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AIが生成した写真と他人のプロフィールのコピーを組み合わせたLinkedInの偽アカウントが人事部門を悩ませている


ビジネスSNS・LinkedInで、AIが生成した写真と他のアカウントからコピーした内容を組み合わせた偽のプロフィールが急増しており、LinkedInで採用を行っている企業が大きな打撃を受けていると報告されています。

Glut of Fake LinkedIn Profiles Pits HR Against the Bots – Krebs on Security
https://krebsonsecurity.com/2022/10/glut-of-fake-linkedin-profiles-pits-hr-against-the-bots/

Fake LinkedIn Profiles Threaten the Professional Social Media Platform - Bloomberg
https://www.bloomberg.com/opinion/articles/2022-10-04/fake-linkedin-profiles-threaten-the-professional-social-media-platform

セキュリティ企業のKrebsOnSecurityは、さまざまな企業の最高情報セキュリティ責任者(CISO)を名乗る人物の身元調査を行いました。その中で、AIが作った写真に他人のプロフィールを掲載して、あたかも自分が会社の役員であるかのように偽るアカウントが大量に見つかったとのこと。

こうした偽アカウントに使われている写真は、一見すると普通に実在する人物のようですが、アルゴリズムにより人物の画像をワンタッチで簡単に生成できる「This person does not exist」によって作られた「この世に存在しない人物の顔」でした。また、プロフィールに書かれている文章や経歴はすべて他のアカウントにある内容をコピーしたものだったそうです。こうした偽アカウントが増えることで、LinkedIn上で人材を探す企業の人事部門が混乱しているとのこと。


Sustainability ProfessinalsというグループをLinkedInで運営するハミッシュ・テイラー氏は、2022年内だけで1万2700件以上の偽物と疑われるアカウントをブロックしたとのこと。テイラー氏は「毎週500件以上の偽アカウントから、グループへの参加リクエストが寄せられています」とコメントしています。毎週のように偽アカウントから参加申請が寄せられることに閉口したテイラー氏は、こうした偽物のアカウントの参加申請を拒否する声明を出しました。


また、LinkedInで「DevOps」というグループのオーナーを務めるマーク・ミラー氏は、偽アカウントと思われるものからグループへの参加申請があった場合、関連するページも含めてすべてのスクリーンショットを撮影し、LinkedInの運営に報告しているそうです。ミラー氏によると、何カ月にもわたってLinkedInに報告を続けていたところ、ある日突然パタリと偽アカウントからの参加申請がなくなったそうです。

FBIはこうした偽アカウントがさまざまなグループに加わろうとする動機の1つとして、侵入したコミュニティ内で仮想通貨投資スキームへの勧誘を行うことをあげています。また、有償で複数の偽アカウントにフォローさせることで、「人望の厚い有能な人材」というウソを演出するというビジネスに利用されている可能性も指摘されています。


LinkedInのトラスト・プライバシー・エクイティ担当シニアディレクターであるオスカー・ロドリゲス氏は、「私たちはLinkedInのユーザーを安全に保つために日々取り組んでいます。偽のアカウント対策には、専門家チームと組み合わせた自動化システムが含まれており、偽アカウントがコミュニティに現れる前に阻止しています。また、迅速に対応できるようにするため、疑わしいプロフィールとコンテンツは私たちに報告してください」とコメントしています。

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in ソフトウェア,   ネットサービス, Posted by log1i_yk

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