乗り物

AIを搭載したF-16戦闘機が自律制御での飛行テストに成功したとDARPAが発表


2023年2月13日にアメリカ国防総省の国防高等研究計画局(DARPA)が、AIを搭載するなどの改造を施したF-16戦闘機が自律制御での飛行テストに成功したことを発表しました。

ACE Program’s AI Agents Transition from Simulation to Live Flight
https://www.darpa.mil/news-events/2023-02-13


AI Has Successfully Piloted a U.S. F-16 Fighter Jet, DARPA Says
https://www.vice.com/en/article/n7zakb/ai-has-successfully-piloted-a-us-f-16-fighter-jet-darpa-says

AI algorithms pilot fly F-16 fighter jet autonomously • The Register
https://www.theregister.com/2023/02/14/ai_air_force_f16/

AIを搭載したF-16の飛行試験は、DARPAが2019年に開始した戦闘機の空中戦進化(ACE)プロジェクトの一環として実施されました。AIアルゴリズムが戦闘機の飛行を担当して空中戦を支援することで、パイロットは戦略や武器の発射に集中することが可能。これにより、従来の空中戦が刷新されると考えられています。

2020年8月に行われたシミュレーターでの仮想の空中戦では、AIが経験豊富な実際のアメリカ空軍のF-16パイロットを打ち負かしたことが報告されています。

AIの戦闘機パイロットが人間のベテラン海軍パイロットに模擬戦闘で完勝、AIが人間より優れている点とは? - GIGAZINE


そこでDARPAは、開発中のAIアルゴリズムテストの一環として、AIをインストールするなどの改造を施した「VISTA(可変機内シミュレーターテスト航空機)」と呼ばれるF-16ベースの戦闘機の飛行試験を2022年12月に行いました。

テストで使用されたF-16には、飛行中のパイロットの生理学的反応を追跡するセンサーが内蔵されています。DARPAによると、AIの自律制御に伴うパイロットのセンサーからのデータを解析することで、パイロットがAIを信頼している場合と信頼しない場合の2つのシナリオを把握できるとのこと。


DARPAのACEプロジェクトマネージャーであるライアン・ヘフロン氏は「私たちは何度も離陸と着陸を含む出撃を行い、多数のポイントを飛行し、さまざまな仮想の標的を攻撃するテストを行いました」と述べています。また、「今回のテストで大きな問題は発生しませんでしたが、シミュレーションでの結果と比較するといくつかの違いが生じました。しかし、VISTAは他の航空機よりもはるかに速いスピードで失敗を学習し、改善することができました」と述べています。

テストの結果、DARPAは「この飛行テストによって、AIが実物大の戦闘機を制御できることを実証し、貴重なライブ飛行データを提供しました」と発表しています。

DARPAは2023年後半にもVISTAのテストを行う予定です。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
DARPA製のAI制御戦闘機が進化、2機連携で敵機を追い詰められるように - GIGAZINE

AIの戦闘機パイロットが人間のベテラン海軍パイロットに模擬戦闘で完勝、AIが人間より優れている点とは? - GIGAZINE

有人戦闘機と自律型無人戦闘機の空中決闘が2021年に行われる予定 - GIGAZINE

将来の戦闘機は「人間パイロットの親機+複数のドローン戦闘機」になるという可能性 - GIGAZINE

問題の多いステルス戦闘機「F-35」の負担軽減のための新機種をアメリカ空軍が検討中 - GIGAZINE

in 乗り物,   サイエンス, Posted by log1r_ut

You can read the machine translated English article here.