レビュー

無料でフラクタル図形・パンデミック・二重振り子・アリのコロニー・細胞の増殖などのジェネレーティブアートによる全自動画像生成ができる「Visions of Chaos」レビュー


自動車の渋滞川の流れ方カリフラワーの形状アニメのエピソードの再生順など、日常生活のさまざまな現象は数学で説明することが可能で、コンピューターを使えば数学の世界を簡単に視覚化することができます。「Visions of Chaos」はカオス理論や幾何学など数学の世界数学モデルを目に見える形で生成してくれるWindows向けのアプリケーションで、無料で簡単に利用できます。

Softology - Visions of Chaos
https://softology.pro/voc.htm

上記サイトにアクセスし、サイト上部に表示されている「Click here to jump directly to the download section」の「here」をクリック。


「Click here to download Visions of Chaos.」をクリックすると、EXE形式のインストーラー「vocsetup.exe」をダウンロードします。ファイルサイズは450MBです。


ダウンロードしたvocsetup.exeを起動します。


インストーラーが立ち上がります。「Next」をクリック。


インストールフォルダを指定します。「Next」をクリック。


「Next」をクリックします。


「Install」をクリックすると、インストールが始まります。


インストールが終わったら「Finish」をクリック。Visions of Chaosが起動します。


起動したVisions of Chaosはこんな感じ。


上部メニューの「Mode」をクリックすると、生成するモデルを選択できます。今回は「Fractals」から「Mandelbrot/Julia Sets」を選択。


設定ウィンドウが開くので、「OK」をクリックします。


すると、以下のようにマンデルブロ集合をフラクタル図形として表現した図が生成されました。図の上でドラッグをすると、拡大アイコンが表示され、左上の「+」をクリックします。


すると、以下のように拡大されました。フラクタルとは無数の繰り返しによってどんなに拡大しても複雑な図形のことです。


マンデルブロ集合をどんどん拡大していく様子は以下のムービーで見ることができます。

「Visions of Chaos」でマンデルブロ集合をどんどん拡大してみた - YouTube


さらに拡大してみても、同じような形が繰り返して続いていきます。色は自動で決まっていますが、変更することも可能。色を変えるには、左上のカラーバーアイコンをクリックします。


カラーパレットが表示されるので、好きなパレットを選択。


すると、以下のように図の色が変化しました。


生成したモデルを画像として保存したい場合は、上部メニューの「Image」から「Save Image」を選択します。画像はBMP形式・JPG形式・PNG形式で保存可能です。


マンデルブロ集合は最も有名なフラクタル図形の1つですが、このフラクタル図形を利用して惑星を作り出す「planet」では、3Dでのフラクタル図形生成を見ることができます。実際に生成したplanetがどんな感じなのかは以下のムービーをで見られます。

数学モデルを生成するフリーソフト「Visions of Chaos」でフラクタル図形から惑星を生成する「planet」をシミュレートしてみた - YouTube


Visions of Chaosには生成できるモデルが他にもたくさん収録されています。例えば「Agent Base Modeling」から「2D」を選択し、「Ant Colony」を選択。


以下のムービーで生成されているAnt Colonyでは、画面左にある緑色のブロックを、アリ(白い点)が動いて自分の巣(青い点)に戻りながら軌跡(赤い線)を描いていく様子を見ることができます。

Visions of Chaosで「Ants Colony」モデルを生成してみた - YouTube


新型コロナウイルスの流行のように、コミュニティの中で感染が広がるパンデミックも数学モデルとして視覚化できます。「Agent Base Modeling」から「2D」を選択し、「Pandemic」をクリック。


実際にパンデミックのモデルがどんな感じなのかは以下のムービーで見ることができます。緑が未感染者、赤が感染者、青が回復者、白が死者になります。

「Visions of Chaos」で感染がみるみる広がるパンデミックモデルを生成できる - YouTube


今回のモデルでは、最終的に回復者と死者だけになりました。なお、感染後の回復率や死亡率を設定から変更できます。


「Recursion」から「Sierpinski Triangle」を選択。


すると、シェルピンスキーの三角形が描かれていきました。点描で自己相似的な無数の三角形が生成されます。


また、「Gravity」から「2D」を選び、「Light Gravity Simulation」を選択。


すると、大量の光線が重力源に吸い込まれて屈折する様子を見ることができます。


以下のムービーは、設定を変えながらLight Gravity Simulationを生成したところ。

大量の光線が重力源に引き込まれるシミュレーションをフリーソフト「Visions of Chaos」で生成してみた - YouTube


数学におけるカオスを説明する上でよく使われるモデルが「二重振り子」です。「Visions of Chaos」では二重振り子を実際にシミュレーションすることが可能。「Pendulums」から「Pendulums」を選択。


Visions of Chaosでは二重振り子・三重振り子・四重振り子をシミュレーションができます。以下のムービーでは実際に二重振り子・三重振り子・四重振り子の奇妙な振る舞いを見ることができます。

「Visions of Chaos」で二重振り子・三重振り子・四重振り子をシミュレーションしてみたところ - YouTube


複数種類の細胞が同じ培地で増殖した時にどのように勢力を広げるかのシミュレーションは、「Simulations」から「Cell Conquest」を選択すると生成できます。


4種類の細胞を増殖させるとどんな感じで陣地を奪い合うのかは、以下のムービーで確認できます。

「Visions of Chaos」で増殖する細胞による陣地の奪い合いをシミュレートする「Cell Conquest」を生成してみた - YouTube


「Visions of Chaos」には他にもさまざまなモデルが存在するので、気になる人はぜひ自分で生成してみてください。


なお、全自動画像生成ならなんでもできるので、もちろん機械学習による画像生成AIも実行可能で、以下にそのセットアップ方法が記載されています。

Softology - Visions of Chaos - Machine Learning Support
https://softology.pro/tutorials/tensorflow/tensorflow.htm

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in レビュー,   ソフトウェア,   サイエンス,   動画,   アート, Posted by log1i_yk

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