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古代の人々はどうやって日焼け止めのない時代に太陽光を耐え抜いていたのか


外出するにあたって、日焼けを防ごうと思うと帽子やサングラス、日焼け止めが必要ですが、こういったものがなかった古代の人々はどうやって太陽光に耐えていたのか、人類学者がその事情を語っています。

Human skin stood up better to the sun before there were sunscreens and parasols – an anthropologist explains why
https://theconversation.com/human-skin-stood-up-better-to-the-sun-before-there-were-sunscreens-and-parasols-an-anthropologist-explains-why-187559


ペンシルベニア州立大学の人類学者ニーナ・G・ヤブロンスキー教授によると、ホモ・サピエンスはその歴史の多くを屋外で、ほぼ裸で過ごしてきたとのこと。太陽光にさらされると、肌を保護するためにユーメラニンが生成され、可視光や有害な紫外線を吸収しようとします。ユーメラニンは濃い褐色なので、肌は黒く「日焼け」します。

ヤブロンスキー教授の研究によると、先史時代から人々の肌の色は、局所的な環境条件、特に紫外線レベルに合わせて調整されていたと考えられています。具体的には、赤道に近く紫外線が強い環境で生活する人々の肌は黒くて日焼けしやすく、赤道から遠く紫外線が弱い環境で生活する人々の肌は色が明るくてユーメラニンの生成能力があまり高くないとのこと。

先史時代の人々は移動手段が自らの足に限られていたため、生涯移動距離がそれほど長くなく、微妙な季節の変化に対応できていれば大丈夫だったと考えられます。たとえば、北アジアや北欧に住む人たちがハワイに行って日差しを直接浴びると、痛みを伴うほどの日焼けになることがありますが、先史時代はこうした日焼けになることはほとんどなかったというわけです。


ただし「当時の人の肌がダメージを受けていなかった」というのとは違い、太陽光を浴び続けていたため、深いしわがたくさんあったと考えられています。

太陽光線を浴び続けるとどれだけ肌にダメージが蓄積するかが一発でわかる写真 - GIGAZINE


人々が屋内で過ごす時間が増えたのは、集落に定住するようになった紀元前6000年ごろから。やがて、太陽光により肌がダメージを受けたり日に焼けて黒くなったりすることを防ぐために、日傘や帽子などが用いられるように用いられるようになり、植物や鉱物の残りかすをノリにした「日焼け止めクリーム」も開発されました。この種のクリームは、ミャンマーの「タナカペースト」のように現代まで残っているものもあるそうです。

なお、ヤブロンスキー教授は「人々は太陽が好きかもしれませんが、我々は祖先とは違います。人間と太陽との関係は変化しました。あなたの肌を守るためには行動を変えなければいけないということです」と締めくくっています。

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in メモ, Posted by logc_nt

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