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iPhone 14 Pro Max(128GB)の部品表コストは平均6万1000円でiPhone 13 Pro Maxより3.7%増加、Appleの自社設計チップが22%以上を占める


Appleはデバイスごとの利益率や製造コストについて開示していませんが、サプライヤーとの緊密な協力によって部品ごとのコストは前もってほぼ確定しているため、BoM(部品表)を調べることでデバイスの部品にかかったコストを推測できます。市場調査会社のCounterpoint Researchが公開した部品表データによると、iPhone 14 Pro Max(128GB)の部品にかかったコストは平均で464ドル(約6万1300円)であり、iPhone 13 Pro Maxより3.7%増加したとのことです。

BoM Analysis - iPhone 14 Pro Max Costs 3.7% More to Make Than iPhone 13 Pro Max
https://www.counterpointresearch.com/bom-analysis-iphone-14-pro-max-costs-3-7-make-iphone-13-pro-max/

How much does the iPhone 14 cost Apple to make?
https://9to5mac.com/2023/02/13/how-much-iphone-14-cost-apple-to-make/

Counterpoint Researchは部品表分析から、iPhone 14 Pro Max(128GB)の部品表コストは30GHzを超えるミリ波対応モデルで最大474ドル(約6万2600円)、6GHz以下のSub6対応モデルで454ドル(約6万円)と推測しました。2022年末までに出荷されたiPhone 14 Pro Maxのうち44%がミリ波対応モデルだったと推定すると、平均の部品表コストは464ドルとなり、iPhone 13 Pro Maxから3.7%増加しています。

以下は部品表コストに占めるコンポーネントごとの割合を示したグラフで、おおよその比率はiPhone 14 Pro MaxとiPhone 13 Pro Maxで変わっていません。しかし、iPhone 14 Pro MaxではDisplay(ディスプレイ)、Processing(プロセッサ)、Camera(カメラ)が占める割合がiPhone 13 Pro Maxより増加しており、全体的な部品表コストを押し上げているとのこと。


iPhone 14 Pro Maxに搭載されたA16 Bionicチップのトランジスタ数は160億であり、前モデルのA15 Bionicチップから6.7%増加しています。これによってCPUやカメラのパフォーマンスが向上しましたが、より高度な4nmプロセスノードで製造されているため11ドル(約1400円)のコスト増となり、A16 Bionicチップを含むプロセッサ類が部品表コスト全体に占める割合は20%に達しました。

また、iPhone 14 Pro Maxではカメラの画質も48メガピクセル(4800万画素)にまで向上し、ソニー製イメージセンサーやフロントカメラにもアップグレードが行われた結果、iPhone 13 Pro Maxと比較してカメラ類の部品表コストは6.3ドル(約830円)増えたとのこと。一方、5Gセルラー技術が一般化したことによってセルラー類の部品価格は低下しており、iPhone 13 Pro Maxと比較して部品表コストに占める割合は低下しています。


さらにCounterpoint Researchは、iPhone 14 Pro MaxではA16 Bionicチップや電源IC(PMIC)、オーディオ、接続、タッチコントロールなどAppleの自社設計チップが部品表コストに占める割合が増加し、22%以上になったと述べました。

なお、部品表コストはあくまで部品のみを対象にしたものであり、組み立てや梱包(こんぽう)、流通、研究開発、マーケティングなどに費やされたコストは含まれていない点に留意する必要があります。

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in ハードウェア, Posted by log1h_ik

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