レビュー

「音」の仕組みをマウスでグリグリ動かしながら直感的に理解できるウェブサイト「Sound」


雨や風などの環境音や音楽、サイレンの音など、「音」は日常生活にありふれていますが、音がどんな仕組みで鳴っているのかはイメージしにくいものです。そんな「音」の仕組みを、マウスで波形を動かしたり音を鳴らしながら学べるウェブページ「Sound」がGPSの仕組みカメラの仕組みの解説ページを作成してきたBartosz Ciechanowski氏によって公開されています。

Sound – Bartosz Ciechanowski
https://ciechanow.ski/sound/

音が空気中や水中を波として伝わるということは多くの人が知っているはず。Soundでは、まず空気中の粒子の移動について解説しています。空気は膨大な数の粒子で構成されており、それぞれの粒子は自由に動いていますが、粒子同士が衝突するため「ごく短時間のうちに粒子が遠くへ移動する」ということは起こりにくくなっています。Soundでは「青色の粒子を立方体の中でランダムに動かし、粒子同士が衝突した際に赤く変色する」というデモを示すことで、粒子同士が高い頻度で衝突していることを示しています。


また、1粒の粒子の動きだけを抜き出したデモも閲覧可能。デモを再生すると、粒子が衝突を繰り返した近い場所にとどまる様子を確認できます。


上記のように空気中の粒子は、短時間は近い場所にとどまります。このため、ひとまとまりの空気を以下の画像の円盤のような形状として捉えることが可能。Sound内のデモでは、スライダーを動かすことで円盤の動きが他の円盤に徐々に伝わる様子を確認できます。


上記の動きを横から見るデモが以下。スライダーを左右に動かして左端の円盤を動かすと、空気中に正圧(赤)と負圧(青)が生じます。この圧力が耳に到達すると、音として知覚できるわけです。


以下の図の下側に表示されたキーボードをクリックするか、「W」「E」「R」の各キーを押すことで、図の上側の円盤を動かすことができます。実際に円盤を動かすと、キーを押し下げて円盤が横方向に移動した際と、キーを元に戻して円盤が元の位置に戻った際に音がなることが分かります。また、各キーでは円盤の移動距離が異なるのですが、移動距離が長い程大きな音が鳴ることも分かります。


理論的には上記のデモのキーを超高速で連打すれば高い音を鳴らすことができるのですが、人間の連打速度には限界があります。そこで、以下のデモでは青色のスライダーを左右に動かすことで「1秒間に何回円盤を動かすか」を決めることが可能。また、オレンジ色のスライダーでは音量を調整できます。この時、「円盤を1秒間に動かす回数」は周波数と呼ばれており、「ヘルツ(Hz)」という単位で表されます。スライダーを動かすと、低い周波数では「トトトトトト」といった音に聞こえますが、30Hzくらいから「ブーン」という音に聞こえ始め、周波数を高くするごとに音が高くなることが分かります。


他にも、Soundには音の仕組みに関するデモが多数用意されています。例えば、波と波が重なる際には「干渉」や「増幅」といった現象が起きるのですが、反対方向の波同士がピッタリ重なった場合、波が打ち消され合ってしまいます。以下のデモでは「W」キーと「R」キーを同時に押した際に音波同士が打ち消し合って無音になる現象を確認できます。


救急車が近づいてくる際にサイレンの音が変化したり、信号機の音が変化したりする現象に気付いている人は多いはず。この現象は「ドップラー効果」と呼ばれており、音源が移動する際に波長が変化することが原因なのですが、Soundには実際に音を鳴らしながらドップラー効果の仕組みを理解できるデモも含まれています。


上記のデモはSoundに含まれるデモの一部で、Soundにアクセスすると大量のデモに触りながら音の仕組みを理解できます。気になった人はアクセスしてみてください。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
地球の自転と公転がマウスで操作するだけで直感的に理解できるウェブサイト「Earth and Sun」 - GIGAZINE

カメラに被写体がどのように映るかを3Dモデルで解説したサイトはこんな感じ - GIGAZINE

GPSが位置情報を測定する仕組みを分かりやすく解説するとこんな感じ - GIGAZINE

火星の音速は地球よりも遅いことが確認される、音の高さによって速さが異なることも判明 - GIGAZINE

in レビュー,   ウェブアプリ,   サイエンス, Posted by log1o_hf

You can read the machine translated English article here.