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たった1人のユーザーのせいで企業のStripeアカウントが停止され一瞬でコンテンツ販売プラットフォームが機能しなくなったという報告


2023年2月、オンラインのコンテンツ販売プラットフォームである「Flurly」が、「利用していた決済サービス・Stripeのアカウントが停止され、プラットフォーム全体が機能しなくなってしまった」と報告しました。今回のStripeアカウントの停止はFlurly全体に原因があるわけではなく、たった1人のユーザーによって引き起こされた可能性があるとのことです。

I'm sorry to share that Flurly has been shut down by @stripe.

You can read the what happened and what we're doing about it below:https://t.co/btqAxFm9nb pic.twitter.com/zV75UCzICu

— Flurly (@FlurlyApp)


Flurly has been shut down by Stripe
https://flurly.com/blog/flurly-stripe-shutdown

Flurlyはデジタルコンテンツを販売するためのプラットフォームであり、販売者はデジタルコンテンツをアップロードして、コンテンツを入手する顧客から代金を受け取ることができます。


Flurlyを運営するJR(@TheBuilderJR)氏によると、当初は顧客からの支払いがすべてFlurlyのStripeアカウントに入金され、その後Stripe ConnectPayPalPayoneerを介して販売者に送金していたとのこと。しかし、この方法ではFlurlyが法的責任を負うリスクが高いことから、2022年からはStripe Connectの直接請求モデルに移行し、顧客からの支払いを直接販売者のStripeアカウントに送金する方式に変えたそうです。

ところが、依然として古いシステムを利用しているFlurlyユーザーも大勢いたことから、JR氏はその後もFlurlyのStripeアカウントを使用する古いシステムを維持し続けました。そして2023年2月、StripeからFlurlyに対し、一部のアカウントで違法な取引が行われている可能性があるため、詳細情報を提供するよう求めるメールが届きました。

以下のスクリーンショットが、実際にStripeから送信されたメールで、Flurlyが一体何を販売しているのかを問いただすものでした。このメールでStripeは「何を販売しているのかが確認できるまで、Flurlyの銀行口座への支払いを一時停止しています」と伝えています。


その数日後、Stripeから突如としてFlurlyのStripeアカウントを停止し、42万5000ドル(約5700万円)もの罰金を科すというメールが届きました。実際にJR氏へ送られてきたメールは以下の通り。「カードブランドやStripeの金融パートナーは、自社のネットワークで処理できない商品やサービスに関する規制を設けており、これらの規制に違反した場合は多額の罰金が科せられます」「お客様のアカウントは、カードネットワークで違法な取引を行っていることがわかりました。Stripeは、カードブランドに反証を提供するよう努力しましたが、あなたのビジネスが規則に違反していることが判明したため、42万5000ドルの罰金の対象となります」「カードネットワークは後日罰金を科すため、お客様の口座残高は将来の引き落としをカバーするために保留されています」「あなたのStripeアカウントは本日から閉鎖され、私たちは今後、あなたに継続的なサービスを提供することはできません」と記されています。


JR氏は、「何が起こったのかよくわかりません。私の推測では、問題となったユーザーが運営するサイトが、StripeとFlurlyの利用規約に反する何かしらの違法行為のフロントとして機能していたのだろうと思います」と述べています。

FlurlyのStripeアカウントが停止されたため、Stripe Connectを利用している一部の販売者以外は、顧客から支払われた金額を受け取れなくなってしまいました。Flurlyの公式ページには、「Flurlyはもはや実行可能なデジタルマーケットプレイスではありません。代替プロバイダーを見つけることが最善の利益になります」と正直に記されています。

JR氏は、「Flurlyは完全にStripeをベースに構築されており、彼らの行動は事実上プラットフォーム全体を無効にしました。私はFlurlyのStripeアカウントの凍結を解除し、すべてのお金をあなたたちの手に戻すために戦います。このような事態になってしまったこと、そしてこのような結果を招いたことを大変申し訳なく思っています。皆さんは私とFlurlyにチャンスを与えてくれました。がっかりさせてしまい、申し訳ありません」と述べました。

なお、JR氏は2月13日のツイートで、Flurlyの事例がStripe内で取り上げられているようであり、近いうちに解決できるかもしれないと報告しています。しかし、2月15日の時点ではStripeからの良い返事はなく、問題が長期化するかもしれないと述べていました。

Alas no good news yet. This will likely be a longer slog than I expected.

This has been one of the most mentally challenging situations I've ever been in. I think for now I'm going to focus on what I can control, focus on the positive, and build!

— JR ???? (@TheBuilderJR)

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in ネットサービス, Posted by log1h_ik

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