Appleのハイエンドヘッドホン「AirPods Max」のアクティブノイズキャンセリングがファームウェアアップデートで弱体化しているとの指摘

AppleはAirPodsのハイエンドモデルとして「AirPods Max」をリリースしています。AirPods Maxは「業界をリードするアクティブノイズキャンセリング」を有しているとアピールされているのですが、このアクティブノイズキャンセリングの効果がファームウェアアップデートで低下していると指摘されています。

Apple AirPods Max Wireless Review - RTINGS.com
https://www.rtings.com/headphones/reviews/apple/airpods-max-wireless

AirPods Max active noise cancellation pared down by newest firmware | AppleInsider
https://appleinsider.com/articles/22/10/22/airpods-max-active-noise-cancellation-pared-down-by-newest-firmware

2022年5月、AppleはAirPods向けの最新ファームウェアとして「4E71」をリリースしました。このファームウェアアップデートに新機能は追加されていなかったものの、これを適用したユーザーの一部から「AirPods Proのアクティブノイズキャンセリングがわずかに悪化した」といった声が挙がっていたと、AppleInsiderは指摘しています。

2022年10月20日、PC関連デバイスのレビューを行うRTINGS.comが、AirPods Maxのファームウェアを4E71にアップデートしてからアクティブノイズキャンセリング機能の性能をテストした結果を公開しました。RTINGS.comは、4E71にファームウェアをアップデートする前のAirPods Maxのノイズアイソレーション(外部音をどのくらい遮断できるか)テストを実施しており、音の周波数(横軸)ごとにどの範囲でどの程度外部音を低減(縦軸)することができるかを数値化しています。テストの結果は以下の通りで、特に高音域でのノイズ低減性能が高いことがわかります。

一方で、ファームウェアを4E71にアップデートしたあとのノイズアイソレーションテストの結果が以下。ファームウェアアップデート前と比べると中低音域から高低音域にかけてのノイズ低減レベルがわずかに下がっていることがわかります。RTINGS.comによると、この「中低音域から高低音域にかけてのノイズ」には、バスや飛行機のエンジンの低いうなりなどの音が該当するそうです。ファームウェアアップデートについて、RTINGS.comは「ノイズアイソレーションレベルがわずかに低減したものの、それは比較的小さな違いであり、AirPods Maxのノイズキャンセリング機能は依然として周囲のチャタリングやACユニットの甲高い回転音などを非常にうまく低減可能です」と記しています。

これに対して、チャンネル登録者数100万人超のYouTubeチャンネル・Snazzy Labsを運営するQuinn Nelsonさんは、「RTINGS.comが、Appleがファームウェアの4E71でAirPods Maxのノイズキャンセリング性能を低下させたことを確認しています。これは、iPhoneのCPUスロットリングのような話です。正当な理由があるのかもしれませんが、もしそうなら何か言ってください！それ以外の場合は、集団訴訟が必要となります」とツイートし、Appleにファームウェアアップデートについて説明を求めています。

なお、AppleInsiderはファームウェアを4E71にアップデートするとノイズキャンセリング性能がわずか低減する件について、Appleにコメントを求めていますが記事作成時点では返答を得られていません。