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Twitterがイーロン・マスクの指示で自殺防止機能を削除するも批判が相次ぎ復活


SNS上の書き込みは時として人を深く傷つけるもの。心無い書き込みから自殺を考える若者も少なくないため、Twitterでは自殺関連の単語を検索しているユーザーに対して、自殺防止ホットラインの連絡先を通知するなどの「自殺防止機能」を実装していました。しかし、この機能がTwitterを買収したイーロン・マスク氏の命令で削除されたと、ロイターが報じています。

Exclusive: Twitter removes suicide prevention feature, says it's under revamp | Reuters
https://www.reuters.com/technology/elon-musk-orders-removal-twitter-suicide-prevention-feature-sources-say-2022-12-23/

Twitter restores suicide prevention feature after Reuters report | Reuters
https://www.reuters.com/technology/twitter-restores-suicide-prevention-feature-after-reuters-report-2022-12-24/

Twitterは特定の単語を検索した際に、検索画面の上部に「メンタルヘルス」「HIV」「ワクチン」「児童の性的搾取」「COVID-19」「ジェンダーに基づく暴力」「自然災害」「表現の自由」に関する支援組織の連絡先やURLを表示する「#ThereIsHelp」という機能を展開していました。


しかし、ロイターがTwitterの関係者2名から得た証言によると、同機能はマスク氏の命令により削除されてしまったそうです。Twitterではマスク氏が差別・ヘイト発言で凍結されていたTwitterアカウントを復活させたことで、ヘイトスピーチが増加しているという指摘もあります。一方で、マスク氏はヘイトスピーチは減少していると主張しています。

Twitterのヘイトスピーチがイーロン・マスクの買収後に急増していると研究者が報告、マスク氏は「全くの虚偽」と反論 - GIGAZINE


TwitterのTrust&Safety部門の責任者であるElla Irwin氏は、ロイターに対して「Twitterでは自殺防止機能のプロンプトの修正および刷新を進めているため、一時的に同機能が削除されることとなりました。来週には同機能が復活していることに期待してください」とコメントしています。

一方で、一部の有識者からは不安の声が上がっています。HIV関連のワードを検索した際に「#ThereIsHelp」により検索画面のトップに関連ページのURLが表示されるようになっていたAIDS Unitedと、表現の自由に関するワードを検索した際に「#ThereIsHelp」により検索画面のトップに連絡先が表示されるようになっていたiLawは、ロイターに対して「#ThereIsHelp」の削除について「驚きだ」と語っています。

Twitterの「#ThereIsHelp」が表示していたAIDS Unitedのウェブページは、2022年12月18日までは1日平均70PVほどを記録していたそうですが、それ以降は1日平均14PVまで低下しているそうです。

非営利団体のNetwork Contagion Research Instituteで主席情報アナリストを務めるAlex Goldenberg氏は、「#ThereIsHelp」が12月22日から表示されなくなったと指摘しています。また、Goldenberg氏は2022年8月にTwitterで自傷行為に関連するいくつかの用語の月間言及数が前年比で500%以上増加したという調査結果を発表しており、影響を危惧しています。さらに、Goldenberg氏は「#ThereIsHelpの削除が、この種の問題にTwitterが真剣に取り組まなくなったという方針転換を示しているとすれば、これは非常に危険なことです。そして、これは子どもの安全を優先するというマスク氏の公約に反するものです」と語りました。

ロイターの報道から15時間後、マスク氏は「違う、この機能はまだある」とツイートしており、その後「#ThereIsHelp」が復活したことも確認されています。

False, it is still there

— Elon Musk (@elonmusk)


ただし、ユーザーから「#ThereIsHelp」を削除したことを批判されたマスク氏は、「Twitterは自殺を防げない」ともツイートしており、同機能に半信半疑であることがうかがえます。

1. The message is actually still up. This is fake news.

2. Twitter doesn’t prevent suicide.

— Elon Musk (@elonmusk)

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in ネットサービス, Posted by logu_ii

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