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海外向けに書かれた「日本でのキャンピングカー生活ガイド」を読むと海外から見た日本の良さが浮かび上がってくる


ヨーロッパ人と日本人の夫婦、そして1歳半の子どもと3人で小さなキャンピングカーに乗って9カ月間、距離にして1万kmの旅をしているというブロガーが、バンに乗って放浪生活を送る「バンライフ」を日本で実践するためのガイドを公開しています。

A guide for Van Life in Japan - KumaZen
https://kumazen.com/a-guide-for-van-life-in-japan/

・目次
◆1:日本でのバンライフの概要や車について
◆2:寝る場所について
◆3:トイレやゴミについて
◆4:水や電気について
◆5:入浴や洗濯について
◆6:食事について
◆7:治安や安全について
◆8:その他

◆1:日本でのバンライフの概要や車について
ブロガーのkuma氏によると、日本は世界で最もバンライフに適した国かもしれないとのこと。その理由としてkuma氏は「安全」「無料駐車場と清潔な公衆トイレ」「多様な自然」「美味しい食べ物と外食の安さ」といった点を挙げています。一方マイナス要因としては、「ゴミの処分が難しいこと」や「キャンプ場の利用料が高くて規則も厳しい」の2つが挙げられていました。

首都圏に数年生活して田舎暮らしを経験してみたくなったこと、そしてもともと旅行やキャンプが好きだったことからキャンピングカーでの生活を始めたというkuma氏は、日本でのバンライフを「毎朝自然の中で目を覚まし、日々新しい場所を発見することの素晴らしさは何物にも代えがたいものです」とつづっています。

kuma氏の一家がバンライフに使用しているのは、DreamDriveというメーカーがトヨタのハイエースをベースに制作した「KUMA Q」という車両です。さすがにトイレやシャワーはありませんが、フルサイズのベッドやキッチンを備えていて、収納スペースも多い点が気に入っているとのこと。また、小さな子どもと生活するので、内装に木を使っているのもポイントになったそうです。


移動は当然車を運転することになりますが、kuma氏は「日本でのドライビングは本当に快適です。ヨーロッパに比べると、人々はあまり攻撃的ではありませんし、道順はほぼどこでも英語で確認できますし、便利なGoogleマップもあります」と語りました。

そんなkuma氏ら一家が特に気に入っている県は宮崎県、大分県、山口県、島根県とのこと。残念ながら、日本の北部はまだ訪問したことがないそうです。


◆2:寝る場所について
kuma氏らが車を止めて寝る場所の70%は、公園や海水浴場、観光地によくある公衆トイレ付の無料駐車スペースです。また、キャンプ場や道の駅を利用することもあります。

キャンプ場を使うと費用がかさみますが、テーブルやイスを広げてリラックスしたり、バーベキューを楽しんだりできます。また、ゴミを処分したり、水を使い切ってから補充したりするのにも絶好の機会とのこと。

道の駅には土産屋やレストランがありますが、kuma氏は「一晩中エンジンをかけたまま寝るトラック運転手や若者、愛好家の集いなどで特に週末の夜は騒がしくなりがちなのが難点」としています。


◆3:トイレやゴミについて
日本には無料で使えて清潔な公衆トイレがたくさんありますが、自然の中で夜を過ごすときは野外で小用を済ませることもあるそうです。また、空の容器や大人用オムツがあると、寒い中バンを下りる必要がないので便利だと、kuma氏はアドバイスしています。

日本の公衆トイレはkuma氏のお気に入りのポイントの1つで、kuma氏は旅の中で見つけた面白い公衆トイレや便器をまとめた特集記事まで作っています。

一方、日本はゴミの分別ルールが厳しいこともあって、ゴミの処分にはしばしば悩まされます。そのため、ゴミが出たらこまめに捨てるのがいいとのこと。有料道路のサービスエリアには必ずゴミ箱があるので、ゴミを処分するために高速道路を利用することもあったそうです。

by G Witteveen

またkuma氏は、「コンビニにもゴミ箱はありますが、その店で買った商品のゴミを捨てること以外には使えないので注意しましょう」と念を押しました。

◆4:水や電気について
きれいな水を調達するのは容易で、飲み水はスーパーやドラッグストアでペットボトル入りの水を買って確保します。また、車には容量23Lのタンクがあるので、そこにも水をためて主に食器を洗うのに使っています。

