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Appleが開発するMRヘッドセットの詳細が報じられる、ダイヤルでVRと現実を切り替え可能&AirPodsとの連携など


Appleは独自のMRヘッドセットを開発中であると以前から報じられており、すでに「Reality One」や「Reality Pro」といった名称の商標出願を行ったことがわかっています。新たに海外メディアのThe Informationが、Appleが開発中のMRヘッドセットについてのレポートを公開し、「物理的なダイヤルでVRと現実世界の表示を切り替え可能」「AirPods Proと連携可能」「腰に装着する外部バッテリー」といった詳細が明らかとなりました。

Inside the Tech Powering Apple’s Envelope-Pushing, Risky Mixed Reality Headset — The Information
https://www.theinformation.com/articles/inside-the-tech-powering-apples-envelope-pushing-risky-mixed-reality-headset


Report Reveals Wave of New Features for Apple's Mixed-Reality Headset, Including Digital Crown for Switching to Real-World View, Waist-Mounted Battery Pack, and More - MacRumors
https://www.macrumors.com/2023/01/03/report-reveals-wave-of-features-for-apple-headset/

Apple’s mixed reality headset might let you switch out of VR with a digital crown - The Verge
https://www.theverge.com/2023/1/3/23537191/apple-mixed-reality-headset-digital-crown

Report: Apple’s mixed reality headset will get auto-adjusting lenses and more - SiliconANGLE
https://siliconangle.com/2023/01/03/report-apples-mixed-reality-headset-will-get-auto-adjusting-lenses-amid-features/

Appleは2015年から次世代ヘッドセットの開発に着手したと言われていますが、2019年にはAR/VRヘッドセットの開発がキャンセルされたというウワサも流れました。しかし、その後もAppleは「realityOS」と呼ばれる専用OSを搭載するMRヘッドセットの開発を続けており、2022年には「Reality」ブランドの商標出願やヘッドセット関連の採用および人事異動の活発化などが報じられ、2023年下半期にはヘッドセットの出荷が始まるとみられています。

そして2023年1月、The Informationが実際にヘッドセット開発に携わった匿名関係者へのインタビューに基づいた、AppleのMRヘッドセットについての詳細なレポートを公開しました。レポートによると、アルミニウム・ガラス・カーボンファイバーで構成されたヘッドセットはスキーゴーグルのような見た目であり、Metaが2022年10月にリリースしたハイエンドヘッドセットのMeta Quest Proよりもはるかに薄くて軽いとのこと。

AppleのヘッドセットはMeta Quest Proの水平106度を上回る水平120度の視野角を提供する上に、着用者の瞳孔間距離に応じて小型モーターで内部レンズを調整し、可能な限り最大の視野を実現すると報じられています。ディスプレイはソニー製マイクロ有機EDディスプレイであり、片目で4K解像度、両目で8K解像度を形成します。また、メガネを使っている人が快適にヘッドセットを使用できるよう、磁気で取り付け可能な度入りのカスタムレンズも提供予定だとレポートは報告しています。さらに、ヘッドセットの外側前面には大きなディスプレイが搭載され、着用者の表情を周囲の人が見られるようになっているそうです。

さらに、ヘッドセットにはユーザーのジェスチャーや体の動き、表情、視線などをキャプチャーするために12台以上のカメラとセンサーが搭載されています。これにより、アプリケーション上でアバターの動きとユーザーの動きを同期させられるほか、視線追跡によって焦点が合っている部分だけを最大解像度でレンダリングし、消費電力を抑えることも可能だとのこと。


今回のレポートで注目を集めたのが、「ヘッドセットの右側にある物理的なダイヤルでVRと現実世界の表示を切り替えられる」という機能です。すでにApple WatchやAirPods Maxには「Digital Crown(デジタルクラウン)」という物理的なダイヤルが搭載されていますが、ヘッドセットのダイヤルには触覚フィードバックがないとされています。

ヘッドセットには第2世代AirPods Proと同じH2チップが搭載され、ヘッドセットとAirPods Proがペアリングされると「超低遅延モード」が有効となり、ヘッドセットの視界と同期した音声が装着したAirPods Proから聞こえると報じられています。しかし、他のBluetoothイヤホンでは視界と音声に遅延が発生してしまい、有線のヘッドホンジャックも搭載されていないことから、互換性のあるAirPodsモデルを持っていない場合は、ヘッドセット内蔵のスピーカーを利用する必要があるそうです。

また、Appleは腰に装着するタイプの外部バッテリーパックを採用しており、ヘッドセットにはMagSafeテクノロジーのように磁力で接続できるとのこと。1つのバッテリーによる駆動時間は2時間以内とみられていますが、ユーザーは簡単にバッテリーを交換して使用時間を延ばすことができると報じられています。


なお、Appleはヘッドセットには専用ゲームコントローラーが付属することを予定していないそうで、The Informationは「Appleはビデオ会議がヘッドセットのキラーアプリになる可能性があると見ています」と述べています。それでも、Appleは開発者がUnityを使用してVRアプリを構築できるようにする計画を持っているとのこと。

すでにAppleのサプライヤーであるPegatronは、2022年の時点で数千台ものヘッドセットのプロトタイプユニットを組み立てており、エンジニアリング検証テストにも合格していると報じられています。The Informationに証言した4人の情報提供者によると、ヘッドセットの価格は構成に応じて3000ドル(約39万2000円)以上になるそうです。

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in ハードウェア, Posted by log1h_ik

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