サイエンス

砂漠で見つかったモノリスの彫刻が近隣の巨大遺跡と一致することが判明、世界最古の建築計画図だった可能性


ヨルダンとサウジアラビアで発見された一枚岩に刻まれた彫刻が、上空から見た砂漠の巨大遺跡の形状と正確に一致することが分かったと、考古学者の研究チームが発表しました。

The oldest plans to scale of humanmade mega-structures | PLOS ONE
https://doi.org/10.1371/journal.pone.0277927

Desert Monoliths Reveal Stone Age Architectural Blueprints - The New York Times
https://www.nytimes.com/2023/05/17/science/ancient-architecture-desert-kites.html

World’s oldest architectural plans date from the Stone Age | CNN
https://edition.cnn.com/2023/05/17/world/oldest-architectural-plans-stone-age-megastructures-scn/index.html

中東やアフリカの砂漠地帯では、数キロにわたって築かれた石の壁が見つかる事があります。上空から見るとたこ揚げに使うたこのように見えることから、「砂漠のカイト(Desert kite)」と呼ばれるこの構造物は、長年考古学者を悩ませてきました。


これまでの研究により、「砂漠のカイトは野生動物を狩るためのものだった」との見方が確立されていますが、現代の科学者でも正確な地図を作ることが難しい巨大構造物の全体像を、古代の狩人がどのようにして捉えていたのかは謎のままです。

フランス国立科学研究センターの考古学者であるレミー・クラサード氏は「カイトの全体像は、空からしか見ることができません。風景を想像する現代の技術がある場合でさえ、私たちのような考古学者や科学者が適切な地図を作るのは難しいのです」と話します。

以下は、サウジアラビア北部にあるカイトを地上から見た様子です。


過去10年間、クラサード氏たちのチームは、衛星画像を使用して中東や西・中央アジアにある砂漠のカイトを探す「Globalkites」と呼ばれるプロジェクトを通じて、大小さまざまな6000以上のカイトを特定してきました。

人工衛星による調査と並行して、現地調査も行ってきた研究チームは、2015年に奇妙な模様がある岩をヨルダンとサウジアラビアで発見し、すぐにその模様が近隣のカイトと同じ形状であることに気がつきました。


研究チームの一員であるフランス近東研究所のワエル・アブ・アジゼ氏は、「近くにあるカイトが思い浮かびました。それは突然、すぐ浮かんできたのです」と話しています。

以下は、ヨルダンで発見されたモノリス(左)と、その3Dモデル(右)です。モノリスは横倒しの状態で発見され、大きさは長さ80cm、幅32cm、厚さ18cmで重さは92kgでした。年代測定によると、このモノリスは今から約7000年前に作られたものだと推定されています。


モノリスの彫刻の模式図を見ると、囲いにつながる通路や、その通路が囲いに接続する直前で急に曲がっているのが分かります。研究チームによると、この形状はヨルダン北部にあるカイトに特有のもので、他ではほとんど見られないものだとのこと。


また、丸い印のようなものは囲いに追い込んだ動物を捕らえるための落とし穴であると考えられています。以下は、ヨルダンで見つかったカイトの落とし穴の写真です。


さらに、サウジアラビアでは巨大な砂岩の382cm×235cmの平面に掘られた彫刻も見つかりました。今から約8000年前に作られたものだとされるこの彫刻には、少し分かりづらいですが、2つのカイトが描かれています。


この彫刻も、サウジアラビアのカイトによく似ていました。


研究チームが数学的モデルを用いて、2つの岩の図面をさまざまな地域のカイトと比較したところ、それぞれが見つかったヨルダンとサウジアラビア地域のカイトが最もよく一致することが分かりました。また、近隣のカイトと形状と比較したところ、縮尺もぴったりだったとのこと。研究チームは論文に「彫刻は驚くほどリアルで正確であり、しかも縮尺が合っている」と記しています。

ただし、この図面がカイトを作る際の設計図として使われたのか、実際に狩りを行うための地図として使われたのかは、まだ分かっていません。アブ・アジゼは「ひょっとすると、この彫刻はカイトを記念した象徴的なもので、カイトを建設して使っていた古代人の文化的アイデンティティにとって重要なものだったのかもしれません」と話しました。

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in サイエンス, Posted by log1l_ks

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