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Appleの「探す」機能で盗まれたMacBookの位置を警察に知らせても捜索してくれないという報告


Appleは同じApple IDでサインインしているデバイスの位置情報を検索できる「探す(Find My)」という機能を提供しており、たとえデバイスが紛失したり盗難されたりした場合でも、どこにデバイスがあるのかを調べることができます。しかし、カナダ・オンタリオ州のサドバリーに住む男性が、なくなったMacBookを「探す」で調べたところ隣人の家にあることが判明したものの、警察に知らせても捜索に踏み切ってくれなかったと報告しました。

Sudbury, Ont., man says he knows where his stolen laptop is, but police won't retrieve it | CBC News
https://www.cbc.ca/news/canada/sudbury/sudbury-bill-mcelree-stolen-laptop-1.6647876

サドバリーに住むウェディングプランナーのBill McElreeさんはある日、自身の持っていたMacBook Proがなくなっていることに気づきました。McElreeさんが「探す」機能を使って消えたMacBook Proの現在地を探したところ、意外なことにMacBook Proは隣の家にあることが判明したとのこと。


隣人に盗まれたのだと思ったMcElreeさんはすぐに警察へ連絡し、伝えられた通りにオンラインで報告書を提出しました。警察が来るまでの間、McElreeさんは隣家をノックしてMacBook Proを返すように求めましたが、隣人はMacBook Proを持っていることを否定し、逆に警察へ通報したと脅してきたそうです。

警察がやって来ると、McElreeさんは「探す」機能を使って隣家にMacBook Proがあることを伝えましたが、警察の反応は微妙なものだったとのこと。McElreeさんは、「スクリーンショットを見せましたが……彼らはそれが何か理解していないようでした」と述べています。以下が、McElreeさんが共有した「探す」機能のスクリーンショットです。


警察はパトカーに戻って上司と話した後、McElreeさんに「探す」がどのように機能するアプリなのかを調べているものの、上司から「隣人の家の捜索令状を取得できない可能性が高い」と伝えられたと語ったそうです。McElreeさんは、「これが『探す』の目的でしょう。文字通り、今回起こったような出来事のために設計されたものです」と述べ、混乱といらだちを感じていると主張しています。

McElreeさんは、警察に「探す」機能で隣家にMacBook Proがあることを示しても令状を取らなかったことに対し、「これはただ奇妙で、シュールです。私が警察に手渡さなかったのは、彼がドアを開けた時にMacBookを持っている写真だけでした(もちろん、彼はそんなことをしませんでしたが)。しかし、『探す』機能はそれに続くレベルの証拠だったでしょう。私が他に何を渡すことができたのかわかりません」と述べました。

今回の件を報じたカナダのCBCニュースは、McElreeさんの隣人にもインタビューを行いました。匿名を希望している隣人は、McElreeさんのMacBook Proを盗んだという事実はないと反論し、「探す」アプリが誤作動していると信じていると主張しています。隣人は、「探す」アプリが誤作動を起こしたというコメントをオンラインで読んだことがあるとのこと。

なお、サドバリー警察はCBCニュースの取材を拒否しましたが、McElreeさんの主張を受理し、検討中であると回答しています。


捜査令状やデジタルの証拠について詳しいジェラルド・チャン弁護士は、事件についての背景がわからないと述べつつも、「警察がこのような状況で捜索令状を取得できないと考えている理由について、少々混乱しています」とコメントしています。

チャン氏は、警察が令状を取得するには犯罪が行われ、証拠がそこにあると信じるに足る「合理的な根拠」が必要であるものの、これは合理的な疑いを超えた「犯罪の証明」を意味するものではないと指摘。根拠として提示されたアプリや証言が信頼に足らない場合は、令状が取得できない可能性があるものの、今回の場合はAppleという大企業が作ったデバイスおよびアプリが根拠とされています。チャン氏は、「『探す』はしっかりと確立されたデバイス上の、かなり堅固なアプリです。これは私たち全員が日常生活の中で使用しているものであり、一体何が信頼性の懸念となったのかはわかりません」と述べました。

McElreeさんによると、最初に隣家を訪れてから数日後にMacBook Proの電源が再びオンになり、まだ隣家の敷地内にMacBook Proがあることが確認できたとのこと。しかし、隣人との対立はエスカレートしており、取り返せる望みは非常に薄いと感じています。

McElreeさんは仕事にもMacBook Proを使うため、約3000ドル(約42万円)の買い換え費用は大きな痛手になると主張。「もちろん隣人とは非常に気まずいですし、友達になることはないでしょう」「私たちはますます共同体の感覚を失いつつあるようです。かつてサドバリーの人々はサドバリーの人々のことを気にかけており、私たちは隣人のことを世話したものですが」と述べました。

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in ソフトウェア,   ハードウェア, Posted by log1h_ik

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