水道はビーチや公園、公衆トイレの裏などにありますが、蛇口が取り外されている事が多いので、カギを買っておくと便利とのこと。ただし、トラブルにならないよう注意が必要だとしています。もし無料で水が手に入らない時は、キャンプ場を利用します。

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車には汚水タンクも装備されており、食器洗いなどで発生した、小さな食べかすや環境に配慮した食器用洗剤が混じった汚水は、雨水用の排水路から流しているとのことです。

また、kuma氏の車には100Ahのリチウムイオンバッテリー2つとソーラーパネルが搭載されており、これまでのところ電気で困ったことはないそうです。

◆5:入浴や洗濯について
車にはシャワーがないので、体に付いた汚れは温泉や銭湯で洗い流します。ただし、kuma氏らは毎日入浴してはいないとのこと。公衆浴場を見つけられない場合は漫画喫茶でシャワーを浴びることがありますが、男性客が静かに漫画を読んだりインターネットをしたりしていることが多いので、家族連れで入るには雰囲気が異様かもしれないとkuma氏は話しました。

衣類やベッドシーツの洗濯にはコインランドリーを使います。


◆6:食事について
kuma氏らは、朝食は食べずにコーヒーで済ませて、お昼はレストランで食べることが多いとのこと。また、夕食は食材を買ってバンの中で料理して食べます。日本は他国に比べて日没が早いそうで、kuma氏らは家族でくつろぎながら料理をしたり食事したりして長い夜を楽しんでいます。また、野菜を一度にたくさん切って肉や調味料と一緒にジップロックに入れ、冷蔵庫で保管しておくと調理時間の短縮になるとkuma氏はアドバイスしました。

◆7:治安や安全について
「ヨーロッパではセキュリティのためにノートパソコンやカメラをあえて車に載せていたのとは対照的に、日本では安全面で問題が起きたことはありません。普通の駐車場で寝る時はあまり目立たないようにして、人に迷惑をかけないことが大切だと思います」と、kuma氏は日本の治安に太鼓判を押しています。

その代わり、自然災害には注意が必要です。特に地震や大雨、台風の危険があるので、新しい場所に着いた時は避難場所を確認し、条件次第では車中泊を諦めることを検討しなければなりません。また熊、猿、蛇などの野生動物や虫にも気をつける必要があります。

by Tiffany Key

◆8:その他
kuma氏は、住所や車検証、車庫証明の登録は家族の住所で登録しているとのこと。また、保険は英語でのサポートもあることから東京海上日動のものに加入しているそうです。

kuma氏たちは最初、小さな子どもと旅行生活を送ることに不安があったとのこと。確かに大変なこともありましたが、立って歩き始めたばかりの子どもに砂浜を歩いたり、自然を探検したりした経験は素晴らしい贈り物になるはずだとkuma氏は話しています。


ただし、24時間子どもといるので、仕事と子育ての兼ね合いは大変です。kuma氏はソフトウェアエンジニアとしてリモートで働いており、仕事は家族がまだ寝ている早朝などにしているとのこと。そのため、時間配分や仕事量の調節、スケジューリングが自由にできない仕事をしているのであれば、家族一家でのバンライフは勧められないそうです。

また、バンライフで便利なグッズとして以下の8点を挙げています。
カセットコンロ
ポータブルBBQグリル
まき割り用のおの
CO2センサー
ドリップコーヒー
折りたたみテーブル
USBランタン
携行炊飯器

kuma氏は、日本でのバンライフの注意点をまとめて、「日本はバンライフに最適で、寝る場所を自由に決められて、安全の心配もありません。ただし、自由と引き換えに周囲には常に敬意を払わなくてはなりません。日本文化にはルールが多くあって、よそ者、つまり外国人や他の地域から来た日本人は、人に迷惑をかけないこと、去る時は来た時よりきれいにしておくこと、笑顔やお辞儀をすることなどが大切になります」と話しました。

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in 乗り物, Posted by log1l_ks

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