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人間はなぜ決断するのに苦労するのか?どうすれば納得のいく決断ができるのか?


人々は理想の未来を手に入れるために、「新しい土地で仕事を見つける」「パートナーと結婚する」「サイドビジネスを始める」といったさまざまな決断をする必要に迫られますが、(PDFファイル)多くの研究は「人間が優柔不断であり選択肢や確率を見誤りやすい」ことを示しています。一体なぜ人間は決断するのが苦手なのか、どうすれば決断できるのかについて、科学系メディアのInverseがまとめています。

Scientists know why we are so indecisive — and how to get over it
https://www.inverse.com/mind-body/decision-making

そもそも人間は何かを決断する際、選択肢の幅を狭く制限してしまい、最も重要な目標を見失い、確率を見誤ってしまいやすいとのこと。コロンビア大学の心理学者で意思決定を研究しているキャサリン・フォックス=グラスマン氏は、「一般的に、人間は確率情報を知覚して使用するのがかなり下手です」「脳は実に多くのことに適していますが、不確実性を理解することには適していません。人々は確率を誤解し、ゆがめ、無視し、誤用していることがよく知られています」と述べています。


1日のうちに人間が下す決断は数千回以上にもおよびますが、最も重大な選択の多くは社会的相互作用の文脈で行われます。これには「恋人と別れるかどうか」「上司に対し自分の考えを打ち明けるかどうか」といったものが含まれます。

社会的意思決定が成功するかどうかは、一般的に他者の意図や感情、信念をどれほどよく理解できているかに左右されるとのこと。この場面では、学習やフィードバックに加えて関係する人の精神状態を考慮するプロセスが働き、特定のニューラルネットワークが関与していることもわかっていますが、直感寄りの決定を下すのか、それとも理性寄りの決定を下すのかは個人差があるそうです。

フォックス=グラスマン氏は、すべての意思決定者は異なるため普遍的なアドバイスは難しいとしながらも、「意思決定者が自分の目標をリストアップし、それぞれの目標が何であるかを検討することは有益かもしれません」と述べています。

たとえば、目標がお金などの実用的なものであれば、決断について客観的な視点から賛成または反対の理由をリストアップすることが役立つとのこと。一方、他人から認められたいといった社会的な目標に関わる意思決定は、コストなどの現実的障害よりも当初の目的に合致するかどうかを優先して考えた方が、適切な決断を下しやすいとフォックス=グラスマン氏は主張しています。


しかし、実際には1つの決断において複数の目標が含まれていることが多く、「合理的に考えた決断」と「感情に従った決断」が矛盾することもあります。フォックス=グラスマン氏は、「意思決定のさまざまなモードが異なる答えにたどり着く時、それは不愉快であり、決断が嫌になったりためらったりするかもしれません。しかし、この矛盾がどこから来たのかを突き止めることができれば、どちらのモードに従うか、あるいは相反する2つの目標のどちらがより重要かを判断できるかもしれません。これはトレードオフになるでしょうが、少なくとも決断に透明性があります」とコメントしました。

Inverseは、結局のところどんな決断でも最終的には最高の決断になる可能性を秘めていると指摘。また、「人々は行動した後悔よりも行動しなかった後悔を長く引きずりやすい」という研究結果があるほか、一度決断を下すことで将来同じ場面に出会った時も決断しやすくなるとして、優柔不断で何も決断できないよりは決断した方がいいと主張しました。

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in メモ, Posted by log1h_ik

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