINE

GoogleがYouTubeクリエイターと広告主のために高性能AI「PaLM 2」を採用する人工知能計画を承認したことが報告される - GIGAZINE

Windows標準ブラウザ「Edge」に写真もイラストも作れる画像生成AIが搭載されたので使ってみた - GIGAZINE

Microsoftが自社製品によるすべてのAIアートに電子透かしを入れる姿勢を表明 - GIGAZINE

YouTubeが映像クリエイター向けにジェネレーティブAIツールを開発中 - GIGAZINE

AIが中国で既にイラストレーターの仕事を奪い始めている、現場の悲鳴と実際にどのようにAIが用いられているのかをまとめたレポートが公開 - GIGAZINE

MicrosoftがBingのチャットAIに広告を掲載予定と発表 - GIGAZINE

チャットAIを使った収益目的の低品質なニュースサイトが乱立していることが明らかに - GIGAZINE

in ネットサービス, Posted by log1h_ik

You can read the machine translated English article here.