ハードウェア

AMD Radeon RX 7900 XT/7900 XTXをLinux環境でベンチマークしたレポートが公開中


AMDのグラフィックスカード「Radeon RX 7900 XT」「Radeon RX 7900 XTX」が2022年12月12日に発売されました。この2種類のグラフィックスカードをLinux環境で動作させたパフォーマンスレビューを、PC関連ニュースサイトのPhoronixが公開しています。

AMD Radeon RX 7900 XTX + RX 7900 XT Linux Support & Performance Review - Phoronix
https://www.phoronix.com/review/rx7900xt-rx7900xtx-linux

テスト環境は以下の通り。Radeon RX 7900シリーズのLinux向けドライバーのシステム要件はLinux 6.0以降、Mesa 22.2以降です。

カーネル:Linux 6.0.9-060009-generic(x86_64)、Linux 6.1.0-rc8-phx(x86_64)、Linux 6.1.0-rc6-phx-drm-next-8dec(x86_64)
マザーボード:ASUS X670E HERO
CPU:AMD Ryzen 9 7950XRyzen 9 5950X
メモリ:16GB DDR5-6000 ×2枚、メーカー不明
SSD:WD_BLACK SN850 NVMe SSD

ベンチマークを実行した時、Ryzen 9 7950Xの時は予想されるパフォーマンスの約半分程度しか結果が出なかったそうですが、Ryzen 9 5950Xに変えたところ、予想通りのパフォーマンスが計測できたとのこと。Phoronixによれば、Zen 4のメモリオーバークロック向け機能「AMD EXPO」が影響しているようで、SoCの電力調整に問題がある可能性が高いそうです。


実際にゲームをプレイした際の毎秒描画フレーム数(fps)を計測した結果は以下の通り。上3つがRX 7900 XTで、下3つがRX 7900 XTX。オレンジがLinux 6.0、青がLinux 6.1、緑色がLinux 6.1(DRM_Next)です。数値が高いほどパフォーマンスが高いことを示しています。

グランド・セフト・オートV」、3840×2160ピクセル、画質:High


Shadow of the Tomb Raider」、3840×2160ピクセル、画質:High、アンチエイリアスオフ


Total War: Three Kingdoms」、3840×2160ピクセル、画質:High、バトルベンチマーク


HITMAN 3、3840×2160ピクセル、画質:ウルトラ。HITMAN 3ではLinux 6.1(DRM_Next)で描画エラー(後述)が起こったため、計測外となっています。


Quake II RTX 1.6、3840×2160ピクセル、グローバルイルミネーション:低、ノイズ除去:オン、レイトレーシングAPI:VK_KHR_ray_query


Quake II RTX 1.6、3840×2160ピクセル、グローバルイルミネーション:低、ノイズ除去:オフの設定で、RX 7900XTX・RX 7900XTを前世代モデルであるAMD RadeonのRX 6800 XTとRX 6800、そしてNVIDIA GeForceのRTX 3090・RTX 3080 Ti・RTX 3080と比較したものが以下。上はレイトレーシングAPIがVK_KHR_ray_tracing_pipeline、下がVK_KHR_ray_queryです。


そして、ベンチマークソフトで毎秒描画フレーム数を比較したものが以下。数値が高いほどパフォーマンスが高いことを示しています。

Unigine Heaven、3840×2160ピクセル、フルスクリーン、レンダラー:OpenGL


Gravity Mark、2560×1440ピクセル、レンダラー:OpenGL(上)、Vulkan(下)


Phoronixによると、Valve・Red Hat・Googleなどによって開発されたAMD Radeon Vulkan Driver(RADV)にはいくつかの欠点があったとのこと。例えば「グランド・セフト・オートV」では、以下の画面のようにノイズが発生することがあったそうです。


「HITMAN 3」では、Linux 6.1(DRM_Next)で以下のような描画エラーが生じたとのこと。Linux 6.0とLinux 6.1ではエラーが生じなかったそうです。


AMD RadeonのRX 7900 XT・RX 7900 XTX・RX 6800XT・RX 6800・Radeon VII、NVIDIA GeForceのRTX 3090・RTX 3080 Ti・RTX 3080で、レビューテスト中のGPU温度を測定したところが以下。RX 7900 XTは約45度~60度で、50%分布はだいたい50度前後で安定しています。RTX 7900 XTXはRTX 7900 XTと比べて最低温度・最高温度が高く、50%分布は60度を超えています。


Phoronixは「Radeon RX 7900シリーズは、間違いなく最も成功したオープンソースドライバーとともにデビューしました。まだいくつかのゲームで問題があり、RADVによるレイトレーシング最適化といった課題はありますが、以前のローンチよりもはるかに良く、RADVもAMDの外部で開発されたドライバーであることを考えるとむしろ良く機能していることがわかります」と述べ、Radeon RX 7900シリーズがLinux環境でも使えるグラフィックスカードであると高く評価。今後の最適化が進むことを考えるとおすすめできるGPUで間違いないと述べました。

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in ハードウェア,   ゲーム, Posted by log1i_yk

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