ハードウェア

Metaが2023年から4年間のAR・VRハードウェアに関するロードマップを発表、VRヘッドセットの新機種やARスマートグラス・スマートウォッチなどの計画を明かす


Metaが2023年以降4年間のロードマップをニュースメディア・The Vergeに対して公開し、MetaのARおよびVRに関する計画を紹介しました。プレゼンテーションの中でMetaは、3種類のVRヘッドセットやAR対応のスマートグラス、「ニューラルインターフェース」のスマートウォッチの発売計画を明らかにしています。

This is Meta’s AR/VR hardware roadmap for the next four years - The Verge
https://www.theverge.com/2023/2/28/23619730/meta-vr-oculus-ar-glasses-smartwatch-plans

Metaは2022年11月に全従業員の約13%に当たる1万1000人の解雇を行なっており、2023年にもさらなる人員削減を行う見込みです。そんなMetaは人員削減や会社全体のコスト削減の後、消費者向けハードウェアへの投資を継続することを計画しています。MetaはThe Vergeに対して今後発表予定のデバイスについて説明しました。

◆VRヘッドセット
MetaのVR担当責任者のマーク・ラブキン氏によると、2020年10月に発売したMeta Quest 2の後継機種となるMeta Quest 3は、コードネーム「Stinson」と呼ばれているとのこと。5万9400円から販売されているMeta Quest 2に対してMeta Quest 3は「少し高額になります」とラブキン氏は述べており、「私たちはMeta Quest 3の値上がりについて、ユーザーを納得させるだけのパワーや新機能があることを証明しなければなりません」と述べています。

Meta Quest 3の大きなセールスポイントは、記事作成時点のフラッグシップモデルである「Meta Quest Pro」と同様のMR(複合現実)体験が可能になる点だとされています。ラブキン氏によると、Meta Quest 3には新しいMR体験を含む、41個の新しいアプリとゲームが搭載されているとのこと。


2024年に発売される予定の「Ventura」と呼ばれる開発中のヘッドセットは、比較的安価な価格で発売される予定です。Venturaについてラブキン氏は「このヘッドセットの目標は非常に単純で、VRの消費者市場で最も魅力的な価格帯で、可能な限り最大の機能を詰め込むことです」と述べています。

ラブキン氏はMeta Quest 3の第2世代がすぐに発表されるかについて明言しませんでしたが、将来的に「La Jolla」と呼ばれるフラッグシップモデルを計画していることを明かしています。La Jollaについてラブキン氏は「私たちはQuest Proの良い点を取り入れつつ、実際の職場などで使えるさらなる高解像度のヘッドセットを作りたいと思っています」と述べています。


一方で、VRヘッドセット市場はソニーの「PlayStation VR2」などの製品の発売で競争が激化しています。そのためラブキン氏は「現在のMeta Questシリーズが新規ユーザーの関心を維持することに苦労しています」と明かし、「MetaはVRヘッドセット市場における成長や維持、復活においてより良くなる必要があります」と述べています。

◆AR対応のスマートグラス・スマートウォッチ
MetaのAR担当責任者のアレックス・ヒメル氏は2027年までの一連の計画を説明しました。ヒメル氏によると、Metaは最終的にスマートフォンと置き換わることを目指し、今後数年間でさまざまなAR対応のスマートグラスを発売する予定とのこと。最初の製品は、2023年秋に発売予定のメガネメーカーのRay-Banの親会社であるLuxotticaと共同開発したカメラ付きスマートグラスの第2世代です。


また2025年には、テキストメッセージの表示やQRコードのスキャン、リアルタイムでのテキストの翻訳などが可能なディスプレイを搭載した第3世代のスマートグラスを発売する予定です。このスマートグラスには、自身の手の動きと連動することでタイピングなどが可能となる「ニューラル・インターフェース・バンド」が付属する予定とされています。ヒメル氏は「最終的にスマートフォンと同じ速度でのタイピングができるようにすることが目標です」と述べています。

さらにヒメル氏は、Metaがスマートグラスと連動するスマートウォッチの開発を行なっていることを明かしています。ヒメル氏によると、Metaは2022年6月に開発終了が報じられた、ディスプレイやカメラの取外しが可能なスマートウォッチの計画を断念し、AR対応スマートグラスに付属する「ニューラル・インターフェース・バンド」にスマートウォッチ機能を搭載することを検討しているとのこと。

ヒメル氏はデモの中で、ビデオ通話中にAR対応スマートグラスに内蔵されたカメラが、着用者の正面からの視点をスマートグラスに表示するとともに、スマートウォッチに内蔵されたカメラからの自撮り映像も表示することを示しました。さらにMetaによる次世代スマートウォッチはMetaのSNSアプリと統合され、健康やフィットネスなどの機能を提供する予定だとされています。

Metaが2015年頃から開発を行なってきたコードネーム「Orion」と呼ばれる本格的なAR対応スマートグラスは、高品質なホログラムをまるで現実世界に投影しているかのように表示することができるとされています。


MetaはOrionを2024年に従業員向けにテスト販売を開始し、2027年にはアーリーアダプター向けの廉価版ARグラス「Innovation」やフラッグシップモデルの「Scale」、第2世代スマートウォッチ「Neural」を一般販売するとみられています。

これらの製品についてヒメル氏は「Metaがこれらの計画通り製品を発表できた場合、これまでスマートフォンなどのビジネスでは見たことのないような、途方もないビジネスになるでしょう」と述べています。

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in ハードウェア, Posted by log1r_ut

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