海賊版対策システム「Denuvo」がNintendo Switchに対応、ゲームのパフォーマンス低下への懸念も

ゲームや音楽などのデジタルデータの海賊版が流通することを防ぐべく、多様なコピーガード技術が開発されています。そんなコピーガード技術の中でも数多くのゲームに採用されてきた実績を持つ「Denuvo」を開発するIrdetoが、Nintendo Switch向けコピーガード技術「Nintendo Switch Emulator Protection」を発表しました。

Denuvo by Irdeto launches the industry’s first Nintendo Switch Emulator Protection - Irdeto
https://irdeto.com/news/denuvo-by-irdeto-launches-the-industrys-first-nintendo-switch-emulator-protection/

Nintendo Switch向けのゲームにはパッケージ版とダウンロード版が存在しており、ダウンロード版は任天堂のサーバーからダウンロードする必要があります。しかし、インターネット上にはPCでNintendo Switch向けゲームを動作させるエミュレーターや、ゲームの海賊版が出回っているのが現状です。

Irdetoによると、人気のある海賊版ゲーム配布プラットフォームには100万規模のフォロワーが存在しており、ゲーム開発者の84％が著作権の侵害を懸念しているとのこと。この状況を打破するべく、IrdetoはNintendo Switch向けゲームがエミュレーター上で動作することを防ぐコピーガード技術「Nintendo Switch Emulator Protection」を開発しました。Irdetoは「Nintendo Switch Emulator Protection」について「他のすべてのDenuvoソリューションと同様に、ゲーム体験に影響を与えることなくビルドツールチェーンにシームレスに統合され、エミュレーターでのゲームプレイを無効化するコードを挿入可能とします」と説明しています。

上述の通り、Irdetoは「Nintendo Switch Emulator Protection」がゲーム体験に影響を与えないことをアピールしていますが、Denuvoには「ゲームのパフォーマンスを悪化させる」というデメリットが存在することが度々指摘されており、2021年には「バイオハザード ヴィレッジ」をハッキングしてDenuvoを無効化した結果、パフォーマンスが大きく向上するという検証結果も報告されています。このため、ニュース共有サイトのHacker Newsには「GPUが入手困難で多くのゲーマーが低スペックな環境でのゲームプレイを余儀なくされている現状で、なぜゲームパブリッシャーが故意にパフォーマンスを低下させているのか理解できません」といったパフォーマンスの低下を懸念するコメントが多く寄せられています。

「バイオハザード ヴィレッジ」の海賊版はオリジナルよりもパフォーマンスが向上していると報じられる - GIGAZINE