ゲーム

発売初日に16万本売れた伝説的コロニー建設シム「Dwarf Fortress」の開発者兄弟を直撃したインタビューが公開中

by Annie Forsman-Adams

2022年12月6日にSteamItch.ioでリリースされた「Dwarf Fortress」は、2002年にフリーウェアとして最初に公開され、20年の歳月を経て有料版が発売されるやいなや1日で16万本、1週間を待たずに30万本が売れた人気シミュレーションゲームです。そんなDwarf Fortressをたった2人で開発した兄弟のトーン・アダムズ氏とザック・アダムズ氏に、パソコンゲーム専門ニュースメディアのPC Gamerがインタビューを行いました。

After spending 20 years simulating reality, the Dwarf Fortress devs have to get used to a new one: being millionaires | PC Gamer
https://www.pcgamer.com/after-spending-20-years-simulating-reality-the-dwarf-fortress-devs-have-to-get-used-to-a-new-one-being-millionaires/

Dwarf Fortressは、Bay 12 Gamesことトーン・アダムズ氏とザック・アダムズ氏によって開発されているシミュレーションゲームで、世界で最も売れたゲームである「Minecraft」や未知の惑星でコロニーを運営するシミュレーションゲーム「RimWorld」に影響を与えたことでも知られています。

以下は、Steam版Dwarf Fortressのトレーラームービーです。

Dwarf Fortress Steam Edition - Launch Trailer - YouTube


パブリッシャーであるKitfox GamesのTanya Short氏によると、PC向けにリリースされた本作はエコノミストから「2カ月で16万本程度売れるだろう」と予想されていたところ、たった24時間で売上予想を突破してしまったとのこと。

welp, we hit that in under 24 hours. hooray for Dwarf Fortress fans and hooray for Tarn and Zach's brilliance! (and thanks to you too, Steam algorithm!) https://t.co/Jek5T0v7Bq

— Tanya X. Short (@tanyaxshort)


その後もDwarf Fortressは飛ぶように売れており、PC Gamerのインタビューに応じたトーン氏は「発売から6日後にはほぼ30万本が売れました」と話しました。Dwarf Fortressの価格は29.99ドル(日本での価格は3400円)なので、単純計算で900万ドル(12億2000万円)の売上があったことになり、そこからSteamの手数料として30%をカットすると、残りは600万ドル(約8億1000万円)になります。


パブリッシャーとの分配率や有料版のアートワークを手がけたアーティストへの支払額は不明なほか、国によって価格設定は異なるので正確に計算することは困難ですが、それでも数百万ドル(数億円)が手元に残っているはずだとPC Gamerは試算しました。

左が兄のザック・アダムズ氏で、右が弟のトーン・アダムズ氏です。

by Colin and Sarah Northway

Dwarf Fortressからの収益についてトーン氏は「大金には違いありませんが、なにせ20年分ですから、20で割ると技術者の給料としては普通の範囲に収まります。それでも結構高めですが」とコメントしました。また、ザック氏は冗談半分に「私たちは、20年間なにも売らず全部なげうってしまうという、お金の節約にはうってつけな方法を見つけました」と話しています。

そもそも、長らくファンからの寄付で開発が続けられてきたDwarf Fortressの有料版がリリースされた直接の理由は、兄弟の医療費に充てるためだったとのこと。

しかし、エコノミストの予想をはるかに上回る好調な売り上げを示したことから、「私の人生設計をやり直さないといけませんね。今はまだ何も考えていませんし、計画もありません。ドワーフのことばかり考えていましたから」とトーン氏。一方のザック氏は、「私の妻には計画があります。今はとても小さな家に住んでいるので、新しい家を買うのが大目標なんです」と語りました。

アダムズ氏らは、少なくとも5年以内にDwarf Fortress 2などをリリースする予定もないとのこと。トーン氏は「私たちは、残りの人生のために、今あるものに責任を負わなければなりません」と述べて、今後もDwarf Fortressの開発を精力的に進めていく考えを示しました。具体的には、複雑な魔法と神話体系の実装や軍隊と攻城戦の改良、ドワーフ文明の概念全体の再構築、経済システムのオーバーホールなどの構想があるそうです。

Dwarf FortressはSteamで税込3400円、Itch.ioで29.99ドル(約4000円)で購入可能ですが、記事作成時点では日本語版はありません。

また、公式サイトではフリーウェア版も配布されていて、こちらも開発が続けられる予定とのことでした。

Bay 12 Games: Dwarf Fortress
http://www.bay12games.com/dwarves/

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
インディーズゲーム専門のクラウドファンディングサイト「Fig」ではどんなゲームが生まれているのか? - GIGAZINE

インディーズゲームの開発者が初めてゲームをリリースした1年間を振り返る - GIGAZINE

「インディーズゲーム市場では内容よりもマーケティングの方が重要になりつつある」という開発者の指摘 - GIGAZINE

インディーズゲーム開発者がパッチノートにアンチマスクな見解を追加してしまい大炎上 - GIGAZINE

ゲーム会社から独立してインディーズゲームに参入したある開発者の教訓 - GIGAZINE

まだ見ぬゲームに出会える&プレイできる東京ゲームショウ2019の「インディーゲームコーナー」はこんな感じ - GIGAZINE

22年で22本ものゲームを輩出したインディーズゲーム開発者が語る成功への道 - GIGAZINE

in 動画,   ゲーム, Posted by log1l_ks

You can read the machine translated English article here.