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アメリカ軍がFacebookで偽アカウントによる「親米キャンペーン」を展開していたとMetaが告発


Metaが四半期ごとに発表している「敵対的脅威レポート」により、アメリカ軍がFacebookやInstagramで正体を隠して親米的なメッセージを発信していたことが判明しました。

Meta's Adversarial Threat Report, Third Quarter 2022 | Meta
https://about.fb.com/news/2022/11/metas-adversarial-threat-report-q3-2022/

Metaは2022年11月22日に公開したレポートの中で、「アメリカでFacebookのアカウント39件、ページ16件、グループ2件、Instagramのアカウント26件を組織的な不正行為に関するポリシー違反で削除しました」と発表しました。

Metaによると、これらのアカウントはアメリカ軍関係者とつながっており、アフガニスタン・イラン・イラク・シリア・カザフスタンなどをターゲットに活動していたとのことです。また、Metaが運営するFacebookやInstagramに限らず、TwitterやYouTubeも舞台になっていました。


Metaは、「この活動の裏で糸を引いていた人々は、身元や組織ぐるみの動きであることを隠そうとしていましたが、アメリカ軍に関連する個人とのつながりが見つかりました」と述べて、アメリカ軍関係者がひそかにSNS上で活動していたことを指摘しました。

この摘発は、スタンフォード大学インターネット観測所(IO)およびソーシャルネットワーク分析企業・Graphikaとの共同調査により実施されました。IOとGraphikaは2022年8月24日にも、中東や中央アジア諸国を対象とした5年にわたる情報工作があったことを突き止めたと発表しています。

伝えられるところによると、これらのキャンペーンでは一貫してアメリカやその同盟国の利益を追求しつつ、ロシアや中国、イランなど反米的な国に対抗するシナリオが展開されていたとのこと。特にロシアについては、2022年2月のウクライナ侵攻以降、ロシア政府の「帝国的野心」のためにロシア兵が無実の市民を殺害していることが厳しく批判されていたほか、反過激主義のメッセージも発信されていました。今回のMetaのレポートにより、こうしたキャンペーンにアメリカ軍の関係者が関与していたことが裏付けられた形になります。


アメリカがFacebookやInstagramで中国やロシアに対抗するメッセージを送っていた一方で、両国もSNSで情報操作を行っています。中国が行っているキャンペーンは世界に向けて「中国は善、アメリカは悪」というメッセージを発信するもので、特に最近はアメリカの中間選挙やウクライナを巡るチェコの外交政策などに焦点を絞っていたほか、銃規制や人工妊娠中絶など、アメリカ国内の政治的な議論にも言及されていたとのこと。

しかし、言葉遣いがたどたどしく、投稿時間も中国の午前9時から午後5時の勤務時間帯、つまりアメリカの深夜だったと指摘されています。

They made mistakes. Their language wasn’t great. They worked a 9-5 schedule, Chinese working hrs. So their “US” posts landed in the middle of the US night.

— Ben Nimmo (@benimmo)


また、ロシアはイギリスのニュースメディアであるThe GuardianやドイツのSpiegelなど、ヨーロッパのメディアになりすまして情報を発信していました。こうした中国やロシアの工作の内容については、以下の記事で詳しく取り上げられています。

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in ネットサービス, Posted by log1l_ks

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