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「Amazonの労働者よりロボットの方が待遇がいい」とイギリスのAmazon倉庫で初のストライキが勃発


2023年1月25日、物価の上昇に見合わない賃金と厳しい労働環境の改善を求めて、イギリスにあるAmazon倉庫の労働者ら数百人が24時間のストライキを決行しました。Amazonがイギリスで法律に基づいた正式な労働争議行為に直面するのはこれが初めてで、ストの参加者は「ロボットのように扱われるどころかロボットのほうが好待遇」と訴えています。

Amazon workers stage first ever UK strike | GMB
https://www.gmb.org.uk/news/amazon-workers-stage-first-ever-uk-strike

‘Robots are treated better’: Amazon warehouse workers stage first-ever strike in the UK
https://www.cnbc.com/2023/01/25/amazon-workers-stage-first-ever-strike-in-the-uk-over-pay-working-conditions.html

Amazon warehouse workers walk out in first UK strike | CNN Business
https://edition.cnn.com/2023/01/25/business/amazon-warehouse-strike-uk/index.html

First UK industrial action against Amazon is ‘making an impact’, says GMB | Amazon | The Guardian
https://www.theguardian.com/technology/2023/jan/25/first-uk-industrial-action-against-amazon-is-making-an-impact-says-gmb

今回のストライキは、イギリス中部の都市・コヴェントリーにあるAmazonフルフィルメントセンター、通称「BHX4」で終日実施され、大規模なデモやピケッティングが行われました。伝えられるところによると、現地時間の1月25日午前0時1分から始まった争議活動には、1000人にいる倉庫労働者のうち300人が参加したとのこと。

by Bloomberg | Getty Images

参加者の1人であるダレン・ウェストウッド氏は、「私たちはみんな、Amazonがパンデミックの間にどれだけ稼いでるかを目にして、怒りを募らせてきました。ですから、もっとたくさん給料が増えることを期待していたのです。先日、ある人が『我々はロボット扱いされている』と言いましたが、ロボットの方が待遇がいいくらいです」と話しました。

イギリスの倉庫労働者らの不満に火を付けたのは、Amazonが2022年の賃上げを時給50ペンス(約73円)としたことです。これにより、コヴェントリーで働く従業員の時給は5%引き上げられて10.5ポンド(約1680円)になりましたが、これは23歳以上のイギリス人の最低賃金である10.42ポンド(約1670円)をわずかに上回る水準に過ぎず、また2022年12月の消費者物価上昇率である前年同月比10.5%にも届いていません。


こうした賃金水準を改善させるため、倉庫労働者たちはアメリカのAmazon従業員の給料に近い最低15ポンド(約2400円)の時給を求めてストライキを行っています。

一方Amazonの広報担当者はメディア向けの声明の中で「ストライキに参加したのは従業員のごく一部で、スト決行の投票に参加したのもイギリスの従業員の1%に過ぎません。私たちは、チームが素晴らしい仕事をしてくれることに感謝しており、場所にもよりますが時給最低10.5ポンドから11.45ポンド(約1830円)から始まる、競争力のある給与を提供できることを誇りに思っています。従業員には賃金以外にも、民間の医療保険、食事補助、従業員割引、包括的な福利厚生なども提供されています」と話しました。

Amazonによると、イギリスの倉庫労働者の賃金は2018年から29%上昇しており、近年の生活費高騰を受けて500ポンド(約8万円)の一時金も支払われているとのことです。

Amazonは2023年1月に、北米などで史上最多となる1万8000人の人員削減に踏み切りましたが、これとは別に、合計1200人が勤めているイギリスの拠点3カ所の閉鎖に向けた協議も開始しています。

Amazonが史上最多の1万8000人以上の解雇を開始、主に小売部門と人事部門に影響 - GIGAZINE


労働者を代表するGBMユニオンで現地のシニアオーガナイザーを務めているアマンダ・ギアリング氏はTwitterに「今日、歴史が作られました。より良い職場のためだけでなく、より良い未来のために戦っているAmazon労働者とピケッティングをしてこの24時間を過ごせたことを光栄に思います」と投稿して、無事にストが終わったことを報告しました。

Today history was made.✊????I am honoured to have spent the last 24 hours with Amazon workers on their picket, fighting not just for a better workplace, but for a better future. Tonight they can return to work, safe in the knowledge that tomorrow is a step closer to victory!❤️ pic.twitter.com/zrm8wFZHnx

— Amanda Gearing (@GearingAmanda)

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in ネットサービス, Posted by log1l_ks

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